マロリーな日日(にちにち)

癒し系ソフト・ボトルメールの作者が、ガツガツ派では見えないゴロゴロ視点で、ビジネスの世界を観察していきます。

アクティブシニアの美改造

2008-11-09 18:21:26 | biz basic
これまでIT系の職場が多かったせいか、同僚はみな一様に若い人たちであったのですが、ふと気づくと、逆に60代シニアの方々ともご一緒する機会が多い。

大先輩の仕事の進め方や考え方の違いから、最初はうまくコミュニケーションがとれないこともあったのですが、大先輩のライフステージを理解できると、そういったトラブルはしだいに少なくなりました。

てなわけで今回は、ビジネスの現場で、このようなアクティブシニア~経産省では、最近、新現役とよんでいる~の方々が、スムーズに現場に溶けこむ方法を提示したい。

意外と大先輩はあいさつができないとか、想像通りガンコだとか、そういう矯正が難しい部分での話はさておき、すぐに実行できるところから着手したい。


学生くんが着慣れないスーツをがんばって着るように、 大先輩もプチ綺麗になろうとするのが、イマドキの職場とのプロトコルをとるための端緒だと思うのです。

その1:毛の処理
 若い人がオジさんに違和感を感じる最大のポイントが「毛」です。
 はさみだけで、好感度大幅アップ!

 1-1.毛髪
  髪の毛の薄い部分と濃い(長い?)部分の差が大きいと周囲は違和感を感じてしまいます。
  オジさんはどういうわけか、髪の絶対量を維持することに懸命ですが、ほんとうは、髪の長さのアンバランス(相対値が少ない)の方が重要要因なのです。禿げてきたら、どんどんショートヘアーにしていけば薄毛は目立ちません。なのに、薄い部分を補うために、周囲の髪を長くしてしまうという手痛い戦略ミスを犯してしまうのです。重要なのは絶対値ではなく、相対値なのです。

 1-2.眉毛
  私もときどきびっくりするのですが、えっ、眉毛ってこんなに長いんだ、と思うことがあります。40を過ぎた方々ならだれでも経験はあると思います。
  で、とくに長い眉毛を中心にちょっと短くしてみてください。これだけでもかなり若々しくみえるようになります。ただ、急激に眉毛を短くしたり、薄くしたりすると人相が著しく変わってしまうので、少しづつやってみましょう。
  失敗すると、かつてのホリエもんのように、判決よりもイタい感じになってしまうので。

 1-3.鼻毛
  大先輩はおおらかな方が多いので、ここも伸び放題・・・。切り残しもでてくるので、最初は週1のペースで整備しましょう。
  私も、これ使っています(^ ^;

National 鼻毛カッター グレー ER430P-H

パナソニック



 1-4.耳毛
  川内おふくろさん康範大先生ほどではないにしろ、ここも管理下に。


その2:メガネ
 大先輩、レンズ部分が異常にでかいです・・・。
 それと、ひょっとして10年以上、同じメガネをかけていませんか?
 現在では、レンズ加工技術の向上により、レンズが小さくてもゆがまず、クリアな視界が確保できます。また流通の合理化により、驚くほどメガネ価格が下落しています。
 セルとメタルフレームのイメージが異なるものを2つ買ってみるとか、仕事用とオフ用とか、ふだん使い用とパーティ用とか、複数買ってみましょう!

 
その3:カバン
 わかります。40年の間、苦楽をともにした相棒、そう易々と手放すわけにもいかないし、愛着もあるでしょう。
 でも、ぼろぼろすぎです・・・。
 もし、新しいカバンを買うにはちょっと予算がないとか、戦友(古いカバン)に申し訳が立たないというのであれば、修理に出してみましょう。街中には、革製品のリペアをしてくれる店がたくさんあります。最近は洗ってしまうところも。見違えるほど綺麗になりますので、ぜひお試しを。


このたった3点の改善で、オフィスの若い同僚からの好感度は200%アップしますよー。
ぜひ、お試しください!


