院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

温泉は病気には効かない!

2014-01-27 06:12:03 | 科学
 私の家は、私が小学校3年生くらいまで、風呂は薪で焚いていた。水は水道から供給されたが、薪は亡父が薪割りをやって造り、風呂を沸かすのはけっこう大変な作業だった。

 水道がない時代、水は桶で井戸から汲み上げて浴槽に入れたから、もっと労力が必要で、庶民が現在のような内風呂をもつことはあり得なかった。

 潤沢に湯を使うには温泉地に行くしかなかった。だから温泉は重用され、湯治という文化が生まれた。湯治は温泉地に逗留せねばならず、逗留という俗世間や仕事から離れてゆっくり休息することが心身に効果があったのだ。温泉に含まれる成分が効いていたわけではない。これは私が子供のころから言われていたことだ。

 つまり、いま温泉ブームが続いていて、神経痛や皮膚病に効くと言うが、あれはウソである。なんなら温泉水をタンクローリーで都会に運んで実験してみればよい。効能は証明できないはずだ。

 このほど環境省が温泉は禁忌とされていた妊娠中という項目を除外した。そういう政令があったとは知らなかった。環境省は妊婦の入湯禁忌には科学的根拠がないというのだが、片腹痛い。新たにうつ状態や自律神経不安定症という「病名」が追加されたけれども、別の「効能」を付け加えることにも実は科学的根拠がないからだ。

 一時、温度の低い温泉を熱して温泉といつわっていたとか、普通のお湯を追加していたとか、循環風呂を源泉かけ流しと称していたとか、温泉地が非難されたけれども、温泉はもともと病気には効かないのだから、非難する必要もなかったのだ。

 温泉地を非難するなら、昨今大流行のサプリメントも非難しなくてはならない。

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