長野周辺の山歩きと山野草

長野県北部を中心に山歩きと野草の開花状況を報告しています。植物の不思議な生態についてもレポートしています。

虫倉山(1378.1m)-小虫倉(1269m)(長野市中条)

2010年05月18日 | 山歩き
2010年5月17日 虫倉山(1378.1m)に登ってきました。


アルプス展望広場
 鯉のぼりはもう泳いでいませんでした。菜の花の刈り取りが進められ、この写真に写っている菜の花の一部も山から下りてきたときには刈られていました。緑肥として畑にすき込んでいるのでしょうか?。


イチリンソウ(キンポウゲ科イチリンソウ属)
 葉は3つ。2回羽状複葉で細裂します。白い花びらは花弁ではなく、がく片です。このあたりのイチリンソウはやや小ぶりながく片でした。


爺ヶ岳と蓮華岳
 地京原・虫倉神社の境内から撮りました。右の爺ヶ岳には種まき爺さんと呼ばれる雪形が知られていますが、虫倉からの角度では分からないですね。 


ムラサキエンレイソウ(ユリ科エンレイソウ属)
 山野草をきれいに撮るには曇の日がいいです。このように日光が強く当たっていると影が濃く出てしまって色や形状がわかりにくくなってしまいます。エンレイソウはこのように明るい落葉樹林下だけでなく暗い針葉樹林の下でも見ることがあります。


痩せた尾根
 戸渡り様の痩せ尾根を通過します。特に南側は急峻な崖となっています。ロープがありますし短い距離なので慎重に登れば心配はないです。この後、頂上近くになるとロープや鎖がかけられ急な登りになります。変化に富んでいて面白いといえばそうなのですが、何度も上下させられて閉口です。
 下りは岩井堂コースを選びました。こちらにも鎖場があり痩せ尾根もありました。ところがその平均台のような尾根に動物のフンが。人を化かすという狸か狐のいじわるですか?まあ無事に通過。


頂上の双眼鏡
 FUJINONの大きな双眼鏡。性能はどのくらいなのでしょうか。北アルプスが大きく見えます。でもレンズが汚れていて見にくいです。自分で持ってきた双眼鏡の方がよく見えました。
 展望の良い山頂。北アルプスをきれいに見るためには晴天の午前中でなければなりません。わかっていたのですが出遅れました。山頂についたのは1時過ぎだったでしょうか。


山頂標識
 標識には北緯36度38分59秒 東経138度1分8秒 裏には標高1378.1mと書かれていました。虫倉山頂展望図も設置されていて周辺の山の同定ができるようになっています。天気に恵まれれば富士山も見えるのですね。写真の左方向に広がるのは長野市の街並みです。双眼鏡で見ればいつも見慣れている看板の文字などもわかりました。もう少し前に進んで眼下にアルプス展望広場の菜の花畑を確認しました。


キアゲハ(アゲハチョウ科)
 山頂に縄張りがあるようです。別のチョウが侵入してくると追い払いにスクランブル発進。そしてすぐに戻ってきて山頂から離れていきませんでした。
 キアゲハの幼虫はセリ科が食草です。一方、アゲハはミカン科の植物を食べます。両者の幼虫は外見も違いますし食べる植物にも違いがあります。幼虫の様子が違えば成虫は違って当然なのに、成虫は非常によく似ています。なぜなのでしょう。進化の不思議です。


小虫倉の大姥神社
 この奥に小虫倉の山頂を示す標識があります。祠の後ろ側に堀切らしい窪みが見られました。ここも山城だったのですね。右手に降りていきます。


ヒカゲスミレ(スミレ科スミレ属)
 名の通り沢沿いの半日陰を好む植物です。白色の花で唇弁と側弁に細かい筋が多くあります。側弁の基部があまり開かないのでしべが見えにくくなっています。ここでみられた品種は側弁基部が無毛でした。


岩井堂観音堂
 弘法大師修道の地で本尊は馬頭観世音菩薩。断崖に造られている岩井堂は市指定の文化財で建築は1804~1829年頃と推定されています。茅葺きですが鉄板で被覆されているということです。


 虫倉山には小虫倉コース、岩井堂コースの他にも猿すべりコースがあります。この名前は植物のサルスベリ由来というよりは、猿も滑るくらいの急な登りということなのでしょう。それから不動滝コース、天神城コースがあります。ということは少なくともあと2回登らないと全コースを制覇することができないのですね。こんどは早朝から登り始めたいと思いました。


アルプス展望広場の菜の花と鯉のぼり(長野市中条)

