《ZARD『揺れる想い』から30年》 「体じゅう」と坂井泉水が 「ひらがな表記」にこだわった理由

2023-06-05 00:00:38 | ZARD
https://crea.bunshun.jp/articles/-/42247

《ZARD『揺れる想い』から30年》
「体じゅう」と坂井泉水が
「ひらがな表記」にこだわった理由

2023.5.31

 大塚製薬のスポーツドリンク・ポカリスエットのCMは、10代のキャストを起用して青春を前面に押し出した内容が定番となっている。

 その原点はおそらく1993年にさかのぼる。この年のCMは、前年よりイメージキャラクターを務めていた一色紗英(当時16歳)が、ポカリスエットを携えて自転車に乗り、試合終了後の野球場にひとり残った彼氏に届けるというストーリー仕立ての内容で、鮮烈な印象を与えた。また別のバージョンでは、彼氏と二人きりで砂浜でじゃれ合ったり、岩場から海へ飛び込んだりと、これまた青春を感じさせる様子が描かれた。

   

「揺れる想い」から30年

 これらのCMでイメージソングとして使われたのが、ZARDの「揺れる想い」である。同曲はZARDの8枚目のシングルとしてこの年の5月19日にリリースされた。それからきょうでちょうど30年が経つ。これに合わせて、ZARDの公式YouTubeチャンネルでは同曲のミュージックビデオ(MV)のフルバージョンが今夜8時よりプレミア公開される。

「揺れる想い」は当初よりポカリスエットのCMのためつくられた。ZARDでボーカルと作詞を担当する坂井泉水はそれを意識して、製品のパッケージカラーである「青」を歌詞に入れようと提案し、ここから「青く澄んだあの空のような」というフレーズが生まれた。

   

 ZARDはデビュー3年目のこの年、1月27日にリリースした6thシングル「負けないで」が165万枚を売り上げ、自己最大のヒットとなった。「揺れる想い」はそれに次ぐ140万枚のセールスを記録する。

 この2曲を収録したアルバム『揺れる想い』(同年7月10日発売)も現在までに300万枚超を売り上げ、ZARDのアルバムではやはり最大のヒットとなる。ZARDにとって1993年は、これらあいつぐメガヒットにより一気にブレイクを果たした飛躍の年となった。

謎めいた「ZARD」の素顔

 ただ、ZARDが表舞台に出てくることはほとんどなかった。テレビの音楽番組にはデビュー以来たびたび出演してきたが、それもこの年2月に『ミュージックステーション』で「負けないで」を披露したのが結果的に最後となる。ライブもこの6年後、1999年の豪華客船上でのライブまで一切行われなかった。

 それに加えて、この時点では坂井の年齢を含め、アーティストについての情報もほとんど伏せられた。おかげで、「ZARDというバンドは存在せず、歌っているのも写真とは別人」などという噂まで流れたほどである。

 しかし、ZARD――坂井泉水というアーティストはたしかに存在した。そのことは、彼女がいかに楽曲制作に心血を注いでいるかがあきらかになるにつれ証明されていった。「揺れる想い」についても、のちに彼女自身が《何度も何度も練り直して完成した曲。苦労してレコーディングした分、自分でも思い出深い一曲です》と、ベストアルバム『Golden Best 〜15th Anniversary〜』(2006年)付属のブックレットでコメントしている。

 同曲は、レコーディングで7回テイクを重ねてようやくOKとなったという。テイクごとに坂井は歌詞やメロディなどを変えて歌い、満足が行くまで試行錯誤を繰り返した。歌詞でも「揺れる想い体じゅう感じて」と、「体中」ではなくひらがなでの表記にこだわった。ZARDを担当した音楽ディレクターの寺尾広によれば、彼女はそうすることで体の中も外も感じているということを伝えたかったという(NHK BSプレミアム『ZARDよ永遠なれ 坂井泉水の歌はこう生まれた』2019年4月20日放送)。

歌手になる前の意外なキャリア

 ZARD誕生の発端は、そのデビューの1年前、1990年に行われたB.B.クイーンズ(この年、「おどるポンポコリン」が大ヒットした)のコーラスメンバーを選ぶオーディションであった。坂井泉水は当時23歳で、すでに本名の蒲池幸子名義でレースクイーンやグラビアモデルなどの活動をしていた。だが、歌手になりたいという子供のころからの夢を捨てきれず、オーディションに参加したのだった。

