フライトシミュレーターの世界

経済アナリスト藤原直哉の、趣味のフライトシミュレーターのページです。主にX-Plane、PSXを飛ばしています。

羽田の新しい出発と到着

2020-03-08 07:31:54 | 日記

羽田空港の離着陸便数拡大のため、最近計器飛行の新しい出発と到着の経路が設定されました。出発はその先に京浜工業地帯があること、到着は都心上空を経由することと3.45度の急角度の進入経路が設定されていることで議論を呼んでいます。そこで今日はこれらのルートをPSXのB747-400で飛んでみます。

出発はまず羽田のRWY22からの離陸です。VAMOS2という標準出発経路が設定されています。離陸後すぐに左旋回で東京湾にでます。そして今日はすぐに羽田の標準到着経路に入り。RWY16Rに北側からRNAVアプローチで進入します。AKSELRアライバル、RNAV RWY16Rアプローチです。

まずVAMOS2デパーチャーです。RWY22を離陸した場合は600フィートで左旋回です。しかし、飛行機の事故は離陸直後にも多くあります。操縦困難になった時には左旋回できずに京浜工業地帯で大事故を起こす可能性があります。

AKSELRアプローチです。末尾のLが16L、Rが16Rへのアライバルです。特に16Rは茨城県のほうまで北上してから羽田に向かいます。しかもびっちり高度制限。下は成田の空域、上は羽田の出発経路にかかるからでしょうか。

これがRNAV RWY16Rアプローチです。都心上空を経由して進入します。16Lとの同時進入も設定されています。ゴーアラウンドコースは16Rでは直進ですが、16Lでは左旋回です。

Baro-VNAVアプローチですからマイナス10度以下では実施できません。同じ高度計の表示でも気温が低いと実際の高度が下がるからです。IAFがNATTYで5000フィート、REMUSも5000フィートの制限。そしてFAFのRIPODが170ノットの制限です。実はこのアプローチが地上との角度が3.45度なのです。それでPAPIと降下角が合いません。すなわちPAPIが白白赤赤の表示にならないのです。

アプローチの降下角3.45度とはっきり書いてあります。降下は3800フィートからです。川崎石油コンビナート地域を避けるようにとも書いてあります。

MDAは570フィートです。MDAまで降りてきて滑走路が見えなければ復航です。でも16RにはILSアプローチも設定されていますから、天気が悪いときにはILSアプローチです。興味深いのは夜間のサークリングのことで、時計回りに16L/22/23/34R/34Lにサークリング・アプローチをすることが認められています。16Lは平行滑走路ですが、ほかの滑走路へのサークリングをそのうちやってみたいですね。

ちなみにこれが16RへのILSアプローチのチャートです。通常の3度の降下角です。3000フィートからの降下で、RNAVアプローチと比べて都心上空の高度が低くなります。周波数が111.55Mhz、コース157度、識別符号がITAです。

では羽田のRWY22の離陸から始めます。いつものようにPSXとP3DVer4を組み合わせます。

滑走路に正対したところです。

WidePSXを使って両方のシミュレーターの滑走路の位置を合わせます。

P3Dでも滑走路に正対しました。

天気は南風で、地上の気温はまず35度にしました。気温が高いと実際の高度が高くなります。果たして降下角3.45度のRNAVアプローチがどうなるかです。

では早速離陸します。

 離陸後ただちに左旋回です。京浜工業地帯が見えます。

 東京湾上を南に上昇していきます。

 京浜工業地帯上空を通過するコースになります。

10000フィートまで上昇します。

VAMOSで左旋回して到着経路に入ります。

到着経路のSCOPEに向かいます。高度は10000フィート。

房総半島上空を北上します。

MCPの高度をまず3800にしました。LNAV/VNAVで飛んでいます。MDAは570フィートです。

 

SCOPEを出ました。

速度制限と高度制限が続きます。NUMANで210ノット、9000フィート。

16Lに進入するときはここで左に曲がって都心上空に出ます。16Rはここから茨城県まで北上します。

もうすぐNUMANです。

210ノット、9000フィートで飛びます。右前方に霞ケ浦が見えてきました。

まだまだ北上します。

右下に見えるのは何と筑波山です。ずいぶん北まで来ました。しかしまだ北上します。

このあたりが最も北上したところです。下に見える川は利根川でしょうか。

では次のNEUROで旋回待機をやってみたいと思います。チャートに出ています。

NEURO上空、インバウンド290度で右回り、1分です。速度210ノット、高度は6000フィートです。いずれも制限以内です。ベストスピードが209ノットと出ています。ちょうどいい速度です。

