長野周辺の山歩きと山野草

長野県北部を中心に山歩きと野草の開花状況を報告しています。植物の不思議な生態についてもレポートしています。

丹霞郷の桃花・袖之山のしだれ桜@飯綱町

2009年04月28日 | 風景
2009年4月27日 丹霞郷の桃花と袖之山のしだれ桜を見てきました。


鳥になった少女
 昭和8年5月岡田三郎助画伯が訪れ、風光明媚なこの地を「丹霞郷」と命名しました。題字は同行した和田三造画伯が揮毫。平成15年に命名70周年を記念して建立されました。


桃園
 果樹園は観光用ではなく果物を作っている農地です。むやみに立ち入らないようにお願いします。道路沿いからも撮れます。


妙高山
 青空で天気のよい朝に来ると飯縄山、黒姫山、妙高山が美しく見えるはずです。今日は、雲の流れが速く、正午過ぎていて空が白っぽく・・・


斑尾山
 北信五岳の一つ斑尾山も見えます。こちらの山肌には雪は見えません。


花摘み
 桃の果実を大きくおいしくするために花の数を減らす作業をしているのだと思います。この他、長い猫じゃらしみたいな毛ばたきで受粉作業や、機械でで草刈りをしているひとがいました。


おうまさん
 個人のお宅?牧場ではない所にポニーがいました。農作業をお手伝いするのでしょうか。それともペット?




袖之山

しだれ桜
 道を挟んだ公民館側にもしだれ桜があります。比較的若い木だと思いますが、しだれ桜だけあって枝に支え棒が何本も施されています。


袖之山のしだれ桜
 樹齢300年以上と伝えられ、長野県の天然記念物に指定されています。幹が太くて立派です。電線が多くて思ったようには撮れません。

 この後、地蔵久保の大山桜も行きました。散り始めていましたがまだ見られました。行った時には陰ってしまって撮影はしませんでした。

小布施橋・千曲川ふれあい公園@小布施町

2009年04月26日 | 風景
2009年4月24日に小布施橋の東岸千曲川ふれあい公園に行ってみました。
八重桜・花桃・菜の花がきれいでした。


木橋のかかる道
 花が咲きみだれる道を散歩できます。


八重桜・花桃・菜の花の共演


お花見散歩
 ここに咲いている八重桜はサトザクラの「一葉」という品種です。雌しべが葉化して花の中に小さな一枚の葉があるように見えることからこの名前がつけられたということです。薄桃色で上品な色合いです。


菜の花のじゅうたん
 小高い山から撮影できます。


花桃と菜の花と
 背景は桃等の果樹園です。桃の花は終わってしまっています。リンゴの花はこれからです。


花桃と菜の花
 一枚上の写真と同じ花桃です。アングルによってまた別なイメージになります。


花桃と菜の花
 また別のアングル。薄暗くなり始めた夕方(17時50分過ぎ)に望遠レンズで撮りました。オリンパスE-30はボディ内手ぶれ補正機構(IS)がついています。この写真は手持ちの撮影で、焦点距離200mm(35mm換算で400mm望遠)で撮りました。ISO感度は200でシャッタースピードは1/50。これで全くぶれていなかったのにはびっくり。ISの威力はすごいです。以前のカメラですと、三脚を持っていなかったらこの状況での撮影はあきらめるところでした。


深紅な花桃
 花桃にもいろいろな種類があります。あまりにも赤いので心はちょっと落ち着きません。でも、この下でお弁当食べたらおいしいかな?


八重桜の並木道
 土手の遊歩道に桜並木が長く続いています。今が満開と咲いていました。上信越自動車道が平行しています。高速を走る車の中からもきれいに咲いているのがわかると思います。


花桃
 この花桃は、濃赤色と淡赤色が混ざって咲き、キメラとなっています。ネットで調べると「源平」という品種らしいです。朝顔の絞り花は研究が進んでいて、色発現の遺伝子にトランスポゾンという転移する遺伝子が飛び込んで来て、本来の色の形質発現が抑えられるために起こるらしいです。源平のキメラもトランスポゾンが原因かもしれません。日本植物生理学会の質問コーナー:登録番号0235