 オーディションを主催した音楽制作会社ビーイングの創業者で、プロデューサーの長戸大幸は、坂井の歌声が気に入った。コーラスメンバー入りは、諸事情から実現しなかったものの、すぐにチャンスがめぐってくる。長戸が、フジテレビのプロデューサーだった亀山千広(のち社長)から今度始まるドラマのテーマ曲を歌うシンガーを探していると相談を受け、坂井のことを思い出したのだ。

 長戸はすぐに彼女に連絡をとると、ZARDというプロジェクトをつくって歌わせると決める。こうして1991年2月、坂井はZARDのボーカルとしてドラマ『結婚の理想と現実』の主題歌となった「Good-bye My Loneliness」でデビューを果たした。

 坂井は先のオーディションで何をやりたいかと訊かれ、ロックをやりたいと答えていた。長戸はこれを受け、紅一点の女性ボーカルによるハードロックバンドを構想する。

バンド名に込められた意味

 ZARDというバンド名は、もともと長戸がベンツ車のランプに書かれた「HAZARD」の文字から思いついて温めていたものだった。さらに「ZARD」とつく言葉には、Hazard(危険)のほかにもWizard(魔法使い)やBlizzard(吹雪)など、どちらかというと敬遠されがちなものが多いと気づき、《ロックの持つ退廃的かつ反体制的なイメージともリンクすると思って、これを可愛い女の子の名前にしたら面白いし、ウケるのではないかと考え》、命名したという(『ZARD/坂井泉水 ~forever you~』ミュージックフリークマガジン、2020年)。

 こうしたコンセプトから、ZARDはボーカルの坂井を中心とするバンドとしてデビューしたものの、まもなくして彼女のソロプロジェクトという形態へ移行していく。それでもその楽曲の基本は一貫してバンドサウンドにあった。

 ZARDデビューにあたって彼女に坂井泉水と新たな名前をつけたのも長戸である。それというのも、当時はグラビアモデルという仕事にはまだエロスのイメージが色濃くあり、そのキャリアがアーティストとしてデビューする彼女にとってはネガティブな要素になるとの懸念があったからだ。

「過去の仕事」をめぐり涙したことも

 しかし、当の坂井からすれば、それまでの仕事も納得して引き受けたものであり、かつての所属事務所のスタッフには、自分のために汗を流して仕事を取ってきてくれたと感謝していたほどだった。ZARDとして人気が出始めると、マスコミから過去の仕事についてさんざん詮索され、ときには事実無根の中傷記事が出て、人目を忍んで泣いたこともあったという(ZARD『永遠 君と僕との間に』幻冬舎、2019年)。

 それでも過去に対する思いに変わりはなかった。そこであるとき、長戸が「かつての自分を後悔していないなら、そういう歌詞を書いて歌ってくれ」と提案する。こうして生まれたのが、1995年の6thアルバムの表題曲となった「Forever you」であった。その曲中で坂井は「過去(むかし)に後悔なんてしてない/またとない 二度と来ない 私の青春だから」ときっぱり歌い上げたのである。

 作詞も「アーティストが自分自身をより輝かせて歌うためには、自らの言葉で書いて歌ったほうがいい」という長戸の助言によりデビュー時から始めたものだった。思いつくがままに言葉を書き留めた手帳はまたたく間に冊数が増え、やがて旅行用のキャリーバッグで持ち歩かなくてはいけない量に達したという(『永遠』)。坂井はそうやって書き留めた膨大な言葉から選り抜き、ジグソーパズルのように歌詞に当てはめていくというスタイルを確立する。

詞を書くときの流儀

 2001年のインタビューでは、《フッと思いついた言葉は、日頃からお気に入りの手帳に書き留めるようにしています。(中略)詞を書く時は、メロディを初めて聴いた時のイメージやインスピレーションを大切にしています。あとは“私を選んで~”と言葉が訴えかけるので、その訴えかけてくる言葉を選ぶようにしているんです》と語っていた(『SAY』2001年5月号)。ZARDの翌年に同じくビーイングからデビューした大黒摩季も、坂井が「曲を何度も聴いていると、メロディが言葉をくれる」とよく言っていたと証言している(『ZARDよ永遠なれ』)。

 大黒は駆け出し時代、ZARDの楽曲でコーラスを務めることも多かった。彼女たちのほかにも、ビーイングからはB'zやT-BOLANなど多くのアーティストが輩出され、90年代にヒットチャートを席巻した。ZARDは「負けないで」「揺れる想い」を発表した1993年、同じくビーイングのバンドであるZYYG、REV、WANDSとシングル「果てしない夢を」を共作したが、そこでゲストボーカルとしてプロ野球の読売ジャイアンツの監督だった長嶋茂雄を迎えたことからも、このころのビーイングの勢いがうかがえる。