PS
 洋服はオンというよりは、オフのときの好感度アップにつながりますね。大先輩はスーツもちなので。
 でもときどき、新しいデザインのシャツとかパンツを身につけるとかっこいいかもしれませんね。ショッピングモールのような専門店が多いところをさくっと一回りして、自分のテイストとあいそうなブランドを見つけてください。一度、そういうお気に入り店を見つけると、購入判断がパッパッと行えるようになり、逆に(苦手な)買い物にかける時間はこれまでより少なくなって、とても合理的です。

PS2
 年柄年中、ラフな恰好というか、人によってはだらしなく思われるような恰好をしている自分を棚に上げている記事であることをお許しください(^ ^;

おおた工業フェア記念フォーラム

2007-01-05 13:56:50 | biz basic
大田区ネタ続きで恐縮。
来る、2/17(土)に蒲田でこういうイベントがあるので、お時間のある方はどぞ。

第11回おおた工業フェア記念フォーラム
育て!モノづくり人材! ~情熱の起業家それぞれの提言

基調講演: 「私流 組織づくり」 
(株)サンブリッジ社長 アレン・マイナー氏

パネルディスカッション:
「製造ベンチャー2.0 ~次世代型製造ベンチャーとは?」
 パネリスト
 (株)サンブリッジ社長 アレン・マイナー氏
 (株)クライム・ワークス社長 山口 誠二氏
 (株)マテリアル社長 細貝 淳一氏
 コーディネーター
 (有)情報建築社長 永井 義人


後半のパネルディスカッションは、参加者みんなで事前に集まって、シナリオを・・・、ということはしていないので、どういう話になるかは全くわかりません(^ ^;

ただ、製造業門外漢であるアレンさんや永井が、新規事業系専門家の視点で、新しい動きをしているクライム・ワークスさんや、マテリアルさんを裸にしていくことで、一見、ミスマッチの感のある製造業とベンチャーという言葉が結びついてきて、願わくば、若い起業家が「ひょっとしたら今はITより、製造業の方が儲かって、世の中を劇的に変えられるんじゃないの、しかも日本主導で・・・」なんて気になってくれるといいかなぁと、現時点では一人勝手にもくろんでいます。

なので、「私は製造業とはまったく関係ないし、知識もないよー」という方のご参加を強く期待しています。
起業に興味がある、お金持ちになるヒントを知りたい、広くビジネススキルを磨きたいという方、歓迎します。

この4人の共通点はみな60年代生まれということ。
アレンさんはすでに上場益で一回りしちゃっているし、永井もネットの世界ではすでに古参、というか時代遅れ。
でも、製造業は40歳でも若手、なんですよ(^ ^;
このあたりのギャップとか理由とかも、ひょっとすると俎上にのるかも。


<アレンさん著作>
わたし、日本に賭けてます。

翔泳社

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大田区モノづくり企業展 2/2

2006-12-13 23:13:35 | biz basic
19:43、機材を積み込んだ最後のトラックが会場を出て行った。
イベント終了から103分、全く見事な手際の良さ。
ここ2ヶ月の仕事が、跡形もなく消え去った感じ。
がら~んとした会場。数時間前、ここに1,135人の来場者がいたとは思えない静けさ。

イベントはおかげさまで大成功。準備期間が異常に短く、出展者への情報提供の面でバタバタした点は大反省だが、大田区産業振興協会が主催したイベントでもっとも熱気があったと評価してくださる方も多々。
今日夕方放送されたNHK首都圏ニュースでもとりあげられ、高校生の「近所にこんなにすごい会社がたくさんあるなんて知らなかった」「製造業は就職先として意識したことはなかったが、いいかも」という理想的なコメントが流れる。
言葉だけで聞くと、優等生コメントのようにも思われるが、茶髪の前髪が鼻まで垂れている子の発言だったりして、かなりうれしい。

