X-Planeではいくつかのエアバスのアドオン機体が出ていますが、エアバスはシステムが複雑で、なかなか実際と同じように動く機体はありません。しかしそのなかでもJARDsignが出している。エアバスA320NEOとA330-243はMCDUというボーイングのCDUとは違うフライトマネージメントコンピュータの操作盤を使えるようになっていて、エアバスをエアバスらしく飛ばすにはよい機体ではないでしょうか。そのかわり、ボーイングと違うところが多々あるので、それなりに学ばないと飛びません。
エアバスのA320フライトシミュレーターでチェックを受けるときに参考となる、絵がたっぷり入った参考書があります。
かつてこのブログでもエアバスについてはいくつか紹介しています。
まずエアバスとボーイングの違いの一片を紹介した記事です。
エアバス321を飛ばします。このエアバス321はその後、3Dコックピット版も発売され、とても良くできていると思います。
それからX-Plane版ではありませんが、プロが手軽にエアバスの練習をできるようにと開発されたパソコン用A320のソフトがあります。これも以前紹介しました。エアバスは機種が変わっても基本的な操作は変わりませんから、エアバスの操作手順を概観するにはこの記事が良いかもしれません。特にMCDUのルートの入力は詳しく書いてあります。基本はどれも同じですので。当然、これは他のソフトよりも相当細かい操作が可能で、相当実機のプロシーデュアに近くなっています。
ただバグだらけで、いくらアップデートされてもベータ版に近い状況で、相当高価ということもあって、あまり普及していないかもしれません。
そして最も手軽に飛ばせるのがこのA350です。ただルートの入力でエアウエイやSID、STARの入力ができず、別途フライトプランを作って読み込むならよいのですが、機上でいろいろルートを入力するのはかなり大変です。SID/STARを作成するスクリプトがあり、使い方の説明がありますがちょっと普通はまごつくと思います。
ここではJARDesignのA330-243について紹介していきます。
まずA320、A330とも専用の掲示板があり、最新の修正版はA320、A330それぞれダウンロードできます。
そしてA330については飛ばし方の丁寧なビデオが用意されていて、英語ですが映像を見ながら操作すれば動きます。実機のマニュアル類いくつかもここに用意されています。
さらにこの機体にはデフォルトで、グランド・ハンドリングという機能が用意されています。地上支援車です。プッシュバック・トラクターもついています。これが実に内容豊富で、有料でデラックス版を買うこともできます。
では今日はこの機体を、エアバスの工場があるフランスのツールーズからスイスのチューリッヒまで飛ばしたいと思います。1時間ほどのフライトです。ツールーズは市内のシナリ-も入れておきます。いずれも無償のシナリーです。
いつものようにPFPXでフライトプランを作ります。
ツールーズはRWY32Rから離陸して最初の高度がFL300。フライトプランの距離が418マイル。平均の風は向かい風15ノット。巡航速度はマッハ0.82。ZFWは170トン、離陸重量は183トンで計算してあります。
飛行時間は1時間6分、最小燃料は12.7トン、着陸地の代替空港はバーゼル(LFSB)です。空港の標高はツールーズが499フィート、チューリッヒが1417フィートです。
こんなルートです。フランス南部のツールーズを離陸して北東方向にフランスアルプス、スイスアルプスの北側を飛び、チューリッヒに向かいます。とても眺めの良いルートです。航路上に悪天候はありません。
離陸、着陸、代替空港の気象状況です。特に問題はありません。
ツールーズでは空港ターミナルの反対側に駐機しています。離陸滑走路は32Rですが、直行する誘導路が通行止めのため、迂回して向かいます。
航路図を見ていきます。ツールーズを離陸したらSIDに沿ってMEN VORまで行きます。
ここからUN871航空路に乗ります。
さらに北東に進んでジュネーブ近郊に来ます。
そしてOMASIからチューリッヒのSTARのTransitionに入ります。
チューリッヒ空港は盆地にあり、今日はRWY28への着陸のため、大きく回り込むことになります。STARでGIPOLまで行きます。
そしてチューリッヒ空港の直上を通過後、折り返してRWY28へ着陸します。このあたり、高度制限がたくさんあります。最終進入まえのターンは最高速度が210ノット、最終進入はRAMEMの高度5千フィートからです。ゴーアラウンドはGIPOLに戻って7000フィートです。
チューリッヒ空港の地図です。RWY28は2500メートルの短い滑走路ですが、今回の着陸には十分です。
(つづく)