複雑な気持ち

2008-04-15 23:59:59 | ZARD
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20080410/1009142/?P=2

マーティ・フリードマンのJ-POPメタル斬り/延長戦

ZARDの“新曲”は複雑な気持ちがしました

ラストはZARDの『翼を広げて』で、93年に坂井泉水さんが詞を提供したDEENのヒット曲の「セルフカバー」です。これまではずっと未発表だったんだけど、ファンのリクエストに応えて、急遽リリースされることになったと聞きました。

 ZARDは、僕がJ-POPにハマる決定的なきっかけを作ってくれたバンドです。もしZARDが存在しなかったら、僕が日本に住むことはなかったと思います。メガデス時代の僕がどんなにZARDのサウンドに衝撃を受けたかについては、単行本の中でも詳しく回想してるので、興味がある人は、ぜひチェックしてみてください。

 ただ、このシングルを聴くのは、ちょっと複雑な気分でした。もちろん、1人のファンとしては、坂井さんしか出せないあの特別な癒し系の声を、未発表曲で聴けるのはうれしい。ファンのために、これを届けてくれたレコード会社に感謝します。

 でも、アーティストの立場で考えると、もし僕が今死んだとしたら、パソコンの中に録りだめてる未発表の音源は、絶対に人に聴いてほしくありません。このZARDの曲はちゃんとしているからいいけど、洋楽のアーティストなんかだと、デモバージョンとか完成してない曲が出ることがよくあるじゃん。

 それでもファンのみんなは当然聴きたがるだろうし、僕もこのZARDの曲を聴いたら、ほかにもストックがあるのかなって知りたくなっちゃったし……。そんな、いろんな思いが頭をよぎっちゃって、ちょっと冷静には批評できませんでした。ごめんなさい!


マーティ・フリードマン

90年代、ヘビーメタルバンド、メガデスのメンバーとなりアルバムセールスを1300万枚超えの世界的なスーパーバンドへと導いたギタリスト。その後、J-POPに興味を持ち、メガデスを脱退。活動の拠点を東京に移し、ミュージシャンやプロデューサーとして活動している。3月12日にはセルフカバーアルバム『Future Addict』を発売した。
 同時に、日本の音楽や日本語の魅力について、外国人やミュージシャンならではの視点で様々なメディアにおいて語っている。「日経エンタテインメント!」の連載「J-POPメタル斬り」も大好評。公式ページはこちら


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