善光寺に咲いている花@長野市

2009年04月24日 | 善光寺
御開帳中の善光寺 御開帳リンク 善光寺リンク

4/22 ソメイヨシノは完全に散っていました。しかし、いろいろな種類の植物が次々きれいな花を咲かせており楽しめます。現在咲いている花は・・・

東庭園

花桃(バラ科サクラ属)
 菊咲きの花桃です。


ボケ(バラ科ボケ属)
 元々2mほどの低木の植物ですが、身長より低く同じような形に剪定されています。緋色の花が目立っていました。
 

シャクナゲ
 咲き始めたばかりです。


ハナズオウ(マメ科ハナズオウ属)
 花を近くで見るとマメ科とわかる形をしています。フジ等、マメ科で見られる一般的な蝶形の花と違う点は、旗弁が翼弁の内側に付くところです。


柳の前に咲くハナカイドウ(バラ科リンゴ属)
 新緑の葉と花のバランスが良く、花の色も淡紅色でたいへん美しい花です。盆栽や庭木に人気の植物です。


サトザクラ(八重桜)
 八重桜はソメイヨシノより遅く咲きます。八重のため花がちょっと重く感じます。

この他、シダレザクラ、ユキヤナギ、レンギョウなどが咲いていました。




たぶんバラ科の何か果物がなりそうな木です。白い花がたくさん咲いていました。善光寺の北にありました。


西庭園

 ハナモモ(バラ科サクラ属)
 こちらは八重咲きの花桃です。濃く印象的な花の色をしています。


 ツバキ(ツバキ科ツバキ属)
 忠霊殿付近の椿が咲いています。もっと大振りな花をつける椿も植えられています。花全体がボトッと落ちる様子は何か考えさせるので俳句や短歌に詠まれる題材となります。
 

チューリップ
 ぐるぐる巻きの配置で植えられていました。

善光寺の歌碑@長野市

2009年04月23日 | 善光寺
御開帳中の善光寺 御開帳リンク 善光寺リンク

今回は、善光寺歌碑の特集

東庭園に小林一茶と種田山頭火の句碑があります。一茶の句は、身近な鳥や動物がうたわれていて大変わかりやすいものです。一方、山頭火の句は、代表作「分け入つても分け入つても青い山」もそうですが、五七五ではなく、俳句独特のリズム感が崩されて親しみづらい部分があります。


小林一茶の句碑(4月11日撮影)

 解説板引用ーーー
春風や牛に引かれて善光寺
開帳に逢ふや雀も親子連(づれ)

小林一茶(1763~1827年)は、長野県信濃町柏原の生まれで、庶民に親しまれる数多くの俳句を作りました。この二句は一茶が善光寺奉納句として書いたものです。ーーー



種田山頭火句碑(4月11日撮影)

 解説板引用ーーー
八重桜うつくしく南無観世音菩薩像
すぐそこでしたしや信濃路のかっこう

種田山頭火(1882~1940年)は山口県の生まれで、「歩行禅」という言葉を好み、俳人として全国を漂泊しました。昭和十一年(1936年)には善光寺に参詣しました。ーーー

 句碑の側面の解説引用ーーー
漂泊の俳僧種田山頭火今を距(へだた)る六十年の昔善光寺に参詣
随喜讃佛の旅日記を遺した 茲(ここ)に自筆日記の一節と吟詠二句を拡大刻字して碑をつくり奉献する
平成八年五月二十八日  三河知多山頭火の会ーーー

括弧内は筆者付記



仁王門の西に良寛の詩碑と稲畑汀子の句碑があります。良寛は曹洞宗の僧侶で和歌や漢詩に巧みでした。稲畑汀子(1931年1月8日~)は高浜虚子の孫だそうです。


良寛詩碑
碑には
「再遊善光寺
曾従先師遊此地回首悠々二十年門前流水屋後嶺風光猶似昔日妍
良寛」
と書かれています。

碑の裏面の解説引用ーーー
良寛詩碑
この漢詩は良寛さまが四十二歳のころ帰郷の途路二回目の善光寺参詣の折におつくりになられたものです

   再び善光寺に遊ぶ
曾て先師に従って此の地に遊ぶ
首を回らせば悠々二十年
門前の流水屋後の嶺
風光猶似たり昔日の妍

平成三年三月建之
長野良寛会
大本山善光寺大本願ーーー

詩碑の裏面一部引用ーーー
良寛詩碑について
ものの真髄を体し古道を生きた永遠な真生命の良寛さま 長野良寛会の先達故小池與一先制の「長野の地に良寛さまの詩碑建立」の願いを私たちのものとし広く県下の心ある方々のお布施によりここに良寛さまの徳を偲び現代に生きる童心の拠処となることを願い善光寺大本願法主一條智光上人台下のご好意によって境内地に詩碑を建てるものであります。