長嶋茂雄とのレコーディング

「果てしない夢を」のレコーディングではこんなエピソードが残る。このとき、プロデューサーの長戸が「長嶋さんはヘッドフォンをして歌ったことなどないはずだから、カラオケみたいにスピーカーから音を流してハンドマイクで歌ってもらおう」と突然言い出したので、レコーディングエンジニアの市川孝之は慌てた。当時はそのような状況でも録音できる高音質のマイクなどなかったからだ。

 だが、戸惑う市川を見て、すかさず坂井が《それだといい声で録れないし、後で編集もできないだろうから、私がブースの中に長嶋さんと一緒に入って、横でアシストするので普通に録りましょう。ヘッドフォンの使い方も私が教えます!》と助け船を出してくれたおかげで、レコーディングは滞りなく進んだという(『ZARD/坂井泉水 ~forever you~』)。

 この話からもうかがえるように、普段の坂井はジャケット写真でのはかなげな表情から想像されるイメージとは違い、さっぱりとした性格で、スタッフたちにとっては姉御肌の頼れる存在だったようだ。

ついていけなかった「時代の変化」

 そんな彼女も、体調不良のため2001年2月より約1年間、活動を休止する。そこには音楽シーンの変化も影響していたという。90年代後半になると、安室奈美恵や浜崎あゆみなどのアップテンポのナンバーがヒットチャートをにぎわした。そのなかにあって、それまで8ビートのロックで魅力を発揮してきた坂井は、16ビートになかなかついていけなかったというのだ。

 前出の2001年のインタビューで彼女は、《私はPioneerであり続けたいと思っています。何においても少しずつ新しいことに挑戦していきたいんです》と語っていたが、それも時代の流れについていこうというあがきの表れだったのだろうか。

 それでも坂井は2002年5月に復帰すると、2004年には初のライブツアーを敢行、当初3公演の予定が11公演に増え、体調もけっして万全とはいえなかったものの、見事やり遂げた。その後も新境地を拓いていく。2005年公開の劇場版アニメ『名探偵コナン 水平線上の陰謀(ストラテジー)』の主題歌「夏を待つセイル(帆)のように」の制作時には、童謡「森のくまさん」みたいなアレンジにしてほしいと提案するなど、子供が楽しめる曲になるよう心がけた。

40歳の若さで急逝

 2006年5月には42thシングル「ハートに火をつけて」をリリースするが、残念ながらこれが生前に彼女が発表した最後のシングルとなる。同曲のMVを撮影した日の深夜、彼女は子宮頸がんのため入院。闘病中も歌詞を書き続けていたが、翌2007年5月27日、入院先の病院内での不慮の事故により、40歳の若さで急逝する。

 あれからまもなく16年が経とうとしている。この間にも災害やパンデミックが起こるたび、坂井の歌う「負けないで」が人々を勇気づけてきた。「揺れる想い」もまた、2019年に再びポカリスエットのCMで、母娘に扮した吉田羊と鈴木梨央によるカバーという形で使われるなど、ZARDのもうひとつの代表曲という地位に揺るぎはない。

 ZARDのMVは、あらかじめテーマを設けたりはせず、坂井の自然な姿を長時間撮ったうえ、そこからベストシーンを選び、合間を海や青空の映像でつなぎながら構成された。撮影現場でスタッフは作品性を一切意識しなかったが、そのなかで唯一共有していたのが「坂井さんのカラーは青」ということであったという(『永遠』)。ポカリスエットの色から「青」を「揺れる想い」の歌詞に入れた坂井だが、彼女自身のイメージカラーが青だったのだ。そのせいか、青く澄んだ夏空のもとではいまなお、坂井の歌声がより私たちの心に染みわたる。

「ZARD」坂井泉水さん、16回目の命日 4年ぶりの献花台に多くのメッセージ 公式が「感謝」

2023-06-04 19:45:57 | ZARD
https://news.biglobe.ne.jp/entertainment/0531/spn_230531_4162333274.html

「ZARD」坂井泉水さん、16回目の命日 4年ぶりの献花台に多くのメッセージ 公式が「感謝」
2023年5月31日(水)12時9分 スポーツニッポン

 1990年代の音楽シーンを席巻し、2007年に亡くなった「ZARD」の坂井泉水さん(享年40)のオフィシャルツイッターアカウントが31日までに更新され、16回目の命日への献花に対する感謝の思いを記した。

