ドイツでリニアモーターカーが実験走行中に事故。
犠牲者、少なくとも21人
ドイツ北西部ラーテンで22日午前10時(日本時間同日午後5時)ごろ、実験走行中のリニアモーターカーが軌道上の作業車両と衝突した。AP通信などによると、29人が試乗中で、少なくとも21人が死亡した。
地元警察によると、大破した車両内には依然、数人の試乗者が閉じ込められている模様で、死者はさらに増える可能性がある。日本人が巻き込まれたとの情報はない。
事故があったのは、全長32キロ・メートルのテストコース。車両は無人の遠隔操作による運転で、事故当時、時速200キロで走行中だったと見られる。ホームにいた作業員2人も事故に巻き込まれた。軌道が高さ4メートルの高架上にあるため、救出作業は難航している。
事故原因について車両を開発したトランスラピッド・インターナショナル社の広報担当者はAP通信に対し、「車両故障ではなく、通信系統のトラブル」との見方を示した。
同社には、ドイツの電機大手シーメンスなどが出資。中国では、トランスラピッド社が上海に建設した浦東国際空港と市街地を結ぶ路線で、2002年末に世界初の実用運転が始まっている。
日本のリニアモーターカーは現在、JR東海と鉄道総合技術研究所が山梨県内で走行実験を続けている。2003年には最高時速581キロを達成。宮崎県内に実験線があった当時、車体が側壁と衝突する事故(1990年5月)や、走行中に車両が全焼する火災(91年10月)が起きている。
(2) 一般的な道路・鉄道交通手段と比較して、エンジン音や車輪からのノイズが少ない。
(3) 燃料を積んでいないので事故の際の危険度が少ない。
(4) レールから浮いて走るので車輪とレールの摩擦が発生せず効率が良い。
(5) 同じスピードで走る列車と比較して、消費エネルギーが30%少ない。