民主党政治の問題点。
私は選挙に行かない主義で政治にも無関心。発言する資格もないのですが、前回のプロローグで最悪のシナリオを書いた通り日本の未来に非常に危機感を持っているのですよ。許してくださいな。
そもそも民主党って、政党政治がどんな物かわかってないでしょ。得意のウィキペディアから引用すると
政治において政策や主張に共通点のある者同士が集まって、意見の集約と統一された政策の形成を図り、政策の実現に向けての活動として、政権を担当もしくは目標とし、議会の運営の基本単位になるなどを行う組織または団体のことを指す。
ですよ。議員によって言っていることが違うし。政党の体をなしていないのでは。単に選挙に、金銭的に、政治力に有利になるからと集まった徒党?比較になるけれど自民党の方がまだマシでしたね。党の決定に意見が合わせられなければ離脱していたし、また合わせられない人を追い出したりもしていたから(郵政民営化)。与党には元自民党がかなりいますが、それらが集まると烏合の衆になるの?
政党の役割を果たしていない党だから誰が総理や大臣に選ばれたとしても、残念ながら改善は無理なのでは?と思ってしまいます。
さて、自民・公明の連立政権から移行して鳩山、管氏と首相が交代していったのですがこの二人・・・ん~、最悪でしたね。
鳩山氏の普天間基地移設問題。自民党時代から移設問題が取り扱われ、賛成派・反対派の多くのつばぜり合いの結果、辺野古崎沿岸で受け入れがほぼ決まっていたのですね。ウィキペディアを見ると決定に至るまでの地元の血がにじむような苦労が伝わってきます。時間とコストも相当費やされていました。それを選挙前に主張してきた「最低でも県外」発言から大混乱を招いた責任は万死に値します。日本の安全保障を何だと思っているのでしょうか。
人は言動を一致させたいという心理があります。言っていることとやっていることが違うという指摘が一番プライドを傷つけます。そのプライドに鳩山氏を始め民主党中心の連立与党が負けてしまったんですね。選挙前ノーテンキに「最低でも県外」などと言っていても、いざ政権を担う立場になれば軽々しく言えないと思うのよ。辺野古案の辛い決定の歴史を知っていればなおさらですよね。でも一旦言ってしまった手前引込みがつかなくなり・・・日本国より自分たちの保身を優先させてしまった結果です。
前回のプロローグでも書きましたが、日本の地理的な位置は大変な危険が潜んでいます。現在、一見平和に見えるのは強国間のバランスが奇跡的にもとれているからに他なりません。アメリカが覇権を失い日本が経済力を失いロシアと中国が今以上に強国になって軍事力をつけていけば自ずと結果は明らかというものです。
よく、「マニフェストを守るべき」と言う言葉を聞きますが、よく考えてみるとこれおかしいですよね。というのは、例えばマニフェストの中身のほとんどが「ゴミ」だった場合。それでも、選挙で力を得たら全部守るべきなんだろうか。先般の民主党躍進には、官僚を始め公務員がドラッカーの言うところの「公的機関の不振」に陥り、年金問題など日本の未来を危機的状況にしていたことが大きく影響していますよね。長年の「しがらみ」のある自民党には絶対にできない改革だから民主党に期待して投票した人も多かったはず。こまごましたマニフェストには反対でもその一点で投票した人もいたことでしょう。だから、マニフェストに入っているからと言って間違った政策は行うべきではないのです。マニフェストは国民に支持されたというのは幻想に過ぎません。
そこで「子ども手当」や「戸別所得補償制度」について。以前のエッセーでも書きましたが、「バラマキ」は全くもって政策になっていないのですよ。税金を集めるのにコストを使って配るのにコストを使って。それで税収が上がれば問題ないのですが、イノベーションをもたらさない施策である以上、そんな都合良くなることはありません。少子化を防ぐには「バラマキ」をするのではなくて、その前に将来の明るい展望を見せる必要があるのです。それなくして単に配るだけでは将来の不安に対して貯蓄するだけ。現状を変えないのが日本人です。こんな事をつづけていたらますます財政危機が近づくだけです。即刻打ち切るべきです。この問題について、保育園や託児所整備に税金を投じたほうがまだいいです。雇用も生まれるし、時間的余裕が出た母親が仕事につけることにも繋がる。介護職員が不足すると言われていますがその政策で外国人労働者を入れなくても労働力が確保できるようになるかもしれないし。
「バラマキ」とは現在の特権を維持することでありイノベーションから程遠い政策であることをもう一度考えてほしいものです。