思えば、制限だらけのイベント開催だったけれど、期せずしてそれらの制限がすべていい方向につながっていったのだと感じる。新規事業でもよくある良いパターンですな。

【逆境1】 高校生向けのイベントにもかかわらず平日昼間の開催
 会場の都合上、平日しか押さえられなかった。そのため、事前に各教育機関に授業として訪問していただけるよう依頼。うち、3校が急な依頼にもかかわらず、授業として大量動員していただいた。
 もしこのイベントが土日開催で、生徒たちの自由意志による訪問だったらと思うと、ちょっと怖い(^ ^;

【逆境2】 たった半日の開催
 企画側としては、これだけ丹精こめたイベントを半日で終わらせるのはもったいない、あるいは出展者にとってもどうせブースを手間暇かけて作るなら、2日間ぐらいの開催にしてより多くの人に見てもらいたいのではないかとも思っていた。
 しかし、実際は短時間に多くの来場があり、会場が著しい熱気あふれる状態と化した。また忙しい中小企業にとっては売り上げに直接貢献しない(?)この種のイベントに何日もラインの社員や社長を動員できないという事情もあり、逆に大好評。
 クイズスタンプラリーの企画と相まって、1,100人程度の来場者でも滞在時間が4時間なんていう生徒さんもザラで、とにかく満員御礼状態が維持できた。
 こういう短時間で燃えるほうが、関係者に強い印象を残せたのかもしれません。

【逆境3】 とにかく予算がない、時間がない
 ま、どこでもよくある話です。でも、リクルート出身の私にとっては、こんな貧乏プロジェクトは前代未聞的な金額。そのおかげでボランティア動員企画となったわけだけど、これが企画趣旨と絶妙にリンクし、イベントがものすごく生き生きしてきたという具合。
 準備期間の短さ(まっさらな状態から依頼を受けて2ヶ月半しかなかった!)も、逆にアウトソースするゆとりもなく、結局、印刷物も前夜、コピー機フル回転という状態でリーズナブル。
 ただ、デザイン・ユーザビリティ重視の私としてはさまざまなところで、それらのクオリティの低さには我ながら閉口したけど・・・。


とまれ、興奮さめやらぬスタッフの間ではすでに伝説的な成功イベントになりつつあり、企業・学生の双方からは満足な手応えを得られ、良かった良かった。

問題はこの過剰に高まる期待感の中で、来年も同じイベントを企画することです。
ひぇー、ガクブル。

大田区モノづくり企業展 1/2

2006-12-02 23:33:50 | biz basic
(財)大田区産業振興協会さんからいただいているお仕事のひとつがこれ。
大田区モノづくり企業展 ~その強さの秘密を探る!~

高校生、高専生、専門学校生をメインターゲットに、大田区の町工場の魅力を知ってもらおうというイベントです。
イベントプロデュースという花火的な仕事は久しぶりで、これまでネット系の仕事パターン、つまり、8割の完成度でリリース、あとはどんどん改善を施していけばOKという仕事と比べ、一発勝負みたいなところがあるので、その仕込みとダンドリにかなり神経をすり減らしております。

企画側としては次のようなことをねらったり、楽しみにしているんだけどうまくいくといいな。

・ハローワークやリクルート、パソナが仕掛けると、どうしても合同会社説明会という<お見合い>の場になってしまう。だけど、私の企画は<合コン>を目指しています。結婚する(就職する)かどうかはまったくわからない。ただ、気に入るコがいればいいなぁというライトな感じ。なので、人事担当者があなたをお待ちしています、なんていうそら恐ろしい文言は一切なし。

・会場の司会、映像レポート、事前の写真撮影などに、学生君のボランティアを大量動員。学生さんはお客さま、もてなすのは企業(オトナ)側というような固定関係を崩したい。

