長野周辺の山歩きと山野草

長野県北部を中心に山歩きと野草の開花状況を報告しています。植物の不思議な生態についてもレポートしています。

あづみ野池田クラフトパークと大王わさび農場(安曇野市)

2010年03月24日 | 風景
2010年3月22日 あづみ野池田クラフトパーク(池田町)と大王わさび農場(安曇野市)に行ってきました。

昭文社の「スーパーマップル1/1万 長野県道路地図」で、クラフトパークの西側、渋田見信号付近に地図の誤りがありました。道路に案内が出ているので迷うことなく行けますが・・・

クラフトパーク
 敷地内に池田町立美術館があります。安曇野の展望がよいところです。夕焼けが水田に映え壮大な北アルプスがシルエットになることからサンセットポイント100選に選ばれています。


最上部からの展望
標高634mです。大変眺めがよいです。この右手に美術館、裏手にパターゴルフ場、下は芝生広場や野外ステージ、池などがあります。ちびっこ広場にはいくつか遊具も設置されています。


 きけわだつみのこえの碑

きけわだつみのこえ
自由の勝利は 明白な事だと思ひます
明日は自由主義者が一人この世から去っていきます
唯願はくば愛する日本を偉大ならしめられん事を
国民の方々にお願ひするのみです
上原良司


と書かれていました。そして、この碑の左隣に建立の趣意の書かれた石碑がありました。
建立の趣意
今から六十余年前の第二次世界大戦において 多数の国民が戦争に駆り出され 祖国・故郷・家族のためと信じつつ自由で平和な時代の到来を願いながら戦い 無言で逝った

その多くの戦没者の思いを代弁したとも言うべき 突撃前夜に上原良司が書き残した「所感」の一節をここに刻み
そのメッセージを次世代に伝えるべく生誕地・池田町にこの碑を建立する
平成十八年九月二十七日
 生誕地・池田町に上原良司の碑をつくる会建立



ベンチのある風景
 背もたれのあるベンチがあります。暖かく天気の良い日にのんびりしたいと思わせる良い公園ですね。




大王わさび農場

花の咲くわさび田


雪の北アルプスとわさび田
 わさび田の最も奥からの風景


わさび田と梅の花
 わさびと時を同じくして梅の花が咲いています。


ワサビ(アブラナ科 ワサビ属)
アブラナ科に特徴的な4弁花の白い花です。ミツバチが飛んできていました。この写真にも写っています。


花咲くわさび
 望遠レンズで周囲をぼかして雰囲気を出しました。ピントを合わせる部分は、同じわさびでも他とは違うポイントとなる花があるとよいのですがね。なかなか見つかりません。
 茶色の棒は遮光ネットや霜よけ布を支える支柱です。光条件に敏感な植物なので日光が強くなる5月~8月の生育期間に黒い遮光ネットで光量を調節するのです。


わさび田と梅
 わさび田の周囲を散歩できます。喫煙所以外園内禁煙。ワサビは生で食べる食品であることをお忘れなく。
 園内の「いわな茶家」で岩魚の塩焼きを食べました。700円。おいし~ぃ。ご飯があるといいのに。。。そばはありました。


清らかな流れ
 この清流でワサビは元気よくおいしく育ちます。


水車小屋
 水車が回っています。黒澤監督の映画「夢」のロケ地。水車小屋に唐箕が置いてありました。唐箕とは、収穫した穀物などを風の力で選別する農機具で、江戸時代にも使われていたといいます。私も小さい頃実際に使っているのを見たことがあります。

出入口近くのお店は現在改装工事で閉鎖されていますが、園内でおみやげは買えます。いろいろな食品にワサビを加えて加工したものがおみやげとして売られていました。わさび入りのせんべいとチーズを買いました。

アネモネ

2010年03月21日 | 草花
2月中旬から咲き初めたアネモネが咲きそろいました。初めて栽培したわけなのですが、大変に気に入りました。キンポウゲ科イチリンソウ属なのです。イチリンソウといえば、長野の野山でもこれから4月にかけて白い花が咲く私の好きな山野草です。色こそ鮮やかすぎますが風に揺れる花の様子がイチリンソウを彷彿とさせます。
 花の色も豊富で八重の品種もあって早春の庭を華やかにしてくれます。さらに、花が咲いている期間も長いのも良いポイントです。
 酸性の土壌が苦手な植物なので、秋、球根を植えるときには石灰などで調整しておく必要があります。


八重 青色


八重 ピンク
 花が開きすぎました。もう少し閉じ気味の方が雰囲気が良いです。

オウレンとミスミソウ

2010年03月17日 | 草花
2010年3月15日に小布施町~長野市若穂に行ってきました。


ニワウルシ(ニガキ科ニワウルシ属)?の果実
 冬枯れの雑木林でこれが大変目立っています。翼果と呼ばれる実です。風でひらひらと飛ばされ散布できるような形をしています。この近くにミスミソウが自生しているのですが、まだ花芽も伸びていませんでした。


オウレン(キンポウゲ科オウレン属)
 咲いていたのは一本だけでした。杉の木の下にあります。冬の間落ちた杉の小枝で苦しそうでした。


ミスミソウ(キンポウゲ科ミスミソウ属)
 若穂にある自生地を訪れました。落葉樹林内だけでなく薄暗い杉林の中でも見られました。三浅裂の葉身が命名の由来です。前年に伸び冬を越した葉なので虫に食われたり傷んでいることも多いです。咲いているときは白色の花がよく目立ちますが、つぼみが伸びるときは地味な色です。踏みつけないように注意しながら見て回りました。


ミスミソウの花
 花びら(がく片)は白色だけです。それもまた清楚で良い感じです。新潟に行くと赤~紫の花色をしたオオミスミソウが自生していたりします。

セツブンソウとうさぎさん(千曲市戸倉)

2010年03月09日 | 山歩き
2010年3月8日に戸倉のセツブンソウを見に行ってきました。

昨日雪が降って、公園からセツブンソウ群生地までの道がぬかるんでいました。私の靴はグチョグチョのズボズボのドロドロでボロボロでした。あっ、最後のボロボロっていうのはぬかるみ歩く前からでした。失礼。


雪の中のセツブンソウ
 群生地一面に薄く雪が積もっていて、セツブンソウは見られないかな?と半分諦めました。でも、数えるほどだけでしたが、木の陰で雪が少ないところにセツブンソウを見つけました。


セツブンソウ
 午後になってやや日が差し始めました。木の枝から雪がドサっと落ちてきます。


自在神社と天狗の松
 神社の両側に赤松と杉があります。どちらも立派です。特に社殿奥左の赤松は天狗の松と呼ばれ、樹齢は推定四百年、樹高は30m、幹囲は3.6mで千曲市の文化財(天然記念物)に指定されています。


公園のうさぎさん
 舌を出してベーとしているところ、偶然撮れました。


足の臭いを嗅ぐ?うさぎさん
 穴堀りしたり耳をカイカイカイっとしたりいろいろな仕草をします。隣のヒツジやヤギと違って全く鳴きません。


餌の時間
 カオス状態。餌は、キャベツの外側やニンジンの皮、ミカンやリンゴなど。


にんじんだらけのうさぎさん
 おじさんが餌を持って来ると、素早く察知して一斉に集まってきます。餌がもらえる場所が決まっているのですね。そこにドサっと撒くので餌にまみれに。


小さな小さなうさぎさん
 赤ちゃんうさぎでしょうか。りんごを仲良く食べていました。

國母和宏さんと「問われる日本人の“言語力”」

2010年03月02日 | エッセー
 2010年2月12日から28日にかけて行われていたバンクーバーオリンピックが終了しました。同年齢のキム・ヨナさんと競い合う浅田真央さんの演技とその努力など、感動の場面も数多くあったようですね。日本の成績が、スケート競技 > スキー競技というのはどういう理由なのかは興味があるところです。しかし、トリノの時ほどは集中して観戦してませんでしたので、競技外の注目点について記事にしたいと思います。

 男子ハーフパイプ決勝で果敢にダブルコークに挑んだ國母和宏さんでしたが、転倒し顔から出血してしまいました。全くお気の毒と言う他ありません。実はこの選手、服装の乱れでJOCから厳重注意を受けていたのですね。そのニュースは知らなかったのですが、代表に選ばれるほどの人が厳重注意というのは腑に落ちなかったので、得意のウィキペディアとYouTubeで調べてみました。

 バンクーバーへ出国する際、乱れた服装で成田空港に現れ「結果よりも内容。格好いいと思ってもらえればいい。最近のスノーボードはすげぇダセえから」とインタビューに答えたと言うもの。出国の様子を見た人々から抗議が殺到し、日本選手団公式服装着用規定に抵触していることもあり、JOCはスノーボード監督などに厳重注意したということでした。さらに、会見で服装の乱れについて問われると、監督?に促されて「反省してまーす。」と発言。しかし記者から問われた際に舌打ちして「うっせーな」とつぶやいたのがマイクにひろわれていました。

 その他の発言では、「気持ちは何も変わっていない。自分にとって五輪はスノーボードの一部で、特別なものでない。」や、競技が終わってからは「いろいろあったけれど、最後まで応援してくれた人には感謝しているし、自分のスタイルと思いを最後まで曲げなかったので、それはいいことだと思っている」と突っ張った答えをしていました。前回大会トリノオリンピックでの記者会見では、同じハーフパイプ代表の選手を馬鹿にする発言をしたり、選手村の壁を破るなど生活態度が悪かったということでした。


