長野周辺の山歩きと山野草

長野県北部を中心に山歩きと野草の開花状況を報告しています。植物の不思議な生態についてもレポートしています。

ヒロヘリアオイラガのその後

2017年10月11日 | 家庭園芸
前回、10月2日投稿の後、ヒロヘリアオイラガは一度脱皮をしました。すると・・・

10月9日の写真です。頭を下にして葉裏にいました。多くが散り散りとなり、一つの葉に1匹となりました。全個体が葉裏に隠れるようにいることから、やはり小鳥が天敵なのでしょう。
脱皮後はトゲトゲの様子がだいぶ変わりました。前は胸部と尾部の棘が目立っていましたが、今回は体全体に棘だらけの様相。
背中にあった黒い棘の束はなくなり、オレンジ色に変わりました。それから尻についている黒いものは、糞ではなくて体の一部です。


10月10日の写真。イラガと言えば棘の写真ばかり撮ってしまいがちですが、頭部も抑えておきたいところ。普通の毛虫に見られる頭部とは違っていました。
ヒロヘリと名前のとおり、襟のような「へり」がついています。これで頭を隠しながら葉を食べていました。



もっと詳しく観察するために、イラガが留っている葉をちぎって上向きで写真を撮りました。オレンジ色の棘が髪飾りのようで なんかかわいい。
 「襟」の目模様、神のデザインと言われても信じたくなるくらい。でも真実は「誰かの視線」による自然淘汰の結果です。進化って人間の想像を超えて不思議。
 目模様に関しては、別種でも頭部に出ているものが知られています。例えば、マイマイガ。体に目模様は、身近なところでアゲハの終齢幼虫。アケビコノハは、ギャグ漫画で目を回したのかっていう・・・。ビロードスズメなどスズメガの仲間には蛇?のような目模様がある種が多くいます。
 目模様は襲ってきた小鳥にぱっと見せて驚かすために進化したと信じられていますがどうなんでしょうか。実際にイラガをツンツン刺激してみたところ、頭を縮めて隠すような動きなんですけれどね。う〜ん・・・


お尻方向からの写真。”黒いもの”は4つあるようです。形は丸く、拡大してみるとケバケバのテクスチャー。毛の束ですかね? お尻に糞形状の飾りって・・・おしゃれ〜 www


いつまでたっても頭を出して来ないので、無理矢理ひっくりかえしました。
じゃ〜ん、これが真の頭部。普通の芋虫と同じようです。おなか側は、透明感ががあって、ぷにぷに感満載。グミのようでおいしそうです。いや、私が思ったのではなくて、小鳥がそう思うんではないかな〜って。


矢印の先が本当の目です。他種と同じように6個の単眼が並ぶ構造でした。5個が弧を描くように、その「要」の位置に1個が配置されているというもの。幼虫の目の構造は普遍性ありそうですね。
幼虫の目に関して、近々オオスカシバの記事にも書きたいと思います。