かつて先師に随行してここに来たことがあるが振りかえってみれば、二十年余りも昔のことだ
門前の川の流れも 建物のうしろの峰も
そのたたずまいは まだ昔のままのような美しさだーーー


稲畑汀子句碑

解説ーーー
よべ星と語りし秋を惜しみ発つ
昭和五十五年秋於善光寺
稲畑汀子詠ーーー
「よべ」とは夕べのことです。


私も負けずに短歌を・・・

   ーーーーーーーー
   l    春  l 
   l    霞  l
   l  回 後  l
   l  向 峰  l
   l  柱 よ  l
   l  に り  l
   l  寄 そ  l
   l  り び  l
   l小 添 え  l
   l川 い 立  l
   lあ 祈 つ  l
   lき る    l
   lら      l
   l       l
 ーーーーーーーーーーーーー
 l            l
 lーーーーーーーーーーーーl

ミズバショウ@飯綱東高原~大久保池

2009年04月22日 | 草花
4月20日、ミズバショウを見に飯綱東高原むれ水芭蕉園と野尻湖の南の大久保池に行ってきました。

むれ水芭蕉園

木道とミズバショウ
 木道の近くにもミズバショウがたくさんあります。ミズバショウはかすかに良い香りがします。これだけ咲いていると花に顔を近づけなくても香ってきます。


ミズバショウとリュウキンカ
 むれミズバショウ園の魅力は、ミズバショウとリュウキンカが一緒に撮れるということ。コラボの写真は必ず押さえておきましょう。主役はやはりミズバショウですね。
 キンポウゲ科リュウキンカ属のリュウキンカは湿地や水辺に生えるので、ミズバショウと一緒に咲いていることもあります。斑尾高原の原生花園にもミズバショウとリュウキンカが大規模にありほぼ一緒に開花します。


ミズバショウ
 むれミズバショウ園の道を挟んで反対側に、ニリンソウの群落がある湿地があります。まだ、ニリンソウは咲き始めたばかりなので、壮大に開花している群落という風景はもうちょっと先になりそうです。そこにもミズバショウとリュウキンカが少数ありました。かなり乾燥気味なところでもミズバショウが咲いていました。写真右下に見える葉がニリンソウです。


ナニワズ(ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属)
 ジンチョウゲ程ではありませんが良い香りがします。花に顔を近づけないとわからないかもしれません。今年は、このナニワズの花が多く見られました。ミズバショウ園でも、ニリンソウ群落でも多数ありました。植生は湿地である必要はないようなので、乾燥化とともに数を増やしていくかもしれません。



大久保池
駐車スペースは大久保集会所の所にあります。大久保池近くの野尻湖を周回する道路上は駐車禁止の標識がありますので注意してください。

一茶の句碑
 大久保池の東に小林一茶の句碑があります。
「一茶 文化九年作
けふからは
  日本の雁ぞ
    らくに寝よ    外ヶ浜」
と書かれています。
 天気がよければ、大久保池に映る黒姫山と妙高山が見られます。今日は曇りがちで霞んでいました。


ミズバショウ群落
 野尻湖の南に大久保池があります。池の西側が湿地になっておりハンノキとミズバショウの群落があります。ここもかなりの数のミズバショウが咲いていました。訪れる人も少なく静かで小鳥の声が響いていました。


ミズバショウ
 ファンタジックフォーカスっぽく加工しました。仏炎苞の透明感が表現できたでしょうか?


ショウジョウバカマ(ユリ科ショウジョウバカマ属)
 早春の無彩色の林の中に、紅紫色の花が咲いているとドキッとします。