長野周辺の山歩きと山野草

長野県北部を中心に山歩きと野草の開花状況を報告しています。植物の不思議な生態についてもレポートしています。

国道18号南下

2009年12月21日 | 千曲川
2009年12月20日
 18日から19日にかけて長野県北部で大雪でした。撮りに行くには雪景色が良いかなとも思ったのですが、無性に太陽に会いたくなって・・・。
 道路と対向車が陽の光できらきら輝いているのを見るのが好きなのです。2月、内房の国道16号~127号を南下したのを思い出すからかもしれません。私の楽しかった思い出です。
 国道18号も長野市から坂城町にかけて南北に走っていますので、南下するとその雰囲気が味わえます。千葉県の国道と違って広々していないのは残念ですが。そこで、行き先も考えずに18号を南下。上田市に入ると道は東側に向かい始め、求めていた雰囲気が一気になくなりました。そこで千曲川河畔に停車して読書をしました。


冬になり陸上げされた舟
 逆光がよい雰囲気に感じられます。寒い時期には特に陽の光が恋しくなります。


枯れたビロードモウズイカ
 長い花穂を咲かせた後に枯れてしまいます。


ビロードモウズイカ
 暖かそうな細かいビロードの毛に覆われた葉が特徴です。この植物は2年草。来年この株も背の高い花を咲かせることでしょう。 


虫眼鏡で見なければわからないほどの小さな花が咲いていました。人知れずひっそりと咲く花。こんなのも私が好きなシーンのひとつです。


烏帽子岳(2065.6m)
 上田市から見える冠雪で美しい山

都合により、コメントを頂いても反映まで数日かかることがあります。ご了承ください。

久米路峡(信州新町)

2009年11月01日 | 千曲川
2009年10月30日 信州新町の久米路峡に行ってきました。
千曲川の支流・犀川の水内ダム上流にあります。国道19号近くです。


久米路橋
 久米路峡は、420万年前の火山噴出物からできた凝灰角礫岩(ぎょうかいかくれきがん)が犀川によって浸食されて形作られました。犀川中流域で最も狭い峡谷となり、紅葉が美しいことで有名です。峡谷と言っても、現在ではダム湖(琅鶴湖ろうかくこ)の一部になっていて、往時の面影は薄くなっています。気候の影響でしょうか、今年の県内の紅葉は今ひとつ。各地で色づきが悪いといいます。


橋のたもとのもみじは真っ赤に紅葉していました。
 久米路橋には悲しい伝説があります。「雉も鳴かずば撃たれまいに」のお話。要約すると、貧しい百姓が、病気になり命も危ぶまれる幼い娘にあずきまんまを食べさせてやりたいと地主の蔵から小豆ともち米を盗んだ。元気になった娘が、一緒に遊ぶ子供たちにあずきまんまを食べたことを誇らしげに話したことから、その百姓の犯罪が明るみに出てしまった。百姓は捕らえられ、大雨の度に流されてしまう久米路橋の人柱として生き埋めにされてしまった。娘は「雉も鳴かずば撃たれまいに」とつぶやいた後一切口をきかなくなってしまった。というお話。実はこの話は長柄川(淀川の支流)の地にも伝説があり、「もの言わじ父は長柄の人柱鳴かずば雉もうたれざらまし」という短歌があります。
 「雉も鳴かずばうたれもすまい」ということわざ。一般には、雉も鳴かなかったら所在を気づかれずうたれはすまいということから、無用の口をきかなかったら災いにあうこともあるまいにという意で使われます。「口は災いのもと」と同意。
 このストーリー、別の立場からは「天網恢々疎にして漏らさず」「因果応報」ですかね。犯罪はどんな理由であろうといけません!!さらに読み込むとまた別の側面も。この百姓が盗んだのは一度炊く分量だけだったと想像できます。たくさん盗んだ訳ではなかった。しかし、盗まれた地主としては、黙っていて窃盗がエスカレートしたり蔓延するのは困ります。告訴するのは当然のこと。ただ盗人に対して厳罰を求めてはいなかったのだと思います。しかしタイミングとは時に残酷。人柱が必要な時に捕らえられれば誰も止めることはできなかったのでしょう。一方、犯行が明らかになった過程を見ると、娘の友達からその親に「私もあずきまんまが食べたい」というように伝えられたと考えられます。その家も同じような貧しい暮らし。娘が病気で命も危なかったということも知ったうえで密告したのです。そこには「同病相哀れむ」的な情なんていうものは存在しなかった。この話で本当に言いたかったのは「人の過ち我が幸せ」「隣の貧乏は鴨の味」の嫉妬心なのだと思います。「人の嫉妬心をあおるような自慢話をしてはいけません」とか「ご近所、顔見知りでも他人を信用してはいけません」ということ。だからかなり人の嫌な部分を浮き彫りにした昔話だと思うのです。


