JR東海は、名古屋地区の東海道線を中心とした在来線のダイヤ改正を10月1日に実施する。313系電車の新製車両を72両投入するのに伴うもので、主に東海道線豊橋-大垣間の「快速」 (特別快速、新快速を含む)列車の輸送力増強やサービス改善などを図る。313系は今回の72両も含め、来春までに204両を投入する予定で、幹線ばかりでなくローカル線の輸送改善も順次進める計画でいる。今回のダイヤ改正の概要や313系新製電車の特徴を紹介する。
東海道本線
昼間帯の豊橋-大垣間
全て6両化 着席率高く
現在は「快速」が1時間当たり片道4本(特別快速と新快速が2本ずつ)運転されている。ほとんどは4両編成(座席数は約200)だが、利用客は順調に増えており、混雑が目立ってきた。
そこで、昼間帯を走る全「快速」の編成を6両に増やし、混雑の緩和を図ることにした。1編成当たりの座席数は50%アップの約300になる。また大半の「快速」には新製車両が投入され、サービスも向上する。
朝通勤時間帯の 豊橋→名古屋方面速達化図り8分間隔に
最も混雑する豊橋発の7時台(一部6時台も含む)では現在、名古屋方面行きの特別快速4本と区間快速(豊橋-岡崎間は各駅停車)3本が運転されている。新ダイヤでは区間快速3本を新快速に置き換えて速達化を図るとともに、豊橋発7時台は0分発から48分発までの「快速」7本を8分間隔で運転し、分かりやすいダイヤとする。また、これまでは6両または4両だった編成をすべ
て8両とし、輸送力を約40%アップする。
区間快速が新快速に置き換えられる分は、別に普通列車を仕立てるため、新快速が停車しない駅も従来通りの停車本数が確保される。また、飯田線と名古屋方面とを直通する列車は朝夕ともなくすが、いずれも豊橋駅で10分以内に接続するようにする。
朝通勤時間帯の 大垣→名古屋方面全ての快速8両編成に
大垣を7時台に発車する2本の「快速」を6両編成から8両編成に増強し、7本の「快速」すべてを8両編成にして輸送力をアップする。
夕通勤時間帯の名古屋→豊橋方面、名古屋→大垣方面 10分間隔で 快速を運転
名古屋発で18時台から19時台にかけ、豊橋方面への特別快速、新快速を合わせて3本増発し、18時から19時30分までは「快速」10本をほぼ10分間隔で運転する。
また、岐阜・大垣方面へも同時間帯に3本の新快速を増発、18時から19時30分までは名古屋駅を「快速」10本がきっちり10分間隔で発車することになる。
両方向とも「快速」はこれまでの約15分間隔から約10分間隔運転となるほか、40%以上の輸送力増強となる。
夜間の豊橋→名古屋→大垣方面
HL見直し 快速繰下げ
「ホームライナー」の見直しを図るほか、豊橋発の名古屋方面行き「快
速」の運転時間を繰り下げる。
「ホームライナー」は、現行の名古屋発18時42分の関ケ原行きを廃止する代わりに、同20時42分発大垣行きを関ケ原まで延長運転。豊橋発20時7分名古屋行きは豊橋発を20時50分とし、大垣まで直通で運転する。
夜間の豊橋発下り「快速」は、20時台以降に3本増発するとともに、運転時間を1時間繰り下げ、21時53分発の新快速までとする。
その他
早朝新幹線接続に配慮
早朝の名古屋発岡崎行き普通を豊橋まで延長運転(豊橋着6時57分)し、豊橋発7時3分の上り新幹線「ひかり432号」との接続を図る。一方、昼間帯の岡崎-大府間では、毎時片道4本運転している普通を3本に減らす。また、夕方から夜間にかけての豊橋-岡崎間では、「快速」の増強に伴い、普通を5本(下り1本、上り4本)減らす。
東海道・武豊線
分かりやす いダイヤに
今年3月のダイヤ改正で、名古屋から武豊に直通する夕通勤時間帯の区間快速(キハ75系を使用)が増発されたが、この名古屋発時刻を20分間隔に整理し、分かりやすいダイヤとする。18時から19時30分にかけてのダイヤは、現行では15-30分間隔とまちまちだが、これをきっちり20分間隔の発車とする。
やっぱり、お客さんの利便性を考えないと増収は無理よね。混雑を緩和する編成なんて、もっと早くできなかったのかしら。乗り換え時間が少なくて、ゆっくり座れて、しかも早く目的地に着く、というのがサービスの原則だと思うけど、なかなかうまくいかないんだね。