・企業側が魅力と感じるモノと、学生が魅力に感じるモノにはズレがあると仮説構築。そのズレを認知するだけでなく、いっそのこと楽しんじゃおうということで、出展企業全38社に学生2名のチームが各々事前に訪問。一眼レフデジカメを持たせて、君がイカすと感じたモノをなんでもいいからパシャパシャ撮ってきてとオーダ。この写真をB2のパネルにし、各企業のブースに1枚づつ掲示するというちょっとした写真展を企画。これで、企業学生双方にいろいろな発見、歩み寄りが起きてくれたらうれしい。

・ビジネスフェアではないので、とても高校生が企業ブースをまともに回るとは思えない(^ ^; てなわけで、企業の魅力を簡単なクイズにして、その答えを考えてブースを回る導線を作った。学生はコミュニケーションを行った企業からスタンプを押してもらう。これにアンケートを加えて事務局に戻してもらえれば、これすなわちiPod shuffleが当たる抽選券になるというわけ。クイズの正解・不正解は関係なし。町工場の社長、職人、若手従業員と学生で楽しくコミュニケーションが起きてくれれば、あとは双方の相性次第ということで、仲介者の役目は終わり。


そうそう、このイベント、オトナの入場を拒むわけではありません。
学生でないとiPod shuffleは当たらないけれど、お手すきの方は、町工場との和気あいあいの合コンを覗きに来てください。
お待ちしております!

もったいないレシート

2006-11-01 22:17:49 | biz basic
ルイ15世の公妾にして、才女であった女性の名前を持つPというパン屋さんでよく買い物をする。
ある日、山口県人妻である奥さんが「わー、おいしそうなパン、これ何パン?」と聞くので、よしよしと、袋に投げ入れておいたレシートを見て、パンの名前を高らかに読み上げようとしたのでした。

パン 1 200
パン 1 150
パン 1 130
パン 1 100

なにー!
全部、パンじゃん。

たしかに、扱い品目は多いし、閉店前にはディスカウントしたり、袋にまとめたりするけど、Pさんは、立派なチェーン店だし、POSもしっかりしていそう。
しかし、なぜにこのレシートの体たらく。

レアケースかもしれないけれどさ、このまま商品名の表示があれば、存在感が記憶に残り、再購買につながったかもしれないのに・・・。

googleに引っかからないサイトが事実上存在しないように、名前を認知されないパンはどんなにおいしくても記憶から忘却されていくと思うのですよ。

レシートをあなどるべからず。

アダルトショップの矛盾するメッセージ

2006-07-14 23:52:41 | biz basic
京都東山を散策中にこんな看板をかかげたアダルトショップがあった。
「お気軽にどうぞ」

ふと入口を見やると(他意はない・・・)そこには手書きでこんな注意書きがある。
「ひやかしの方、お断り」

不思議なメッセージである。
おそらく、「お気軽に」という赤い看板のおかげで、店内の入場者は増加したものの、思ったほど売上が伸びなかったのであろう。しかも、陳列棚は乱されるは、万引きが増えるは、常連さんは逆に入りづらくなるはで、困った店主が次に入口で掲げた手書きメッセージが、「ひやかし、お断り」なのではないかと勝手に推察。
気持ちはなんとなくわかる。
でも、こういう矛盾するメッセージを客にぶつけてはいけない。
客は混乱し、2つのメッセージそのものが弱まってしまう。

ビジネスの現場でも、「納期は遅れるな、でも残業は気をつけろ」とか、作業ミスは積極的に報告しろというので、報告するとそのミスについてすごく怒られるだけといったようなことはよく起きる。
アダルトショップと同様、相反するようなミッションは、メンバーや従業員にそのまま投げてはいけない。
矛盾なく、迷わない行動を支援するにはマネージメント側の下準備が必要である。

ひやかしのつもりで店内に入ってみたが、思わず買ってしまうような棚づくりや、
メンバーと議論され、周到に見積もられたスケジュールを作るのはマネージャーの仕事である。

有効な年賀状

2005-11-25 00:45:59 | biz basic
そろそろ準備を始めないといけないですね、年賀状。
年賀状をもらった後の行動については、年初に書いた「1月は年賀状で忙しい 」を参照していただくとして、今回は上流行程における、ぼくなりの年賀状の心構えについてお話ししようと思います。