高速道路無料化?料金低減ならまだ分かるのですがね。これが経済学的に正しいことなのだろうか。民主党の主張はあまりにも短絡的なので困ってしまいます。複数のサービスがあって一つが優れている場合にはそちらの価格を高くしなければなりません。そうしないとどうなるか。他のサービスが廃れる。さらに優れたサービスに利用者が集中し、サービスの質が維持できなくなる。などと素人が考えただけでも幾つも問題点が挙げられますよね。具体的には、高速道路の利用者が増え、渋滞が起こり路面が傷み道路工事が増えあるいは路面の傷みは放置され低速道路と化すとか、並行する別の輸送機関や飲食店を含むサービス業が廃れ、そこからの税収が途絶えると共に失業者が増えるとか・・・。この政策、イノベーション起こしますか?新しい産業が育ちますか?流通コストの引き下げが目的ならガソリンなどに掛けられている暫定税率廃止が先だろうに。政治家って料金カットは語れても税金低減は恐くて語れないんですね。
八ッ場ダム問題。以前にも書いたけれど、余程のことがない限り多大な時間とコストを費やして決まったことを変えてはいけないでしょ。軽々しく変えていたら政治の言うことなんて信用出来なくなりますよね。例えば、現政権で決まったことでも政権変わったら反故になるんだから話半分にしておきますね、となります。八ッ場ダム建設中止というのはマニフェストに入っていたからであって、国益のための前に民主党の体面を保つため、保身のために進められたとしか思えません。
事業仕分け。素人同然の政治家が短期の勉強で有効な仕分けできますか。官僚と同じ土俵で相撲をとるのが政治主導ですか。仕分けする方法はもっとシステマティックで有効な方法にしなければなりません。政治家の仕事は自分が仕分けをするのではなくて仕分けする仕組みを作らなければならないのです。改革しているという単なるポーズでしか無いのだろうと感じました。
菅氏もひどかった。尖閣諸島の中国漁船衝突事件・・・こういう時のマニュアル、自民党から引き継いでないの?というか、民主党って自民公明時代に決めたことは全て「悪」とみなしてるでしょ。全くもって万年野党を卒業できてないと言わざるを得ません。何でもかんでも反対していればいい野党時代とは違うのですよ。国を運営するとはそういうものです。前政権が決めたことはひとまず引き継がなければいけないし、欠点があるところを補正していくのが正しい政治。全部否定していたのではそれまで掛けたコストが全く無駄になっているのと同じ事です。防衛省・法務省などには利用すべき情報が蓄積されているはずだし、この件に限らず各省庁には価値のあるドキュメントが蓄積されているのですから。
及び腰の対応。これじゃ、緊急時に全くダメだなと思っていたら・・・
東日本大震災・・・管政権の時にこの震災に見舞われたこと、本当に運が悪かったと言うしかありません。阪神淡路大震災と地震のタイプがちがうので単純には比較できないのですが、なんか政府の対応がまったりした感じでしたよね。はっきりした方策を示さないまま日にちだけが過ぎていく、放置。成り行き任せ。そんな感じ。それに阪神淡路大震災の時に決めた方策とか教訓も無視したんじゃないかなと。バカかと。
原発問題も今振り返ってみると事実と発表が乖離してましたよね。国民の多くが「福島に原発あるけど地震対策は万全なはずだから問題ないでしょ」って思っていたよね。原発って電源が取れないと暴走するのね。初めて知りました。だったら、いくら航空機が衝突しても安全な壁とかいって大げさに造っていても意味が無いのだなと。電源供給がストップしたらダメじゃん。危険極まりないじゃないですか。津波対策万全の原子炉でも他にも電源供給ストップの事象なんて幾つもある。攻撃ポイントにされて管理能力失ったらやっぱダメなんじゃないですか。それに、それまで示されていた発電コストの比較表。嘘だったことが明らかに。事故のリスクを見込めば原発は莫大に跳ね上がるのは明らか。どのくらい上がるかは計算できないけれど、放射性物質は住めない地域を作るし、様々な産業に影響するのですからね。原子力に頼れないことは明らかになりました。それでも原子力「ラブ」と主張する人には客観的になれない事情がある人です。信用しないように気をつけてください。
そして、菅氏の最大の問題点は
「霞が関なんて成績が良かっただけで大ばかだ。」
という発言。これは、「政治家の仕事の何たるかを知りません」と言っているようなもの。が~ん。私は思わずのけ反りました。えっ?一国の総理大臣がこれ知らないの。日本凋落だとがっかりしました。そしてひそかに祈りました。「やめてください。やめてください。やめてください」
ここでたとえ話に突入。
国民、永田町(政府)、霞が関の関係を将棋に例えてみましょう。
大きなホールのステージ上には大きな将棋盤があります。会場には国民が座り次の手をどうするか考えています。将棋盤の近くには駒を動かす人、そして別室には対戦相手の情報を収集したり手順を研究するプロの棋士が大勢控えています。これが「霞が関」。通常の曲面では前例にならって霞が関が駒を動かしていますが、重要な局面では、解説者が霞が関が集めた情報や研究成果を利用し、次の手をどうしたらよいか解説しているのです。この解説者が「永田町」を表しています。そして永田町は、ひと通り解説した後、国民が一番良い手だと判断したものを責任をもって霞が関に指示し駒を動かさせます。このように民主主義は運営されていきます。そして対戦相手は日本国を凋落させる全てのもの。
