長野周辺の山歩きと山野草

長野県北部を中心に山歩きと野草の開花状況を報告しています。植物の不思議な生態についてもレポートしています。

蓼科山(2530.3m 立科町・茅野市)

2012年08月11日 | 山歩き
2012年7月29日 蓼科山に登って来ました。


七合目登山口
 蓼科神社の一の鳥居です。お昼ごろ下山した時に撮りました。標高約1900mです。山頂まで標高差630mほど。


コバノイチヤクソウ(イチヤクソウ科イチヤクソウ属)
 イチヤクソウと似ています。イチヤクソウは、がく片が披針形なのに対しコバノイチヤクソウのがく片は三角形です。その他、区別する点は名前の通り葉の大きさ。コバノイチヤクソウのほうがイチヤクソウの半分くらいで長さと幅の差が小さく丸みを帯びています。


馬返し
 これも下山の時に撮影。登りの時は見逃しました。「馬返し」というから、広場になって先が急登になっているのかと思っていたらそうではありませんでした。西方の箕輪平への分岐点でした。


針葉樹
 湿度の高いシラビソなどの針葉樹の中を登っていきます。昨夜、雷で大雨が降りました。この雨で蓼科高原の別荘地では土砂災害があったようです。


天狗の露地
 下山の時に寄りました。山頂と同じように岩がゴロゴロしています。眺めが良いです。眼下に見える湖は女神湖。


蓼科山荘
 将軍平とよばれている所に建っています。これも下山の時に撮りました。四方向の分岐点でもあり賑わっていました。


岩だらけの登山道
 蓼科山荘から山頂までは岩の間を登る急登となります。


頂上近くから振り返って
 眼下に蓼科山荘の屋根が小さく見えます。ここから上は大きな木がほとんど生えていません。


蓼科山頂ヒュッテ


岩だらけの山頂
 かなり広い山頂で岩がゴロゴロです。標高2530.3m。7合目登山口から2時間もかからずに登れます。いつもは山頂で昼食にすることが多いのですが、朝から登るとまだその時間にはなってなくておなかもすいていません。食べずに下山することにしました。朝めし前に登って山頂で朝食という手もありましたね。


蓼科神社
 山頂にある神社。


岩の間の高山植物
 岩のお陰で登山者に踏み荒らされず生きて行けます。ガンコウランなどでしょうか。初冬は冷たい風がビュービュー吹く厳しい環境に生きる植物です。


山頂からの展望
 広い山頂の西寄りに方位盤が設置されています。その近くからは下に白樺湖が見えます。写ってはいませんが、この写真の左手(南西)にはこの間登った八子ヶ峰も眼下です。


お隣の山
 北横岳(2472.5m)。双眼鏡をのぞくと山頂近くを登山者がぞろぞろ歩いていました。


蓼科山荘と赤谷の分岐の間から蓼科山
 下山は、赤谷の分岐~前掛山~石の祠を計画していたのですがね。


赤谷の分岐の縞枯れ
 針葉樹が標高線に沿って帯状に枯れる現象を縞枯れといいます。縞枯山が有名ですが、将軍平から前掛山にかけても縞枯れ現象が見られました。立ち枯れた木々の下には既にシラビソの幼木が育っています。


前掛山の登山道
 道がどんどん細くなっていきました。嫌な予感が・・・。この先、下りがきつくなった所で登山道が不明瞭になりました。あとは北に下っていけば舗装された蓼科スカイラインのどこかに突き当たるはずなので、ルートファインディングは簡単な方です。でも、登山前に下山口となる石の祠を探したのですが見つけられなかったし、ヤブこぎするつもりはないので引き返すことにしました。

 今回の登山では、シラビソ林にカニコウモリ、ギンリョウソウなどが見られただけで、あまり花を見つけられなかったのは残念でした。6月中旬~7月上旬頃が良かったのかもしれません。

御柱の道コース 八子ヶ峰(立科町・茅野市)

2012年08月03日 | 山歩き
2012年7月16日に行った箕輪平の御柱の道トレッキングコースと八子ヶ峰

御柱の道トレッキングコース

塩沢堰
 江戸時代初期に弁天神湧水を源泉として造られた堰で、これにより山麓の火山灰地が豊かな水田地帯に変わり集落が生まれました。水路は石組みで昔ながらの様子を表しています。