【そもそも年賀状を出すのか、出さないのか】
 リクルート時代の上司から、教わったことの一つに「(ビジネスでは)無駄なことをしない」ということがあります。
 有限な時間を割いてなにか行動を起こすのであれば、そこから必ずなにかを学んだり、周囲によい影響を及ぼそうと精進せよ、ということです。
 これを年賀状ワークに当てはめるとすれば、年賀状をがんばって出すなら、誰よりも印象に残る、送った友人・恩師たちに笑っていただく、取引先から追加発注がくる、といったような状態を作らなければいけない。そういういい結果を出せない、出すつもりがないのであれば、年賀状は書かずに、その分他の何か、自分にとってもっと重要なことに当てた方が幸せだと思うのです。
 ま、そんな精神論がベースにあることと、具体的な「企画」がないとアポをとれない小心モノの私にとって、年賀状はまたとない営業ツールであり、飛び道具であり、チャンスなのです。


【無駄な年賀状】
 ・カイシャが支給する年賀状、そのまま
   これは、年賀状でなく、ただのDMですよね。ゴミ箱へポイですね・・・。
   出したヒトには悪気は何だろうけど、なんせさきほどの年賀状道から見るとイタイです。

 ・紋切りメッセージのみ
   自作の年賀状だろうが、手書きだろうが、あけおめ・ことよろだけの内容ではがっかりですね。

   例外的にクリエーターの年賀状は、それ自体がある意味作品なので、イラスト+あけおめだけでもそれはそれで、ほほえましいですね。また、巷でよくいわれる、手書き VS パソコン印刷の是非には興味がなくて、内容(コンテンツ)ですね。手書きだからといってありがたいわけでもないし、パソコン印刷で、直筆は一切なくても、そこにその人なりの想いや愛が感じ取れればとても嬉しい気持ちになります。

 魂の入っていない年賀状は、つらいですね。書いている本人からも「めんどくせー」とか「1枚50円だぜ」とか罵られ、受けとったヒトからは5秒後にちぎられたりして、ポイ。そして地球上からまた1本、木が音もなく倒れていくんですよ。合掌・・・。

 さぁ、みなさん、気合いを入れて年賀状に取り組みましょう。嫌なら、出すのやめましょう。


PS
 あー、やはりここにあった。私に「無駄なことはするなー」とたたき込んでくれた元上司の本。
 ここの第2章、『常に印象的な人であるために~ファックスや年賀状から始まる「社交術」』にも同じ事が書いてありますね。教育って恐ろしい(^ ^;

自分「プレゼン」術

筑摩書房

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NOといわせない会話術

2005-08-19 00:23:39 | biz basic
韓国ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」より、また感じたことなど(^ ^;

女医チャングムは、王の病気について疑問を抱き、厳しく管理されている王の病状日誌を持ち出してしまう。
この一件は王直属の内侍府(親衛隊みたいなもの)にばれてしまうのですが、その長官はチャングムの理解者の一人であり、本来であれば死罪に値するところを、もみ消してくれました。
それを知った、チャングムと敵対するチェ女官長は、たった一言で、長官の判断をひっくり返します。

さて、あなたがチェ女官長ならどういう発言をするでしょうか?

「長官、チャングムだけ特別扱いはおかしいです!」
「長官、法律をご存じですね?」
「長官、宮中にこの件をバラしますよ」

・・・悪くはないですね。
しかし、部外者かつ身分も下の女性からの進言です。
権力もプライドもある長官、しかも16世紀のヒトですから、
「それがどうした!」「おまえの出る幕ではない!」
と、一蹴される可能性は極めて高いとも思われます。

で、チェ女官長のキメ台詞です。

「長官、王様を裏切るつもりですか?」

さすが、悪役は古今東西、ディベートが強い。

王を裏切るのかと聞かれて、そうです、という臣下は政変時でもない限りいないわけで、このような絶対的正論に対しては、必ず特定の回答を誘導できます。
その誘導先にいかに自分の利益となる選択を用意するか、これが交渉や会話の極意ですね。