橋の上流にももみじがありました。
 この裏手、岩山の中腹に佐久間象山のお手植楓があるということです。岩山には遊歩道がありましたが、その整備で登り口が工事中だったため登れませんでした。

9月の千曲川

2008年09月14日 | 千曲川
9/4 9/9と長野市・坂城町の千曲川の河原を歩いてきました。

秋の花がいろいろ咲いていました。


マルバヤハズソウ(マメ科ヤハズソウ属)
マメ科の典型的な形をした花です。小さく目立ちにくいのですが、マクロ撮影でなかなか味のある写真が撮れました。


カワラナデシコ(ナデシコ科ナデシコ属)
秋の七草の一つです。カワラナデシコの花は、淡紅紫色のきれいな色と細裂する花弁がおもしろいのです。


オオイヌタデ(タデ科タデ属)
荒れ地や河原などに普通に見られます。イヌタデより花の赤みが少ないので群生していても美しさはあまり感じられまん。


アレチウリ(ウリ科アレチウリ属)
北アメリカ原産。一年草ですが、成長と繁殖力が極めて旺盛なので河川敷を埋め尽くすほどです。低灌木などは覆い尽くされて枯れてしまうこともあり、在来植物を駆逐することから有害な特定外来生物に指定されています。このように広く繁殖しているアレチウリでも寒さには比較的弱く、10月上旬には葉が黄色くなり衰退を始めます。


アレチウリの雄花
雄しべは?雌しべは?と戸惑ってしまいます。アレチウリは、花序によって雄花と雌花に分かれています。この写真は雄花で雄しべが中心で合着して一本となり、まるで雌しべのようにも見えます。雄しべの根元は平らなテラスのようになっており、蜜で光っています。この豊富な蜜を求めてアリがたくさん集まってきていました。


オオオナモミ(キク科オナモミ属)
2個の痩果を包んだ総苞を果苞とよんでいます。オナモミの果苞は鈎状の棘がたくさん生えていてイガイガとした感じに見えます。皆さんも子どもの頃オナモミの実を服に着けて遊んだことがあると思います。多くの人に馴染みのある植物です。この鈎状の棘のおかげで動物の毛(あるいは人の服)について種が運ばれ、分布域が拡大していくのです。


センニンソウ(キンポウゲ科センニンソウ属)
花はかすかに良い香りがします。これもつる性の植物で日当たりの良いところに咲いていました。白い花が多数咲いて優しい感じがしますが、葉と茎に毒を含み、植物から出た汁に触れると皮膚炎起こすこともあるそうです。要注意です。

これらの他、メドハギやムシトリナデシコ、サボンソウが咲いていました。サボンソウは種ができ黒く枯れかかっていました。最後の花をつけている感じでした。

護岸用コンクリートブロック

2007年11月16日 | 千曲川
11/15

秋から冬にかけて千曲川などの河川敷では護岸用コンクリートブロック(消波ブロック)が作られます。というのも河川改修は水量の少ない冬に行うのが常なのでこの時期需要が高まるからです。自然風景の中に整然と並べられたブロックは多少の違和感はありますが、冬の到来を感じさせる風物詩でもあります。