社長ノート

社長が見たこと、聞いたこと、考えたこと、読んだこと、

上毛新聞 三山春秋

2014-03-05 04:06:47 | 日記
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 冷気が緩み、優しい日差しが街に降り注ぐ3月。心躍る季節の到来だが、今年は例年と風景が異なる。県内平野部では2週間前に降った雪の爪痕が残り、後片付け作業で疲労感を覚えている人は少なくない。
 ハウスなど施設が損壊した農業被害は深刻だ。以前の生活に戻るには時間がかかる。「120年で最多の雪」と問題を先送りせず、あらためて大雪への準備、対策の必要性を感じている。
 被害が拡大した前橋市の地域防災計画には雪害対策が盛り込まれていなかった。地震や風水害といった自然災害への対策はあるが、雪害は「想定されていなかった」。今後各部署で対応を検証し、改訂するという。
 今回の大雪では除雪が進まず、高齢者世帯は孤立状態に陥った。行政の手がすぐに届かない場合を想定し、地域単位、自治会単位で自衛策を考えることを提案したい。
 積雪が70センチを超えた2月15日。徒歩で近くのコンビニエンスストアに買い物に出掛けるのも困難な状況だったが、前橋南部のある地域では、有志数人が大型トラクターを走らせて雪を踏みしめ、〝歩道〟をつくり、住民から感謝された。
 住宅街では、雪かきを住民総出で行い、「隣近所と交流するきっかけになった」「コミュニケーションの大切さを痛感した」との声も多く聞かれた。防災への取り組みは地域力を高めることにつながる。