絶対的正論の利用は、結婚式のスピーチでも、敵対的買収をしかけた先に派遣された役員のスピーチにも応用が利いたりします。
「愛」の話です。詳しくはまた別の機会に。

愛・地球博の見所は、見えないところ

2005-08-08 23:53:44 | biz basic
愛知万博の某ディレクター氏より、会場を取材に来ませんかというお誘いをいただいた。
正直、万博にはあまり興味はなかったのですが、並ばないですむチケットを発行しますよ、という一言で訪問を決意(^ ^;

平日月曜日、しかも会期は来月で終わりという状況ながら、人混みは週末の渋谷以上。
メイン会場、長久手日本館の行列では、毎日10~20人が熱中症で倒れるという暑さの中、やや後悔が。

最初はサブ会場の瀬戸日本館で、群読叙事詩劇「一粒の種」を見せていただく。
脚本のJ・A・シーザー氏は、私にとっては舞台作家というよりは、アニメ「少女革命ウテナ」の音楽でリスペクト。
15分間でたたみかける迫力はさすが。シーザー氏の本当にやりたかった内容かという邪推はさておき、こういうイベントで15分という選択はすばらしいですね。夕方、韓国館で並んでしまった手前、30分の伝統舞踏を鑑賞しましたが、やや退屈ぎみ。長時間待たされても、印象に残る瞬発力のある出し物の方が評価が高いことを体感。

瀬戸から長久手会場へゴンドラで移動。
ゴンドラ待ちしていると、妙な看板が。(写真上)
なんでも、ゴンドラがある場所を通過する際、近所の住人からプライバシー侵害のクレームを受け、この装置がすべてのゴンドラに実装されたそうです。おそらく液晶のシートをゴンドラの窓に貼り、特定の場所を通過する間、その液晶を曇らせて、外を見えなくするという仕組み。
こういうイベントには絶え間ないカイゼンのために予算のバッファが必要ですね。

さて、目指すは長久手日本館。100分待ちの表示と長蛇の行列を横目にちょいと失礼と別の入り口から会場内へ。自然の叡智がテーマとあって、目立つ360度映像よりも、実は建物そのものが展示品で、光触媒を利用した天井に散水して冷房費を削減するとか、間伐材を組み合わせて太い柱を作っているとか、分別を考え釘ではなく竹を使用しているとか、そういう地味で見えない部分が見所だったりするわけです。
また入場者数からも明らかな万博大成功の陰には、ゴンドラの例のようなカイゼンが、あらゆるパビリオンでも日々実施されており、そういう配慮と対策の1つ1つが、私たちには気づかない見所となっている気がしました。

次に会場の裏手へ案内をいただく。裏口といっても、ここから天皇陛下から一流企業役員、代議士さま専用出入り口です。で、ここが陛下もお休みになった応接室。(写真上から2番目)仮設とはいえ、なんとも上品。
VIPといえば、前日には、某地元企業の元社長ご夫妻が、はたまたボクたちの30分後にはラルクのメンバーがここを訪問予定になってました。いやぁ、残念。

その後、関係者専用道路を使って車で会場内を移動。ぐるっと左回りに反対側、アジア各国のパビリオンがあるささ池ラウンジへ。(写真上から3番目)
ここはVIP用の休憩室で、内部は空港にあるビジネスラウンジと同じようなたたずまい。軽食、ドリンク類が無料でいただける。もっとも誰でも入れるラウンジではないので念のため。
数時間前、激混みの食堂でマズイ1000円の冷麺を食べたけど、ここでサンドイッチでも食べれば良かったのにぃと、アテンドのディレクター氏をちょっと恨む。

その後は自由行動ということで、ボクはアジアのパビリオンへ。でも、どのパビリオンも「自然の叡智」というテーマは感じられず、ただの国の紹介だったんですけど・・・。こういうテーマはホスト国、およびホスト国の企業館しか考えてないのでしょうか。他のパビリオンはどうなんですかね?