 坂井さんは91年にZARDのボーカルとしてデビュー。94年の選抜高校野球開会式の入場行進曲になった「負けないで」が160万枚を超える売り上げとなり、スターダムにのし上がった。同曲は現在も日本テレビ「24時間テレビ」のマラソンで歌い継がれ広く親しまれる。作詞も担当し作曲家の織田哲郎氏とのコンビで「揺れる想い」「マイフレンド」などヒットを連発したが、07年5月、入院先の都内の病院で高さ約3メートルのらせん状のスロープから転落し、脳挫傷のため40歳で死去した。

 今月27日、命日を迎え、公式は「いつもZARDを応援頂き、誠にありがとうございます。本日5月27日はZARD/坂井泉水さんの16回目の命日となります」と報告。「それぞれの形で坂井さんが遺した作品に触れていただき、坂井さんを想う日としてくださると嬉しいです。坂井さんを偲んでくださるすべての方に、心より感謝申し上げます」と呼びかけた。

 27日には、コロナ禍で中止されていた献花台を4年ぶりに東京・大阪に設置し、WEB献花も受け付けた。30日には「献花台、WEBへのご献花誠にありがとうございました」と、多くの献花が届いたことを報告。「たくさんのメッセージもお寄せいただき、坂井さんへのあたたかな想いに改めて感謝申し上げます」と感謝を記した。

 「これからもZARD/坂井泉水さんが遺した作品を、聴き、歌い継いでいただきますようお願いいたします」と記した投稿には、「これからもずっとずっと大ファンです」「何年経ってもZARDの…坂井泉水さんのファンであり続けます」「偲ぶ場所を設けていただき、改めてスタッフの皆様にも感謝申し上げます」「本当に泣ける」と、さまざまなコメントが寄せられた。

「ZARD」のオリジナルアルバムで好きな作品は?【2023年版・人気投票実施中】

2023-05-27 23:38:37 | ZARD
https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/1516245/

「ZARD」のオリジナルアルバムで好きな作品は?【2023年版・人気投票実施中】
ねとらぼ調査隊

 歌手・坂井泉水さんを中心に結成された音楽ユニット「ZARD」。1990年代から、坂井さんが亡くなられた2007年まで、複数の作品でミリオンを達成するなどヒット作品を連発。日本の音楽史上に残るユニットであり、数々の名曲はいまも聞き継がれています。

 そこで今回、ねとらぼ調査隊では「ZARDのオリジナルアルバムで好きな作品は?」というテーマで人気投票を実施します。これまで発表された作品から、あなたのお気に入りのオリジナルアルバムを教えてください。まずはヒット作から3枚の作品を紹介します。

揺れる想い

 「揺れる想い」は4枚目のオリジナルアルバムであり、1993年7月に発売されました。ZARDのオリジナルアルバムでは最大のヒット作として知られ、オリコンチャートでは週間1位、1993年度年間1位を獲得。通算5週にわたり1位を獲得したことも快挙と言えるでしょう。大正製薬「ポカリスエット」の1993年度CMソング「揺れる想い」や、ドラマ「彼女の嫌いな彼女」の主題歌「君がいない」、ZARDの代表曲にも数えられる「負けないで」などが収録されています。

OH MY LOVE

 「OH MY LOVE」は5枚目のオリジナルアルバムであり、1994年6月に発売されました。前作の「揺れる想い」に続き、ミリオンセラーを記録。オリコンチャートでは週間1位、1994年度年間5位などを達成しています。ドラマ「ララバイ刑事’93」のエンディングテーマに起用された9thシングル「もう少し あと少し…」や、10thシングル「きっと忘れない」、爽やかなロックサウンドが光る11thシングル「この愛に泳ぎ疲れても」などを収録。ZARDのオリジナルアルバムの中では最長のロングセラーを記録した作品です。

forever you

 「forever you」は1995年3月に発売された6枚目のオリジナルアルバムです。2週連続のオリコン週間1位、1995年度年間4位を達成した本作。こちらも前作「OH MY LOVE」に引き続き、ミリオンセラーを記録しました。シングル曲「こんなにそばに居るのに」「あなたを感じていたい」「Just believe in love」の3曲を中心とした10曲を収録。等身大の女性の姿を描いた、ZARDらしさの詰まった作品となっています。

「ZARDのオリジナルアルバム」で好きなのは?

