今朝は屋根に雪が薄っすらと積もっていました。この冬最初の積雪です。最低気温は-3.7℃で、正午になっても未だ-0.3℃という寒い日です。
ネットニュースを見ると、アメリカのローレンスリバモア研究所(LLNL)での核融合実験で、投入したエネルギーよりも得られたエネルギーが、初めて上回ったという記事でに賑わっています。ということは、これまでは核融合の実験には成功しているものの、得られたエネルギーよりも投入したエネルギーの方が大きかったということで、今回の実験の成果はマイルストーンだと言われたり、ブレークスルーだと言われたりしています。(LLNLのニュースサイトはこちら)
3年程前からCOVID-19が流行して、それに対するワクチンが開発されましたが、ワクチンを接種していても感染する状況を「ブレークスルー感染」と言われていましたが、何がブレークスルーだ!馬鹿言ってんじゃないよ!と思っていました。こんなのは、ただ単にワクチンが効かないということなのであって、ブレークスルーなんて素晴らしいこととは無縁の現象なのです。でなきゃあ、英国や日本の首相やアメリカの大統領が感染する筈がありません。
それに比べて、ローレンスリバモア研究所での実験結果は従来の成果とは一線を画す、正に「ブレークスルー」だと言えるでしょう。
日本にも核融合の研究施設として、岐阜県に核融合科学研究所があり、私も何度か訪問したことがあります。世界中の国立研究所で核融合の研究が行われていて、高温の状態を何秒間(何分間)継続するのかという観点で見られていたようですが、莫大なエネルギーを投入し続けるのでは、核融合としての意味がありません。永久に燃え続ける太陽のようなものを手に入れるというのが究極の目的の筈なので、点火した後はずっと燃え続けることが求められます。それはそれで大変なことです。原子力発電に例えると、臨界に達した後の連鎖反応を上手くコントロールする術が必要です。それが出来なければ炉心溶融(メルトダウン)になります。
そういう意味では、LLNLでの実験成果は一つのマイルストーンに過ぎません。核融合の継続時間が長くなれば長くなるほど、発生するエネルギーを取り出す方法や制御する方法を確立しなければならないので、実用化はまだまだ先の話でしょう。マッチのように直ぐ燃え尽きてしまうのであれば安全ですが、山火事のように燃え広がって手が付けられなくなってしまったのでは危険です。太陽がそうであるように、放射されるエネルギーは熱だけではなく放射線も含まれるので危険度も大きい筈です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます