創造的深化

より納得のできる未来を、考えてみるには・・・

現世の他界

2015-12-01 10:43:51 | 神話・説話
現世の他界 のこと
「人間は他現世の他界
「人間は他のすべての自然存在から<類別>されたとき、<死>の意味を一定の仕方で知ったはずである。かれらは、たぶん<死>とは、自分たち生者が、死者によって、あるいは逆に生者によってと、死者が類別されると考えた。そうだとすれば、死者は一定の仕方で<現世の他界>に存在しなければならない。」(心的現象論本論)
 人間が他のすべての自然存在から類別はされない。むしろ、そうした認識を獲得したときのことを意味していることはいうまでもない。他のすべての自然存在からの類別とは、他のすべてが同類を獲得していることの認識にたったということだ。動物という類、おそらく鳥とオオカミや魚との類別を知った時でもあり、また木と草の違いではなく木間種類と草の種類にも理解が及んだ時でもある。そして、さらに自分たちは「人間」という同種の類をなしているという共同概念化にも及んでいることになる。こうした抽出と概念化を理解できることは、かなりの高度な知能を持ってきているということであり、数千年、いやそれ以上をかけているかもしれない。その類化ができるということは、生きているということと、死んでいることとの区別が類型化できていることの裏付けにもなるということになる。こうして、生きている生者と死者が見えない他界ではなく、現にある他界、すなわち「現世の他界」を死者と共有する場が持てていることを推測できる。墓地や共同の埋葬場所が確保され、生者の共同村落内もしくは隣接地に、死者のための「現世の他界」をも生み出すことが確保されていると考えられる。のすべての自然存在から<類別>されたとき、<死>の意味を一定の仕方で知ったはずである。かれらは、たぶん<死>とは、自分たち生者が、死者によって、あるいは逆に生者によってと、死者が類別されると考えた。そうだとすれば、死者は一定の仕方で<現世の他界>に存在しなければならない。」(心的現象論本論:吉本)
 人間が他のすべての自然存在から類別はされない。むしろ、そうした認識を獲得したときのことを意味していることはいうまでもない。他のすべての自然存在からの類別とは、他のすべてが同類を獲得していることの認識にたったということだ。動物という類、おそらく鳥とオオカミや魚との類別を知った時でもあり、また木と草の違いではなく木間種類と草の種類にも理解が及んだ時でもある。そして、さらに自分たちは「人間」という同種の類をなしているという共同概念化にも及んでいることになる。こうした抽出と概念化を理解できることは、かなりの高度な知能を持ってきているということであり、数千年、いやそれ以上をかけているかもしれない。その類化ができるということは、生きているということと、死んでいることとの区別が類型化できていることの裏付けにもなるということになる。こうして、生きている生者と死者が見えない他界ではなく、現にある他界、すなわち「現世の他界」を死者と共有する場が持てていることを推測できる。墓地や共同の埋葬場所が確保され、生者の共同村落内もしくは隣接地に、死者のための「現世の他界」をも生み出すことが確保されていると考えられる。

古事記神話のパターン

2015-09-24 14:02:23 | 神話・説話
①天地初発神話
 宇宙に中心があり、天と地が漂っている状態から地の中心ができ、次第に広い野原のように広がっていくという概念は、北方大陸系の宇宙創造神話の影響がみられる。一方、男女神により「国生み」が行われ、住居・灌漑水・天候などを司る「神」、穀物、鉱物、舟などの天然自然を生み出す神話は南方系の神話の影響とみなされる。
②黄泉の国神話
 地上の国と地下の国があり、「死」を媒介にして行けるという想定は、さらに道を通過して行く空間的概念を導入している。これは、中国南方の道教神話に接続している。
③政治起源神話
 姉が天を司り、弟が罪を犯して、その罪を祭儀で祓い、弟は罰として地上へと追放される。また、女神を殺害すると五穀が体から生成する。その孫が一度地下に行き試練を経て、その後地上を治めるというものは南方系神話の影響といえる。
④海彼の神
 中間に海の彼方から来た「神」が国作りに力を貸し、やがて常世国に帰るという概念は南方系とマレイ・南中国的なものとの混合した神話の影響がみられる。
⑤国譲り神話
 地上を司る神と、天を司る神との間に争いが生じ、地上の神が国を譲り、天を司る神に命じられた神が統治する。