 お気に入りの1曲が入っている作品や、アルバム1枚を通して大好きな作品など、あなたが一番好きなオリジナルアルバムにぜひ投票をお願いします! またお気に入りの作品へのコメントもぜひお寄せください。たくさんのご参加をお待ちしております!

実施期間:2023/05/27 00:00 〜 2023/06/02 23:59
投票は1度、最大3つまでチェック可能

ZARD「揺れる想い」は“永遠性”を決定づけた一曲に 坂井泉水の歌詞が共感を生み続けた理由

2023-05-27 23:35:01 | ZARD
https://www.msn.com/ja-jp/news/other/zard-%E6%8F%BA%E3%82%8C%E3%82%8B%E6%83%B3%E3%81%84-%E3%81%AF-%E6%B0%B8%E9%81%A0%E6%80%A7-%E3%82%92%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E3%81%A5%E3%81%91%E3%81%9F%E4%B8%80%E6%9B%B2%E3%81%AB-%E5%9D%82%E4%BA%95%E6%B3%89%E6%B0%B4%E3%81%AE%E6%AD%8C%E8%A9%9E%E3%81%8C%E5%85%B1%E6%84%9F%E3%82%92%E7%94%9F%E3%81%BF%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%81%9F%E7%90%86%E7%94%B1/ar-AA1bLgn1

ZARD「揺れる想い」は“永遠性”を決定づけた一曲に 坂井泉水の歌詞が共感を生み続けた理由
Real Sound によるストーリー

<『みんなが聴いた平成ヒット曲』第13回 ZARD『揺れる想い』>

『24時間テレビ「愛は地球を救う」』(日本テレビ系)のチャリティーマラソンなど各分野で頑張っている人を後押しするときに流れる「負けないで」、2014年より小田急渋沢駅下りホームで列車が近づいてきたときに耳にする「揺れる想い」(上りホームは「負けないで」を使用)をはじめ、ZARDの多くの楽曲は長年にわたり、さまざまな場面で聴き継がれている。もはや、私たちの生活のなかにそれらの曲が当たり前のように溶け込んでいる。

1991年より活動をスタートさせたZARDは、翌年のシングル曲「眠れない夜を抱いて」が45.5万枚のセールスを記録して脚光を浴びる。そして1993年、「負けないで」が164.5万枚、「揺れる想い」が139.6万枚、「あと少し、もう少し…」が84.3万枚、「君がいない」が80.1万枚、さらにZYYG, REV,ZARD & WANDS featuring 長嶋茂雄名義のコラボ曲「果てしない夢を」が72.6万枚を売り上げた(オリコン年間シングルランキング調べ)。以降も「この愛に泳ぎ疲れても」「Boy」(1994年)、「マイ フレンド」(1996年)といったヒット曲を次々と発表した。

ただZARDは、その数字以上に記憶に残るものがあった。前述したように、リリースから約30年が経ってもまったく色褪せない。日本のポピュラーミュージックでここまで普遍的かつ日常的な楽曲はあっただろうか、とあらためて敬服させられる。ZARDの坂井泉水は、1999年にアルバム『永遠』をリリースしたとき、こんな願いを込めてタイトルをつけたのだという。

「自分たちの音楽が永遠にスタンダードになれば」(書籍『永遠 君と僕との間に』(2019年/幻冬舎))。

■ZARDのイメージカラー「青」が表現していたもの

「揺れる想い」が収録されたアルバム『揺れる想い』が発売されたのが、ちょうど30年前の1993年7月。発売年だけで193.8万枚のビッグヒットとなり、同年のオリコン年間アルバムランキングでも2位のWANDS『時の扉』に30万枚以上の差をつけてトップとなった。

この「揺れる想い」が、ZARDの永遠性を決定づけた曲の一つだと言っても良い。ZARDのミュージックビデオの多くは「青色」が重要なカラーとして登場するが、その意識をより強めたのが同曲である。「揺れる想い」から映像スタッフとしてチームに加わった伊藤孝宏は、『永遠 君と僕との間に』のなかでこのように証言している。

「ZARDの現場は、坂井さんの自然な姿を長時間撮影して、(プロデューサーの)長戸(大幸)さんがベストシーンを選び、その映像を軸に全体を構成していきます。スタート! アクション! はなし。坂井さん自身の映像が決まったら、その間を海や青空でつないでいきます。CGを使うことはありません。映像に意味は持たせません。曲とともに本人のイメージがリスナーの意識に残ることがもっとも重要でした」「坂井さんのカラーは青ということも共通認識だったと思います」

ZARDのミュージックビデオに出てくる、海、青空は物事の普遍性を表現する際、もっともシンボリックな情景である。また「揺れる想い」が使用されたCM『ポカリスエット』の商品カラーも青で、当時放送されたCM中の一色紗英が気になる男性と距離感を詰めていく瑞々しい様子も、海、青空を背景に描かれていた。なによりこのCMのストーリー自体、誰もがかつて経験したり、もしくは年齢を重ねても失われたりしない恋愛のドキドキ感が映し出されていた。伊藤は「意味は持たせません」と話していたが、それでもZARDのクリエイティブには潜在的に普遍性、永遠性が根付いていたと言えるだろう。

■坂井泉水が共感できる曲を書けた理由

「揺れる想い」には、〈揺れる想い体じゅう感じて このままずっとそばにいたい〉〈青く澄んだ あの空のような 君と歩き続けたい in your dream〉といった一節がある。その歌詞もまた普遍性、永遠性を想起させるものだ。一方で、決して時代性やなんらかのトピックを突出させたり、自我を際立たせたりする内容ではない。絶妙にフラットであり、それでいてちゃんと作り手の体温が感じられる。そのバランスがZARDのすごさであり、楽曲がエバーグリーン化している一番の理由ではないか。

とりわけその歌詞が時代を問わず誰の心にも響き渡っている要因には、坂井の生活感覚が大いに影響していると考えられる。坂井は「負けないで」がヒットしても、自宅から毎日、小田急線で1時間以上かけてスタジオに通っていたという(『永遠 君と僕との間に』より)。

同書は坂井の暮らしぶりと歌詞の関係性について「100万枚を超えるヒットを連発しても、坂井の生活が派手になることはなかった。ごくふつうの20代の女性の感覚を失わなかったからこそ、多くのリスナーが共感できる歌詞を書けたのかもしれない」とし、ZARDの音楽制作ディレクターをつとめた寺尾広も「坂井さんが贅沢をしている気配は特になく、スタジオの出前でも、僕たちと同じようなメニューを選んでいました」と振り返っている。

■大黒摩季から見たZARD=坂井泉水

2023年5月19日放送『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)では、「負けないで」「揺れる想い」などでコーラスをつとめた大黒摩季が出演し、坂井とのエピソードの数々を明かした。

特に心にグッときたのが、大黒のデビュー記念日が坂井の命日になったこと。2007年5月27日、大黒は15周年のライブ後に悲報を耳にしたという。番組のなかで大黒は「なんで世の中に必要な人を先に連れて行っちゃって。いっそ私を連れて行ってもらいたかった」とまで語っていた。さらに、1999年発売のベストアルバム『ZARD BEST The Single Collection~軌跡~』の表紙に、坂井から直筆で「私のためにも、これからもガンバって下さいね。遠くから応援しています」と書かれたメッセージを贈られたという。大黒は「芸能界のあれじゃこれじゃを分かっていながらにして、『絶対につぶされないで頑張ってね』ということだよね。私のためにも『いつかまた一緒にやろうね』っていう。だから『遠くから』なんです」と解釈したという。

「いつかまた一緒にやろうね」。それが果たされたのが2022年2月、ZARDの30周年記念ライブ『ZARD 30th Anniversary LIVE "What a beautiful memory~軌跡~"」』である。スクリーンに映し出された坂井が歌い、大黒はコーラスを重ねた。披露された曲は「揺れる想い」だった。

大黒は『永遠 君と僕との間に』のなかで、坂井のこと、ZARDのことをこんな風に言い表した。この言葉こそ、彼女が歌った楽曲がなぜ聴き継がれているのか、その理由を解き明かすものではないだろうか。

「泉水ちゃんは、時代が変わろうとも揺るがない、リスナーのハートにそのまま寄り添ってくれる絶対的、普遍的な存在でした。等身大でぶれることのない泉水ちゃんが今生きてたら、どんな言葉をつくり、歌っているのか。願いが叶うならば聴いてみたいなあ」

(文=田辺ユウキ)

ZARDの坂井泉水さん、16回目の命日 公式ツイッター「坂井さんを想う日としてくださると嬉しいです」

2023-05-27 23:25:05 | ZARD
https://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/%EF%BD%9A%EF%BD%81%EF%BD%92%EF%BD%84%E3%81%AE%E5%9D%82%E4%BA%95%E6%B3%89%E6%B0%B4%E3%81%95%E3%82%93-%EF%BC%91%EF%BC%96%E5%9B%9E%E7%9B%AE%E3%81%AE%E5%91%BD%E6%97%A5-%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%84%E3%82%A4%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%BC-%E5%9D%82%E4%BA%95%E3%81%95%E3%82%93%E3%82%92%E6%83%B3%E3%81%86%E6%97%A5%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%82%8B%E3%81%A8%E5%AC%89%E3%81%97%E3%81%84%E3%81%A7%E3%81%99/ar-AA1bLhs9

ZARDの坂井泉水さん、16回目の命日 公式ツイッター「坂井さんを想う日としてくださると嬉しいです」
サンケイスポーツ

ZARDの坂井泉水さん(享年40)が2007年5月27日に亡くなってから16年を迎えた27日、ZARDの公式ツイッターにメッセージが掲載された。

ツイッターでは「いつもZARDを応援頂き、誠にありがとうございます。本日5月27日はZARD/坂井泉水さんの16回目の命日となります」と報告。「それぞれの形で坂井さんが遺した作品に触れていただき、坂井さんを想う日としてくださると嬉しいです。坂井さんを偲んでくださるすべての方に、心より感謝申し上げます」と呼びかけた。

ZARD坂井泉水さんの命日、SNS上で数多くの追悼…「坂井泉水さん」がトレンドランキングに入る

2023-05-27 23:16:24 | ZARD
https://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/%EF%BD%9A%EF%BD%81%EF%BD%92%EF%BD%84%E5%9D%82%E4%BA%95%E6%B3%89%E6%B0%B4%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E5%91%BD%E6%97%A5-%EF%BD%93%EF%BD%8E%EF%BD%93%E4%B8%8A%E3%81%A7%E6%95%B0%E5%A4%9A%E3%81%8F%E3%81%AE%E8%BF%BD%E6%82%BC-%E5%9D%82%E4%BA%95%E6%B3%89%E6%B0%B4%E3%81%95%E3%82%93-%E3%81%8C%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AB%E5%85%A5%E3%82%8B-%E6%AD%8C%E5%A3%B0%E3%81%AB%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%A4%E3%82%82%E5%85%83%E6%B0%97-%E5%8B%87%E6%B0%97-%E5%8A%B1%E3%81%BE%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%BE%E3%81%99/ar-AA1bKnYh

ZARD坂井泉水さんの命日、SNS上で数多くの追悼…「坂井泉水さん」がトレンドランキングに入る
報知新聞社 によるストーリー

 2007年5月27日に死去したZARDの坂井泉水さん(享年40歳)の命日となる27日、SNS上でツイッターのトレンドワードで「坂井泉水さん」がランキング入りするなど数多くのしのぶ言葉がささげられている。

 坂井さんは1991年デビューのユニット「ZARD(ザード)」のボーカルで155曲の詞を手掛けた。デビューシングル「Good―bye My Loneliness」、「負けないで」、「揺れる想い」を始め、アニメ「SLAM DUNK」のエンディング曲「マイ フレンド」、アニメ「ドラゴンボール GT」のエンディング曲「Don’t you see!」など数多くのヒット曲を送り出した。シングルとアルバムの総売り上げ枚数は、3763.3万枚を記録した。

 昨年秋には英国のダイアナ元皇太子妃の劇場ドキュメンタリー映画「プリンセス・ダイアナ」でZARDの楽曲「Forever you」が主題歌を務めるなど今なお根強い人気を誇っている。

 17回忌を迎えたこの日、SNS上では、数多くの人々から坂井さんを追悼する言葉が書き込まれている。

 「2007年のあの日から16年、十七回忌。坂井泉水さんの歌声にはいつも元気、勇気、励まされてます。これからも大好きです!」

 「マイフレンドを聴くと今でも鳥肌が止まらないんだよな」

 「今日はZARD、坂井泉水さんの命日です。日々支えられているZARDに感謝する日、静かに穏やかに過ごしたいと思います」

 「坂井泉水さんの声も歌も大好きです。16年も経つんですね。いつまでも愛されています」

 「今日は朝からずっとZARD坂井泉水さんの曲を聴きまくってますよ」

 「本日5月27日はZARD坂井泉水さんの命日 素敵な歌の数々を届けてくれたことに感謝しながら故人を偲びたいと思います」

 「僕の中では永遠にこの今日という日は特別な日になりました。坂井泉水さんの曲で人生のさまざまなシーンでどれほど救われただろうか。これからも僕にとってかけがえのないものです…」

