JR貨物
北九州-福岡間の貨物輸送力増強へ
国交省07年度予算概算要求
幹線鉄道活性化の新規事業に
国土交通省は2007年度(平成19年度)予算の概算要求で、幹線鉄道等活性化事業費補助の新規事業として、「北九州-福岡間鉄道貨物輸送力増強事業」を盛り込んだ。九州地区の港を経由した東アジアとの国際物流増加に対応するとともに、貨物鉄道輸送へのモーダルシフトを促進するため、JR鹿児島線北九州貨物ターミナル~福岡貨物ターミナル間(67・6㌔)で待避線延伸などの工事を行い、コンテナ列車を現在の24両編成(1200㌧)から26両編成(1300㌧)に増強する。完成後は、1300㌧の長編成コンテナ列車が東京-福岡間を直通することになる。
東アジアとの国際物流増に対応
コンテナ列車長編成化
幹線のコンテナ列車を26両編成に増強する事業では、既に1993年度から97年度にかけて「東海道線鉄道貨物輸送力増強事業」(東京貨物ターミナル~吹田信号場間)を実施。完成後の98年10月のダイヤ改正から、1300トンコンテナ列車を大幅に増発し、現在では東京貨タ~梅田間などで上下26本を運転している。
続いて2002年度からは、「山陽線鉄道貨物輸送力増強事業」(吹田信号場-北九州貨夕間)にも取り組んでいる。同事業は本年度末で完成を迎えることから、1300トンコンテナ列車が東京-福岡間を直通できるように、北九州-福岡間の鉄道貨物輸送力増強事業を新規に要求する。
内容は、北九州貸タ~福岡貨夕間において、コンテナ列車の長編成化を図る上で制約要因となっている待避線の延伸工事などを行う。事業主体は第3セクターの北九州貨物鉄道施設保有を想定し、完成後はJR貨物が貸付料を支払って待避線や着発線を使用する。
事業年度は2007-2010年度の4年間、総事業費は25億円、補助率は30%。初年度の要求額は、事業費1億1700万円、うち国費3500万円。
完成後は、東京-福岡間で1300トンコンテナ列車の直通運転が可能となり、鉄道コンテナ輸送力は年間約17万トン増強される。10トントラックに換算すると年間で1万7000台に相当する。
モーダルシフトによる環境改善効果は、二酸化炭素(CO2)排出量は年間約3万2000㌧削減され、窒素酸化物(NOX)は年間約27㌧減らす見通し。
JR貨物では、JR12フィートコンテナをそのまま海外へ持ち出す国際複合一貢輸送「SEA&RAIL(シー・アンド・レール)サービス」を展開しており、博多港-釜山港、同-上海港、北九州港-上海港などで、鉄道と船舶を組み合わせた国際輸送サービスを提供している。
中国や韓国など、九州地区の港を経由した東アジアとの輸出入貨物は年々増加傾向にあり、輸送力の増強と環境負荷の少ない貨物鉄道へのモーダルシフト促進に期待が寄せられている。
九州から東京まで1300トン貨車が一貫運行できるようになるんだね。九州は国内で最も東アジアに近いところだから、ここからのコンテナ輸送は合理的だよね。しかも地球に優しい鉄道だから、二酸化炭素の削減にも貢献するし、いい事尽くめだよね。確かに関係者は期待すると思うよ。