マロリーな日日(にちにち)

癒し系ソフト・ボトルメールの作者が、ガツガツ派では見えないゴロゴロ視点で、ビジネスの世界を観察していきます。

愛・地球博の見所は、見えないところ

2005-08-08 23:53:44 | biz basic
愛知万博の某ディレクター氏より、会場を取材に来ませんかというお誘いをいただいた。
正直、万博にはあまり興味はなかったのですが、並ばないですむチケットを発行しますよ、という一言で訪問を決意(^ ^;

平日月曜日、しかも会期は来月で終わりという状況ながら、人混みは週末の渋谷以上。
メイン会場、長久手日本館の行列では、毎日10~20人が熱中症で倒れるという暑さの中、やや後悔が。

最初はサブ会場の瀬戸日本館で、群読叙事詩劇「一粒の種」を見せていただく。
脚本のJ・A・シーザー氏は、私にとっては舞台作家というよりは、アニメ「少女革命ウテナ」の音楽でリスペクト。
15分間でたたみかける迫力はさすが。シーザー氏の本当にやりたかった内容かという邪推はさておき、こういうイベントで15分という選択はすばらしいですね。夕方、韓国館で並んでしまった手前、30分の伝統舞踏を鑑賞しましたが、やや退屈ぎみ。長時間待たされても、印象に残る瞬発力のある出し物の方が評価が高いことを体感。

瀬戸から長久手会場へゴンドラで移動。
ゴンドラ待ちしていると、妙な看板が。(写真上)
なんでも、ゴンドラがある場所を通過する際、近所の住人からプライバシー侵害のクレームを受け、この装置がすべてのゴンドラに実装されたそうです。おそらく液晶のシートをゴンドラの窓に貼り、特定の場所を通過する間、その液晶を曇らせて、外を見えなくするという仕組み。
こういうイベントには絶え間ないカイゼンのために予算のバッファが必要ですね。

さて、目指すは長久手日本館。100分待ちの表示と長蛇の行列を横目にちょいと失礼と別の入り口から会場内へ。自然の叡智がテーマとあって、目立つ360度映像よりも、実は建物そのものが展示品で、光触媒を利用した天井に散水して冷房費を削減するとか、間伐材を組み合わせて太い柱を作っているとか、分別を考え釘ではなく竹を使用しているとか、そういう地味で見えない部分が見所だったりするわけです。
また入場者数からも明らかな万博大成功の陰には、ゴンドラの例のようなカイゼンが、あらゆるパビリオンでも日々実施されており、そういう配慮と対策の1つ1つが、私たちには気づかない見所となっている気がしました。

次に会場の裏手へ案内をいただく。裏口といっても、ここから天皇陛下から一流企業役員、代議士さま専用出入り口です。で、ここが陛下もお休みになった応接室。(写真上から2番目)仮設とはいえ、なんとも上品。
VIPといえば、前日には、某地元企業の元社長ご夫妻が、はたまたボクたちの30分後にはラルクのメンバーがここを訪問予定になってました。いやぁ、残念。

その後、関係者専用道路を使って車で会場内を移動。ぐるっと左回りに反対側、アジア各国のパビリオンがあるささ池ラウンジへ。(写真上から3番目)
ここはVIP用の休憩室で、内部は空港にあるビジネスラウンジと同じようなたたずまい。軽食、ドリンク類が無料でいただける。もっとも誰でも入れるラウンジではないので念のため。
数時間前、激混みの食堂でマズイ1000円の冷麺を食べたけど、ここでサンドイッチでも食べれば良かったのにぃと、アテンドのディレクター氏をちょっと恨む。

その後は自由行動ということで、ボクはアジアのパビリオンへ。でも、どのパビリオンも「自然の叡智」というテーマは感じられず、ただの国の紹介だったんですけど・・・。こういうテーマはホスト国、およびホスト国の企業館しか考えてないのでしょうか。他のパビリオンはどうなんですかね?

さて、西ゲートを退出する際、楽しみにしていた、女性コンパニオンのロボットを拝もうと思ったのですが、「彼女」は休憩中とのこと。なんでも30分働いたら、30分休むそうです。冷却に(笑)。そういえば、長久手日本館にいたアザラシロボも1時間働いたら、2時間休むそうです。充電に。
つーか、ロボットが人間より休んでどーするって感じですが・・・。

東京にいると、名古屋万博の話を全く聞かないのですが、現地に行くと熱気が違いますね。モリゾーとキッコロなんて、最初はなんてヘタレなキャラと思っていたのですが、帰りにはかなり好感がもてたりして。

夕食は、高倉健さん御用達の「宮鍵」へ。名物のかしわ味噌すきを食す。ええっ、こんなに味噌を入れちゃうの!?(写真下)