国民は将棋に詳しくありません。でも、目の前の損得と危機については敏感な一方、数手先のことになると全く考えが及ばないし関心もなくなります。ここで対戦相手が飛車取りの手を打って来たとします。損得に敏感な国民は飛車を逃げたがります。しかし、「へぼ将棋、王より飛車をかわいがり」という川柳が示す通り、飛車を大切にするのがベストとは限りません。飛車を逃げると十数手先に詰んでしまうことだってあります。その手の意味を明らかにし危険性を諭すのが永田町の仕事ではないでしょうか。
ここに国の運営がうまくいっていない原因が隠されています。永田町の解説が不十分であったり、国民の望まない手順を霞が関に指示したり。霞が関では対戦相手に懐柔され偽の情報を提出したり、研究をサボったり。こんなことをされていてはどうあがいても日本国民は勝ちようがないのです。具体的にはどういうことでしょうか。
国民に近い政治だといって、国民と一緒になって「へぼ将棋、王より飛車をかわいがり」政策(バラマキ政策)を遂行する政府。必要な独立行政法人だと偽って報告し天下り先を保護するために税金を投じ続ける霞が関の各省庁。政府の指示を霞ヶ関文学でけむにまき、省益増進に尽力する霞が関。霞が関がサボタージュをするのはそうなってしまう「仕組み」が悪いのに全く手をつけようとしない永田町、霞が関に有益な情報があるのに全く無視する政府などなど・・・・
この例えわかりやすいでしょ。菅氏が「霞が関なんて成績が良かっただけで大ばかだ。」といったのは、将棋の解説者が客席に向かって、「私のシンクタンクとなっている棋士は全く大バカで役にたちません。」と言っているのに等しい。その上で、私はこの政策を実行しますと言ったって全く信用出来ない。国民のみんな、困るよね。そう言われてしまったら霞が関だって協力しようという気持ちもなくなるし。菅氏もこの発言万死に値します。ということで、二代続けて万死首相。
政治の仕事は予算配分もそうですが、仕組みづくりにあります。省益に走って日本国のために働いていないのであれば、仕組みを変えて日本国益優先に霞が関のベクトルを一致させるようにしなければならないのです。「霞が関は大バカ」なのではなくて優秀な人材が豊富にいるはずです。「大バカ」なのは、省益優先に知恵を発揮させ国益に使われない仕組みを放置している永田町なのです。
水戸黄門が好きな日本人多いですよね。勧善懲悪。「お代官様、山吹色のお菓子でございます。」「越後屋、お主も悪よのう」で天下りを把握しているのでは事態は一向に良くなりません。
毎年日本全体の借金増えている状況。借金が一千兆になるのももうじきですか。プライマリーバランスが改善した小泉改革もすでに昔のことになりつつあります。
次の野田首相・・・・増税ですか。増税でうまく行きますか。日本の仕組みに耐えかねて海外に転出する企業が後を絶たない状況で増税を単独で行うというのですね。面白い実験ですね。私のペシミスティックな予想では、これは墜落かなと。増税を行うのなら同時に別な所で減税もして税体系のシフトをしないと。スピードの出ていない飛行機が機首上げ過ぎて失速するようなものでは。
おまけ。鉢呂氏の『死の街』発言。これが失言なんですね。マスゴミですね。ただ言えること。それは、鉢呂氏は大臣になる前には震災のことなんか真剣に考えていなかったということ。考えていたなら、『死の街』発言の後に「いや、死なせてはいけない。絶対に息を吹き返させなければならない」とか、「それほどにこの街を復興させるのは容易ではなさそうだ。住民には安心して住める方法を早急に提案したい」など方策まで言えたはずなのだ。名のごとく大臣のお鉢が回ってきて思わず喜んでしまったということ。真剣に考えていなくても大臣になれてしまうのが問題。
ついでに・・・スポーツ選手がインタビューされてよくタメ口きいているのを見かけますよね。テレビを見ていて「君にタメ口きかれる筋合いないよ」とけっこうイライラします。現役時代のK選手(野球)とか典型的でした。でも敬語を知らないわけではないのです。感謝祭などでは来客者に対して相応の言葉遣いをしていました。これはどういうことなのでしょう。インタビュアーがその選手と懇意にしていたために、インタビューを受けてタメ口になってしまったのかなと。
インタビューを受ける人は、スポーツ選手に限らず政治家も注意を払ってね。いくらインタビュアーと親しくなってもその先には不特定多数の人がいることをお忘れなく。マスコミ、メディアとはそういうものです。
次は、公務員の問題点を。霞が関にちなんで霞ヶ浦の例でお話ししたいと思います。