旋回経路への進入も自動的に設定されます。速度が高いとここで旋回経路をはみ出してしまいますが、今日はピッタリ内側に収まります。

チャートだとこのあたりです。

右回りの旋回経路に入るところです。

旋回経路にきれいに入りました。

NG FMCではFMCがカラー表示になります。設定が見やすくなっています。

では1周回ったので旋回から出ます。出るをアームします。

すると旋回経路の内側を回ってNEUROに向かいます。

旋回を終わって再びアライバルを飛びます。

再び降下が始まります。ILSを受信していますが、これはRWY22のILSです。グライドスロープがぴったり合っていますので紛らわしいです。

NATTYを出ました。アプローチです。

最終進入コースに向けて減速していきます。

まもなく最終進入コースに乗ります。余談ですが客室のアナウンスで到着時に10000フィートより上でファイナルアプローチですとか言いますね。よく意味が分からないのですが、操縦室と客室で言葉の意味が違うのでしょう。

ここでILSに16Rの周波数とコースをセットします。先ほどのチャートに出ていました。

ILSのチャートを見てもヨコ方向はピッタリコースに乗っています。RNAVよりもずっと北から進入するようです。

さて、これでよくわかります。右側のND画面にはVNAVのコースのずれが出ていてピッタリコース上。左側のPFD画面にはILSのグライドスロープが出ていて、コースより1ドット上。すなわち、我々は3度のコースより高いところにいて、それがRNAVではコース通りとなっています。今の地上気温は35度に設定してありますから、差はより大きくなっているのでしょう。

地上が35度で、今の機体外部の気温が30度です。

FAFのRIPODに来ました。遠くに滑走路が見えます。降下のパスはRNAVではコース通りですが、ILSのコースからはどんどん上に遠ざかっていきます。もう2ドットです。

差は開くばかりですが、RNAVのコースにはピッタリ乗っています。

左側に東京港が見えます。都心上空を降下中です。

もうすぐ着陸です。

あと1000フィート。PAPIは白4つ。どう見ても高すぎます。しかしコース通り。

で、MDAです。ILSのグライドスロープは既にシロになっています。ここからの着陸は無理ですね。復航します。

ではまた同じアライバル、アプローチに戻ります。今度はRNAVでILSのグライドスロープに合わせて飛んでみます。

6000フィート、210ノット。左側に羽田空港が見えます。

ではNEUROからまたアライバルに入ります。

ILSの周波数とコースは16Rに合わせてあります。まずはRNAVのコース通りに降下していきます。

ILSのグライドスロープがすぐ上に来ました。最終進入コースに乗ります。

ここでV/Sモードにします。RIPODの3800フィート制限を外してILSコース上をまずV/Sモードで降りてみます。

REMUSの5000フィートでピッタリILSのグライドスロープと高度が一致しました。地上気温は35度に設定してあります。

LNAVを使い、高度はV/Sで下げていきます。

ILSのコースに沿って高度を下げていくと当然のことながらRNAVコースの下に来ます。

最終進入です。降下率800フィートぐらいで安定して降下していきます。

で、APPボタンを押してILS進入に切り替えました。

PAPIは白白白赤ですが、これはP3Dとの位置のズレで、PSX上はピッタリとコース上に乗っています。

ではもう一度復航して、次はRIPODをRNAVの設定どおり3800フィートで通過して、その後にV/Sで急速に高度を下げてILSのコースに会合し、3度の降下角で最後の進入を行うという設定です。

またぐるっと回ってきました。RIPODを3800フィートで通過します。

グライドスロープより1ドット半上にいます。

RIPODを3800フィートで出ました。V/Sを使って急激に高度を下げます。いま降下率1200フィート。しかしグライドスロープのコースに追いつきません。

降下率1500フィートぐらいでやっと近づいてきました。

PAPIはまだ全部白です。

地上との高度2000フィートあたりでやっとILSのコースと会合です。

だいたいILSのコースに乗りました。降下率を下げます。

これなら着陸できます。タテ方向はずっとV/Sを使いました。

ではもう一度復航します。次は気温マイナス5度で進入してみます。上空でいきなり地上気温を35度からマイナス5度に下げました。すると高度が500フィート近くずれました。恐ろしいですね。

地上気温マイナス5度の設定はPSXのメニューから行います。

左手に羽田空港が見えます。

機体外側の温度もマイナス5度になりました。同時に自動的に防氷装置がオンになりました。

まもなく最終進入です。RNAVとILSの高度の差が大幅に小さくなっています。

ILSで1ドット高いぐらいで最終進入です。

そのままRNAVで降りていきます。ILSで1ドット上を飛んでいます。

2000フィートです。差が縮まってきました。

気圧高度計で1ドットの差です。PAPIはまだ全部白。

そこでオートスロットルを切って降下率を上げて着陸に向かいます。

マニュアルで白白赤赤にします。P3DとPSXにズレがありますので、ここではP3DのPAPIに合わせました。

無事着陸して滑走路で止まりました。

というわけで羽田の新しい出発と到着経路を飛んでみました。何かちょっと、本当に、大丈夫なの、・・・という感じがありました。

(おわり)