 驚くことにプロスノーボードライダーだそうです。こんな人となりでお金を稼げるのでしょうか。人の稼ぎについて心配しても仕方ないですけどね。上記の要約でも國母さんとはどういう人なのかは分かりますが、私なりに分析してみますね。

「乱れた服装」と言っても、なぜ日本選手団公式スーツを腰パンにしてだらしなくシャツを出していたのでしょうか。スーツが嫌ならクレーム覚悟で私服にすれば良かったはず。敢えて公式スーツを着用した理由とは?
 おそらく、規則や権威・強制に対する反発心と自己顕示欲のためだと思われます。想像してみますに、服装の指示を拒否して私服で現れる度胸もなく、かと言って強制に対する反発心と「自分は他者とは違うのだ」という自己顕示欲により他の選手のように正しく着られずにあの風貌になってしまったのではないでしょうか。21歳にして、心が中高生のレベルというのも悲しいものがあります。成長過程での周囲の配慮不足が原因ですが、20歳を越えたら自分自身で責任を持たないとね。
 さらに、スポーツで競い合う以上、そのルールを守り地道な練習を積み上げないと良い成績は残せません。逸脱行為で自己顕示欲を満たそうとする人は、本来トップクラスにはなれないものなのです。ところが國母さんはオリンピックで入賞しました。心根の部分では純粋で素直なのだと信じたいと思いました。



 そこで、最近NHKで放送された「追跡 A to Z」という番組で採り上げられたテーマ「問われる日本人の“言語力”」を紹介したいと思います。

 今、企業や学校で考えを整理して書いたり話たりする言語力で苦労する人が増えている。報告書をまとめることができない若手社員。何がしたいのかを筋道立てて説明できない生徒。言語力をどうすれば高めることが出来るのか。日本人の言語力に一体何が起きているのか追跡する。・・・・というコンセプト。
  言語力とは・・・自分の思考や知識・感性などを整理して分かりやすく伝えることを円滑に行える能力のこと。


だそうです。この番組はNHKオンデマンドで見られるのでしょうか。教育関係者など興味ある方は是非ご覧になってください。

 國母さんが発言した内容や状況を見ると、まさに低下した言語力を表していると感じます。心根の部分では素直なのに、全くそれが外部には伝わってきませんでした。なぜ、あの風貌をしたのか、自分の考えを全く説明せずに隣の監督?の口写しで「反省してまーす」と答えただけです。服装以上にあの会見に失望した人も多かったのではないでしょうか。

 一方、同じスポーツ選手といっても、浅田真央さんを始めとしたフィギュアスケート選手や石川遼さんや宮里藍さんなどゴルフ選手は若くても皆さんコメントが上手ですよね。受け答えもしっかりしていますし、気持ちが伝わってきます。一流とは技術が優れているだけでなく、言語力も大切なのだと思います。そして皆に夢を与えなければいけません。

 言語力が低く、不良じみた選手のスポンサーになろうという企業があるのでしょうか。言語力が低い人に後継者を育てることができるのでしょうか。たとえ、技術は一流でも選手生命が短いのがスポーツ選手。皆が期待しているのは自身の成績を伸ばすこと以上に後に続く人にその技術を伝えてほしいということです。今のままの國母さんでは・・・どうなのでしょうね。言わずもがな。「自分のスタイルと思いを最後まで曲げなかったので、それはいいことだと思っている」は、ダブルコーク挑戦を指してのコメントなのかもしれませんが、「考え方」については早期に変えた方がいいと思うのですがね。

 番組で指摘している言語力低下の原因は、携帯電話・メールの普及と「書く」「話す」ことが教育現場で軽視されたことだそうです。ドイツの教育現場に取材に行っていていました。生徒に自分の考えを説明させたり、他人と異なる意見を発表させたりしていました。抽象的な絵を見せて何に見えるのか意見を言い合うのです。知識を身につけさせるというよりは言語力も鍛えているのですね。社会に出て働き出すと、学生の頃に習った知識で役に立つのは各職場で限られています。多くの知識が役に立ちません。一方、言語力は入試対策としては優先順位が低いですが、社会に出てから最も大切な能力なのではないでしょうか。日本の製造現場でも言語力の低下により技能伝承が行き詰まっているそうです。トヨタのリコール問題はその一例だとは思いたくはないですけれど。社会に有益な人材を育てるためにもドイツを見習う必要があるのかもしれません。
 それから、サッカーチームも取材していました。言語力が低いために自分の考えを仲間に伝えられず、組織立ったフォーメーションが組めずに世界で成績を残せないというのです。そこで言語力を磨くべく研鑽を積んでいるというレポートでした。

 「國母和宏」でネット検索すると賛否両論書かれている状況。常識が無いと言う意見ももっともですが、國母さんには態度を改めて本来の素直な気持ちを上手に表現していただきたいものです。お手本は2歳年下の真央ちゃんです!