創造的深化

より納得のできる未来を、考えてみるには・・・

日本資本主義政府 破綻の道筋

2015-12-11 18:33:48 | 経済
日本資本主義政治の破綻 その3
 借り入れコスト(社債利回り、借入金利)とREO(株主資本利益率)の加重平均をROA(使用総資本利益率)として、資本利潤率は把握される。総資本に占める割合は負債の方が大きいので、結局ROAは国債利回りに連動することになる。
 10年国債の利子率が2%を下回るということは、資本家が資本の投資をして工場やオフィスビルを建てたとしても、資本家や投資家は満足できるリターンが得られなくなることを意味している。
 2013年の日本の10年国債利回りは、0.6~0.8だったので、空に資本利潤率は下がり、信用リスクが顕在化したときにはマイナスになる。つまり資本利潤率が著しく低い状態が長期化すると、企業は設備投資ができなくなり設備過剰か、内部留保が膨れ上がり使い道を失う危険水域となる。それが現在の日本の大手業の現状だ。そこで人件費を削減するか、政治力を利用して戦争することで軍事産業の道を切り開いたりあるいは新手の公共投資産業を開拓するためにマイナンバー制度を作りあげる。あるいはオリンピックで建築工事費を受注し、企業の法人税負担を減額することで経営破綻を食い止めようとしている。海外に巨額のバラマキをして、国内企業の海外インフラなどの収益を循環させる苦肉の策も、その一環である。

なぜ鴎外は玄人の女性が好きか

2015-12-09 15:54:32 | 対幻想
「父の像」(吉本隆明)
 この中で気になる箇所。「森鴎外ももつ女性像は、玄人筋の女性像からできています。これは、父親の持っていた女性像をたいへんよく受け継いでいると思います。なぜ、受け継いだかといえば、長く生きていた母親が父親を肯定的に見て、否定したことがない過ごし方をしたために、それが鴎外に受け継がれていったんだと思います。」
 この個所で、漱石とは違うことと対比しています。問題は、なぜ母親が父を否定しないと、息子が玄人すぐの女性を好きになるのかという疑問です。解けない。

東方見聞録 ヂパング島の制圧

2015-12-09 14:11:45 | 歴史
東方見聞録(マルコ・ポーロ)
 フビライ・ハンの軍勢によるチパング島制圧の記録
 チパング島の記録を読むと、チンギス・ハンの孫のフビライ・ハンは1287年に東南アジアへと勢力を拡大して日本へと2度侵攻(元寇)をしている。台風の被害で失敗しているが、この東方見聞録にはさらに興味深い記録があった。それは、1269年と記されているが、ハンの軍勢は暴風雨に被害を逃れて生き残った軍勢の一部が、チパング近くの孤島に約3万の兵士たちは上陸して、露命をつないでいた。これを聞いたチパング島の領主や住民は喜ぶとともに、残存勢力をことごとく生け捕りにしようと多数の船を各地から徴収して我先にと孤島に上陸くした。3万のモンゴルの兵士たちは、日本の兵士たちがすべて上陸したのを見届けてから、孤島の縁を伝ってこっそりと、もぬけの殻の日本の船に全員が乗船し、逆にヂパング島に上陸し、ヂパングの国旗を掲げて本当の首都に向かって進軍した。島民は自国の兵士たちだと勘違いして、都城内に迎え入れてしまったから、さあ大変。城内は年寄りと女子供だけしか残っていなかったので、ハンの軍勢は都を占拠し、美貌の婦女子のみを残して、残りの住民たちはすべて城外へと放逐してしまった。つまり、モンゴルの軍勢にヂパング島は陥落したのです。
 これだけでも驚きの記録だが、これに対してヂパング島の領主や部民たちは、首都陥落の知らせに呆然実質し生気を失って倒れてしまう。    つづく

利子革命の意味

2015-12-08 16:34:13 | 経済
 国債利回りを世界的に見ても、ゼロ金利ともいえます。日本の国債も400年ぶりにジェノバの記録(16世紀初頭のイタリアジェノバの記録が11年続いた)を更新し、2.0%以下という最低金利は20年近く続いています。つまり、経済史上初めての異常な状態に突入しています。
 この利子率低下が、なぜ重要な大問題なのでしょう。それは利子率は、利潤すなわち資本利潤率とほぼ同じだからです。資本主義とは、資本を投下して利潤を得て自己資本を増加させていくものです。つまり利潤率が低いということは、資本主義経済が、すでに機能していないことを示しています。投資が市場に行きわたってしまい、新たな投資ができないために、利益が出ても内部留保のまま持ち続けるしかなくなります。現代と同じ状況が、16世紀と同様に起きていることになります。利子率が2.0%以下になれば、資本側が得るものは、ほぼゼロです。こうした低金利が10年以上も持続しては、既存の経済は、もはや維持できなくなります。このことを「利子率革命」などという不似合いな用語で形容しています。
 つまり、利子率革命とは、利潤を得られる投資先かもはやなくなってしまったことを意味します。日本資本主義政府は破綻するしかありません。それを食い止めようと、国民の年金を全額株に投資したり、軍事産業を生み出して、アメリカ同様に戦争国家にするしかないと考えているのが、安倍政権の役割なのです。

破綻へ突入している日本資本主義政府の構造 2

2015-12-07 15:19:42 | 経済
破綻している日本資本主義政府の構造 2
 「成長がすべてのけがや痛みを癒す」と過去の妄想に無策のまま溺れている日本資本主義政府は、まさに近代(過去という意味)資本主義経済の価値観に日木津られているからです。実体は、成長に期待をかければかけるほど、つまり資本が前進しようと図るほどに雇用を犠牲にしてしまうという構造が見えてはいないからです。グローバリゼーションがもたらす資源価格の高騰は、先進国の実物経済から高い利益を生み出すことはもはやできません。その現実から目をそらして、なお過去の成長戦力の方法論を振りかざしたとしても、そのまま進んでしまうと、日本の中間層すらもすべてが没落してしまいます。利子率の低下こそが、従来の資本主義経済の破綻の前兆だということが読み取れないなぎり、成長を求めるほどに危機を生み出してしまうのです。    つづく