創造的深化

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利子革命の意味

2015-12-08 16:34:13 | 経済
 国債利回りを世界的に見ても、ゼロ金利ともいえます。日本の国債も400年ぶりにジェノバの記録(16世紀初頭のイタリアジェノバの記録が11年続いた)を更新し、2.0%以下という最低金利は20年近く続いています。つまり、経済史上初めての異常な状態に突入しています。
 この利子率低下が、なぜ重要な大問題なのでしょう。それは利子率は、利潤すなわち資本利潤率とほぼ同じだからです。資本主義とは、資本を投下して利潤を得て自己資本を増加させていくものです。つまり利潤率が低いということは、資本主義経済が、すでに機能していないことを示しています。投資が市場に行きわたってしまい、新たな投資ができないために、利益が出ても内部留保のまま持ち続けるしかなくなります。現代と同じ状況が、16世紀と同様に起きていることになります。利子率が2.0%以下になれば、資本側が得るものは、ほぼゼロです。こうした低金利が10年以上も持続しては、既存の経済は、もはや維持できなくなります。このことを「利子率革命」などという不似合いな用語で形容しています。
 つまり、利子率革命とは、利潤を得られる投資先かもはやなくなってしまったことを意味します。日本資本主義政府は破綻するしかありません。それを食い止めようと、国民の年金を全額株に投資したり、軍事産業を生み出して、アメリカ同様に戦争国家にするしかないと考えているのが、安倍政権の役割なのです。