さて、西ゲートを退出する際、楽しみにしていた、女性コンパニオンのロボットを拝もうと思ったのですが、「彼女」は休憩中とのこと。なんでも30分働いたら、30分休むそうです。冷却に(笑)。そういえば、長久手日本館にいたアザラシロボも1時間働いたら、2時間休むそうです。充電に。
つーか、ロボットが人間より休んでどーするって感じですが・・・。

東京にいると、名古屋万博の話を全く聞かないのですが、現地に行くと熱気が違いますね。モリゾーとキッコロなんて、最初はなんてヘタレなキャラと思っていたのですが、帰りにはかなり好感がもてたりして。

夕食は、高倉健さん御用達の「宮鍵」へ。名物のかしわ味噌すきを食す。ええっ、こんなに味噌を入れちゃうの!?(写真下)

組織の成長と機動力のジレンマ

2005-07-30 03:55:24 | biz basic
法人とはよく言ったもので、カイシャはホント、人格を持って生きていますよね。
個人的に、約40歳の企業と、約60歳の企業に所属してその差を強く実感しました。
とくに、組織の自己成長というものに。

ふつう、学びのある企業であれば、程度の差があれ、自己成長を続けます。
なにか失敗があれば、それを二度と起こさないよう新しいルールが規定され、免疫のごとくその再発を防ごうとします。
たとえば、ある社員Aがある企業Xと新規に取引を始めたいと申し出ます。
上長Bは、業務契約があればOK、なんて口頭で了承し、社員Aは上長の机から承認印を取り出し押したとします。
しかし、企業Xは社員Aの近親者が社長のペーパーカンパニーで、実は、社員Aの発注を、A自身が対処して二重に報酬を受け取っているとか、
あるいは、発注自身が架空のものだったりします。
やがてこの不正は当然のごとくばれ、組織はその不正が二度と起きないよう、システムのカイゼンがなされます。

この例の場合、新規取引にあたっては、事前に登記簿謄本を請求するなど簡易な監査を導入しようとか、
上長Bだけでなく、さらにその上長Cの決裁も必要とするなどのカイゼンがなされます。

こういう何十年にもわたるカイゼンの積み重ねにより、システムは不正やミスというエラーを0に近づけていきます。

その一方で、モラルが高く、過去様々な新規の取り組みで成功を収めてきた社員Cはだんだんとパフォーマンスが落ちてきます。
昔は、数ヶ月で新規商品の開発ができたが、新しいルールの出現により、事前の承認手続きに時間がかかり、現在では同じ仕事をするにも1年もかかってしまうような事態になってきます。なにしろ、仕事のパワーの過半数は内部の調整に当てられたり、なにより自分が全く会社から信頼されていない、詐欺師であるかのような扱いに我慢できなくなってくるわけです。

こういうことは皆さんの身近にも多少は起きているはずなので、実感がわくと思いますがいかがでしょう?

なるほど、それゆえ、歴史があったり、大企業の組織は硬直していくのか!

うん、それも一理。
でもね、トヨタの現場ではカイゼンを何十年も毎日毎日行っているけど、組織の老化が他の企業よりも早いとか硬直しているという話は聞きません。
むしろその逆。
この差はいったい何なのでしょう?

その答えは、コストとスピードの評価軸の存在だと思うのです。
一般の企業組織がその歴史の中で学んだ決済の方法とか、ルールの目的はエラーを0にすることしか考えられていないのです。
トヨタのように、エラーを限りなく0にしながら、その判断スピードをもっと速くするにはどうすればいいのかとか、
20万円の案件に全役員がそろって会議に出席しているのは会議のコストの方が高くなっちゃうよねとか、
そういう面でもカイゼンがなされればすばらしいのに、なぜか一般の組織にはきわめて当たり前の部分のカイゼンがいまだになされないのは不思議です。