サワギク(キク科キオン属)
 塩沢堰の近くで咲いていました。湿り気のある所で見られるきれいな花です。


五社大神
 国有林の払い下げ当時、戸隠、木曽など遠くより来た人々が従事しており、五社(蓼科神社・伊勢神宮・御嶽神宮・諏訪大社・山の神)を祭ったことから五社大神といわれています。塩沢堰のそばにあります。


御用御用材伐採跡
 「本宮二之御柱」の切り株です。平成十六年に開催された御柱祭では、ここから伐採されたモミの大木八本が御柱になりました。


キバナノヤマオダマキ(キンポウゲ科オダマキ属)
 絵になる花。花弁の基部が距になっているのが特徴です。ここに蜜を貯めて花粉を運んでくれるハチたちを待っているのです。



八子ヶ峰のトレッキングコース
コースを通して展望が良く高低差もあまりありません。快適なハイキングが楽しめます。


八子ヶ峰(東峰・1869m)付近から
 八子ヶ峰ヒュッテの赤い屋根が目立ちます。八ヶ岳は雲に隠れ気味


トレッキングコースからの眺め
 涼しい風が吹く爽やかなトレッキング。


白樺湖


蓼科湖方面の眺め
 写真の中ほどやや左に蓼科湖が見えます。


ヒオドシチョウ(タテハチョウ科)
 手乗りチョウ。手のミネラルを吸っている所。ストローのような口から少し液を戻し手のミネラルを溶かして吸い戻すというようなことをします。タテハチョウの仲間なので4本足。前足二本は体毛と同じ毛が密生して退化しています。


ニッコウキスゲ(ユリ科ワスレグサ属)
 寂しく一輪咲いていました。ニッコウキスゲの葉が途中で切れています。鹿に食べられたと見られます。鹿の進出深刻です。

守屋山(1650.3m 伊那市・諏訪市)

2012年08月03日 | 山歩き
2012年7月8日 守屋山(1650.3m)に登って来ました。少し前のご報告。転居でしばらくネットに繋がらなかったもので・・・。

国道152号線の杖突峠から高遠側に少し行くと駐車場があって、ここから守屋山へ登りました。


守屋山登山道入り口
 守屋山キャンプ場にある道標です。このあたりの沢沿いでは春に座禅草が多く見られるようです。


守屋山(東峰・1631.2m)
 難なく登れてしまいました。この先少し降りた所に、檻に入れられた守屋神社・奥宮がありました。「森は、命の母 自然は、動物のふる里 自然は、地球の宝」の立て札が。誰の言葉ですか?


東峰より茅野市方向
 八ヶ岳は・・・!?雲に隠れて見えません。


東峰より藤沢川方向
 実はこの方向に中央構造線が走っているのでした。諏訪湖は中央構造線とフォッサマグナが交わる所。Googleマップで航空写真を見ると・・・三河湾から諏訪湖方向に伸びる中央構造線がはっきりわかります。


守屋山(西峰・1650.3m)
 山頂標には、「日本展望の山100山」と書かれていました。守屋山は南アルプス最北端に位置するのですね。


西峰から諏訪湖の展望


ブナ
 「元気になる木 枝も栄える葉も茂る」という看板がついて幹の洞には仏像が。



このエリアで見られた草花


サワギク(キク科キオン属)
 羽状全裂する葉が特徴。林内の湿った所に生えます。守屋山キャンプ場近くの座禅草コースにありました。


3本花穂のフタリシズカ(センリョウ科センリョウ属)
 花穂がペアになっていることが多いので「フタリ」という名前ですが、1本から5本くらいバリエーションあります。


イワキンバイ?(バラ科キジムシロ属)
 岩に生えているからイワキンバイ?安直ですか。岩の隙間の厳しい環境で生きているのを見ると心打たれますね。


ウツボグサ(シソ科ウツボグサ属)
 西峰の頂上附近に群生していました。紫色のきれいな花。乾燥した花穂は利尿作用のある生薬「夏枯草」になります。夏、花が終わって枯れた後も花穂が立ったまま残っているので夏枯草といわれるそうです。





杖突峠の展望台からの諏訪湖
 ここからの眺めは良いです。夜景も楽しめて姨捨、塩尻峠と共に信州三景観に数えられているとのこと。


杖突峠の展望台から茅野市方向
 小泉山~大泉山より北側で雨が降っているようです。遠く高いところから見ると晴れと雨の境がわかります。