2010年05月15日 | 風景
2010年5月14日に長野市中条のアルプス展望広場に行ってきました。


菜の花と鯉のぼり
 北アルプスを望む展望広場です。山脈をきれいに見るためには晴天の午前中がおすすめです。
 菜の花は16日日曜日から刈り取りが始まるそうです。(さわやか信州旅ネットより)


元気に泳ぐ鯉のぼり
 青空が背景なら素敵です。この日の午前は曇で日が差してきても雲の量が多かったのでした。
 菜の花独特の香りが漂っていました。フローラルというよりは臭みがあるのですがそれほど不快ではありません。


洗濯物状態の鯉のぼり
 鯉のぼりは風がなくなると一気に生命力を失います。まるでカラフルな洗濯物。


菜の花と集落
 山間の集落。付近の森は新緑で輝いていました。こういう山間に住むというのは「すごいなぁ」という感嘆の感想。関心はありますが私には出来そうもありません。


虫倉神社
この地区に虫倉神社は二つあります。これは東にある地京原・虫倉神社です。虫倉山へはこの社殿の裏から続く小虫倉コースを登っていきます。この日は時間がなくて登れませんでしたが近々登ってみたいと思っています。


ムラサキエンレイソウ(ユリ科エンレイソウ属)
 内花被片が紫色をしています。シロバナエンレイソウの一品種で滅多に見られません。


クルマバソウ(アカネ科クルマバソウ属)
 輪生する葉が特徴的です。陰となる林内で小さく白い花を咲かせる様子は控えめで清らかな美しさがあります。


イカリソウ(メギ科イカリソウ属)
 花の形が碇に見立てて命名されました。濃い紅紫色の花です。ハート型の葉には紅紫色の縁取りがあり園芸的な価値がありそうです。

この他、イチリンソウ、ヒトリシズカなどが見られました。

ミズバショウとリュウキンカ(いもり池・むれ水芭蕉苑・大谷地)

2010年05月10日 | 山歩き
2010年5月9日 いもり池(妙高市)・むれ水芭蕉苑(飯綱町)・大谷地(長野市)に行ってきました。

最初、黒姫高原の御鹿湿原に向かっていたのですが、途中にある公園内の池で既にミツガシワが咲いていたので妙高市のいもり池に行ってみることにしました。いもり池のミツガシワは例年ですと5月中旬から花が咲き始めます。やはり、ミツガシワはまだ咲いていませんでした。それにミズバショウは終わり近くで見頃を逃したのでした。


いもり池のミズバショウと妙高山
 朝は全くの順光でのっぺりとメリハリの無い写真になってしまいます。手前のミズバショウはほとんど終わって葉が大きくなり始めていました。このミズバショウが見頃であれば良い風景となったことでしょう。


ショウジョウバカマ(ユリ科ショウジョウバカマ属)
 いもり池の近くで咲いていました。早春の定番となる山野草です。魅力的な濃紅紫色の花色をしています。


エンレイソウ(ユリ科エンレイソウ属)
 既に子房が大きくなり始めていました。外花被片だけの地味な花です。三枚の輪生する葉が印象的。
 いもり池の近くに遊歩道が整備されています。森林セラピーロードやリブランの森遊歩道と名付けられています。今回、リブランの森遊歩道を通って狐池を巡ってきました。


狐池
 池畔に桜が一本ありました。濃いピンクの花でしたが落花さかんで葉も伸びてきていました。狐池は溜池として利用されています。平成元年竣工。


ミズバショウの群生
 遊歩道の途中にミズバショウの群生がありました。こちらはまだ見頃でした。


ミズバショウ(サトイモ科ミズバショウ属)
 かすかな芳香が漂っていました。




むれ水芭蕉苑
 こちらもミズバショウはほぼ終わっていました。リュウキンカとニリンソウの群落の中にミズバショウの葉がアクセントとなっています。


リュウキンカの群生
 水芭蕉苑の東にある湿原です。奥の山は霊仙寺山?。午後になり山は白っぽくなりましたが、朝の光ならば山もくっきり見えたことでしょう。


リュウキンカとニリンソウ、それにコブシ
 咲くタイミングが合う植物です。黒姫高原の御鹿湿原でもこの組み合わせを見ることができます。今日は時間の都合で御鹿湿原には行きませんでした。





大谷地
 かつてここもリュウキンカの大群落がありました。でも、最近湿原のアシが勢い盛んとなってリュウキンカはだいぶ減っているようです。以前からアシが刈り込まれていた木道近くは元気に咲いていました。


シロバナエンレイソウ(ユリ科エンレイソウ属)
 上記のエンレイソウとは違ってこちらは白い内花被片があって花らしい花です。外花被片は緑色で細長く先が尖っています。