石の上にも3年

2023-05-27 22:54:54 | Weblog
皆さん、お元気でしたでしょうか

3年3か月とちょっと、放置しておりました。

がんばって更新しようという意思もなく・・・そう、まるで鳥取砂丘のような(意思がない/石がない)

ログインパスワードを忘れ、ちょっと大変でしたが、何とかなりました(苦笑)

次の更新も、きっとまた数年後というウワサ(ぇ)

ってか、誰も見てないよね

e-onkyo ハイレゾランキング[2020.2.13 - 19]1位『ZARD Forever Best ~25th Anniversary~』

2020-02-21 23:44:20 | ZARD
https://online.stereosound.co.jp/_ct/17342486

e-onkyo ハイレゾランキング[2020.2.13 - 19]1位『ZARD Forever Best ~25th Anniversary~』
2020-02-21

【総合トップ10】1位は『ZARD Forever Best ~25th Anniversary~』。ZARDのデビュー25周年を記念したベストアルバム。代表曲の「負けないで」や「揺れる想い」「マイフレンド」、坂井泉水最後のレコーディング曲「グロリアスマインド」等、坂井泉水逝去後に発表された楽曲も含めた全52曲収録。3位には『BRIGHT NEW WORLD』がランクイン。NHKラグビーテーマソングとして大きな話題を呼んだ「ECHO」や、レジェンド「Earth, Wind & Fire」とコラボレーションしLAでレコーディングした「I Feel The Light featuring Earth, Wind & Fire」などを含むオリジナルアルバム。 4枚目のシングルとなる本作のカップリングには、鈴木 みのり本人の作詞曲も収録した『TVアニメ「恋する小惑星(アステロイド)」エンディングテーマ 夜空』、初演から100年を迎えるチェロ屈指の名曲を、気品と哀切に溢れる、宮田大の圧倒的な演奏で歌い上げる『エルガー:チェロ協奏曲/ヴォーン=ウィリアムズ:暗愁のパストラル (96kHz/24bit)』がTOP10入り。

mora ハイレゾランキング[2020.2.11 - 17]ZARDベストアルバムが首位!

2020-02-19 23:40:33 | ZARD
https://online.stereosound.co.jp/_ct/17341789

mora ハイレゾランキング[2020.2.11 - 17]ZARDベストアルバムが首位!
2020-02-19

【ハイレゾアルバム(まとめ買い)トップ10】今週の首位は、ZARD 30周年YEAR企画の一環としてリリースされたベストアルバム。52曲の大ボリュームながら5,000円という価格も魅力の一つ。また、Little Glee Monsterの毎年恒例となっているオリジナルアルバム5枚目がリリース。こちらも話題の楽曲が多数収録された必聴盤だ。

『2020年 ZARD 30周年YEAR』企画として待望のハイレゾ配信開始。
1stシングル「Good-bye My Loneliness」の他、初めてランキング1位を獲得した「負けないで」、ポカリスエット CMソングに起用された「揺れる想い」など、全52曲収録。

レーベル:B-Gram RECORDS
レゾリューション:96.0kHz/24bit
ファイル形式:FLAC

e-onkyo ハイレゾランキング[2020.2.6 - 12]1位『ZARD Forever Best ~25th Anniversary~』

2020-02-14 23:37:08 | ZARD
https://online.stereosound.co.jp/_ct/17340358

e-onkyo ハイレゾランキング[2020.2.6 - 12]1位『ZARD Forever Best ~25th Anniversary~』
2020-02-14

【総合トップ10】1位は『ZARD Forever Best ~25th Anniversary~』。“ずっと(=Forever)傍において、聴き、歌い継いで欲しい”という想いを込めたZARDの25周年ベストアルバム。 1stシングルの「Good-bye My Loneliness」や「負けないで」「揺れる想い」、未発表曲の「翼を広げて」等、坂井泉水逝去後に発表された楽曲も含めた全52曲収録。3位には『I・LOVE・YOU!!』がランクイン。多くの話題作で活躍する声優、小倉 唯が企画プロデュースから作詞まで担当する11thシングル。バレンタインにピッタリな王道ラブPOPです。 「アイドルマスター シャイニーカラーズ」よりシャイニーカラーズ19人がお届けする、新曲とカップリング曲の2曲を収録した『THE IDOLM@STER SHINY COLORS SWEET♡STEP』、バッハ・コレギウム・ジャパン創立30周年を記念して2019年にマタイ受難曲を再録音した『J.S. Bach: St. Matthew Passion, BWV 244』がTOP10入り。