鉄道車両アラカルト

今まで全国鉄道の旅をして、いろんな車輌を見ました。そんな車輌たちをまとめてみました。

JR北海道 今冬も万全の冬季対策

2007年12月02日 | JR北海道

JR北海道

万全の体制で冬将軍に立ち向かう

 11月2日、平年より6日遅いものの、昨年より10日早く初雪が降った道都・札幌。JR北海道は今冬もポイント不転換防止はじめ、除雪・防雪、バラスト飛散防止などさまざまな冬期対策を実施し、雪による輸送障害の減少を目指す。同時に社員らの触車事故防止対策も重点事項の1つだ。融雪装置の整備など今冬の設備投資総額は8億3000万円。万全な準備を整え、冬将軍に立ち向かう。   

 

圧縮空気式の除雪装置増設設備投資に8億3000万円

 昨冬期は記録的な暖冬・少雪で、雪害による列車の運休は255本にとどまった。しかし、その前の年は959本が運休しており、例年並みの降雪が予想される今冬期も準備を怠ることは許されない。


 運休の最大原因はポイント不転換。ポイントに氷塊や雪が挟まって、正常な動作ができない事態で、昨冬期こそポイント不転換による作業員の出動回数は126回だったが、その前は989回を数え、手作業で雪よけを行った。


 不転換防止対策として、ポイント転換時などに圧縮した空気を吹き付けて氷塊を吹き飛ばす「圧縮空気式ポイント除雪装置」を、今冬は新たに函館線厚別駅に4カ所、同岩見沢駅に8カ所増設。これで16駅105カ所になる。


 また、ポイント下部に設置して氷結を防止する「パネルヒーター」は、新たにあいの里教育大、あいの里公園、石狩太美の札沼線3駅はじめ計5駅37カ所に追加する。これで21駅1信号場の合わせて203ポイントに。


 一方、今季の新設はないが、ポイント下部に設けたピットに降雪を落として溶かす「ポイント融雪ピット」は、5駅1信号場2運転所の29ポイントに設置しており効果を上げている。


 また、埋め込み式3台、据え置き式6台の融雪装置を函館線小樽駅に初めて設置する。同駅は堆雪場所が少ないため、大雪が降った際の除排雪に苦慮していたが、これが解消される。

融雪装置9台小樽駅に設置


 除雪・防雪対策では、同社所有の排雪モータカー63台、排雪モータカーロータリー55台、ラッセルモータカー8台のうち、排雪モータカーと排雪モータカーロータリー各2台を新型除雪機械に取り換え、長万部と帯広、遠軽に配置する。


 昨季に続き防雪柵も本年度は固定471カ所(延長42・2㌔)を含む804カ所(同71・9㌔)に設置し、吹きだまりの発生を防ぐ。


 車両に付着した雪氷塊が列車走行中に落下し、線路上のバラストを跳ね上げるのを防ぐ対策では、従前通りバラスト余盛のかき降ろしや、駅構内、踏切はバラストネット、住宅隣接地は飛散防止柵の設置を行う。また、車両自体に雪氷が付着しにくくする床下機器カバーは、10月1日から旭川-札幌・新千歳空港間に登場した789系「スーパーカムイ」の全35両に装備している。

社員の接車事故防止に重点
昨期の事象に基づき対策

 一方、冬期間は作業環境が悪化して労働災害が発生しやすい状況下にある。このため除雪作業員らが安全で効率的に作業を行えるよう、列車が接近した際に警報音で知らせる列車接近警報装置や構内での連絡設備など安全にかかわる設備の充実も図っている。


設備の充実や事故対策


 列車接近警報装置は新たに宗谷線蘭留、風連、根室線芽室の各駅など7駅を加え、149駅26信号場、119トンネル、2駅間3カ所に設置される。さらに構内連絡設備は23駅5信号場、構内照明は17駅、待避小屋は5駅2信号場にそれぞれ新設される。


 加えて昨冬期に発生した事故対策としての取り組みもある。石勝線新狩勝信号場で発生した貨物列車の脱線事故(1月7日)では、降雪や風などの状況により占冠-新得間で列車を一時的に運転させない判断基準に基づき運行管理を行う。遠軽・北見地区を中心とした暴風雪(2月中旬)に関しては、雪害時に遠軽・北見両管理室において機械除雪の相互乗り入れを実施。


 函館線張碓トンネルで除氷雪作業中に発生したおとり架線切断事故(3月17日)については、漏水防止工面から発生した氷や、つららが、架線を防護している「おとり架線」などに接近する恐れのある場合は、緊急き電停止を行い、除氷作業を行うことにした。


 このほか、これまで実施してきた冬期対策を今後とも風化させることなく定着化を図るため、「冬期輸送対策マニュアル」も作成し、周知することにしている。

今年は夏はあんなに暑かったけど、例年より少し早めの冬将軍の到来。しかも寒さが厳しい日が北日本では続いてます。けど、それが宿命であるJR北海道は、巨額の対策費を使って、利用者の安全とダイヤの維持に立ち向かおうとしてます。雪が少なければ一番いいんですが、自然を相手に前向きに立ち向かう姿勢は立派ですね。是非、安全輸送とダイヤの確保を行ってこの冬季を乗り越えてもらいたいです。

 



最新の画像もっと見る