マロリーな日日(にちにち)

癒し系ソフト・ボトルメールの作者が、ガツガツ派では見えないゴロゴロ視点で、ビジネスの世界を観察していきます。

妻子のいない週末

2005-04-24 23:47:57 | 閑話
奥さんが娘を連れ、GWより一足先に帰省してしまったため、久しぶりに一人だけの日々。
今のうちに、たくさん本読んで、DVDも見るぞぉと気張るものの、なんだか逆に脱力気味で元気がない。
これじゃ、いかんということであがいた週末はこの結果。

【書籍】
 現在の調べ物を中心に7冊購入。うち2冊を資料読みで読了。
 電車の中で、浜野さんの新刊も読み終わった。日本人のアイデンティティの弱さの歴史とへぇ話を仕込む。
模倣される日本―映画、アニメから料理、ファッションまで

祥伝社

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【コミック】
 奥さん用に「寄生獣」を購入。なんでも大学の先生にアイデンティティを考える上での参考書籍として推薦されたらしい。
 何年かぶりに読み返したけど、間違いなく歴史に残る作品ですね。あまりの鬼気迫るものに、作者の岩明さんは、これからもう何も描けないんじゃないかと心配したのですが、余計なお世話でした。
寄生獣―完全版 (1)

講談社

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 かなりの蔵書があるジュンク堂漫画館では、とくにビビっときたものはなく素通りしてしまったのだけれど、ビレッジバンガードでぽろっと面だししている「棒がいっぽん」に釘付け。
 もうなんというか、あの名作SF(?)「奥村さんのお茄子」がまた無性に読みたくなりレジに。
(この本、誰かに貸して返ってこなくなったんだけど、誰に貸したのか忘れてしまった)
 意外だったのが「美しき町」。初めて読んだときは独身でピンと来ていなかったのですが、しみじみ。
 「私の知ってるあの子のこと」も娘がいる現在ではなんとも気になる内容。うーん、奥さんと娘に早く会いたい。
棒がいっぽん

マガジンハウス

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【DVD】
 「スチームボーイ」。お話はスターウォーズ、ビジュアルはハウルの動く城、ですかね(^ ^; といってもこの作品はハウル以前ですけどね。
 いまいちパンチが足りないというか、想定の範囲内って感じなんですよねー。
 でも、主人公・レイの声をあてた鈴木杏はファンです。
スチームボーイ メモリアルBOX

バンダイビジュアル

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 「ゴッド・ディーバ」。オトナはこっちのほうがいいな。
 いやもう、エンキ・ビラルのコミックの世界がそのまんま動いているので感動。
 「ティコムーン」もよかったけど、ディーバはほんと、ビラルビラルしていてうれしかった。
 でも、舞台はNYで会話も英語。ラストシーンはパリだけどね。
ゴッド・ディーバ リミテッド・エディション

ポニーキャニオン

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【プラモ】
 この正月にやはり、奥さんと娘がいないときにボディの部分だけ作っていたのだけれど、今回、アームの部分を作りやっと完成。
 小さい子がいるとプラモの部品や道具がどうしても気になるのでふだんは自粛モード。
 しっかし、この「ボール」ほんとによくできている。ガンプラは何十体となく作りましたが、一番よくできているんじゃないですかね。
 ランナーとの切断面はきれいに隠れるし、成型の筋なんかも安っぽく見えないよう気配りが隅々までいき届いているのには、頭が下がります。
 オヤジになると墨入れもしない、色も染めない、デカールも貼らないわで、素組みの時間しかないのだけれど満足度高し。
MG 1/100 ボール(Ver.Ka)

バンダイ

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以上、オタクな週末でした。

求む、オフィス空間!

2005-04-19 17:36:02 | ネタのタネ
実はいま、ある大口クライアントさんとの契約終了に伴い、多少、慌てていることがある。
新規開拓営業、それとも収入トレンドがダウンすること?
否、オフィスである。

一般的にオフィススペースというものは必要経費という認識があるかもしれないが、私の場合は違うのです。
オフィスはクライアントさんにちゃっかり間借しちゃうものなのです。それもタダで(^ ^;
LAN環境もタダ、電気代もタダ、プリントアウトもタダ。
業務委託契約は成立するまでには結構時間がかかったり、細々とした決め事が多いのですが、一度握ってしまえば、結構、「席もついでによろしくお願いいたしま~す」で、意外とすんじゃう。

クライアントさんにとっては、NDA(守秘義務契約)も結んでいるし、どうせあいている机だしいいや、という認識。
契約書では報酬ばかりに目がいきがちですが、コジンにとっては、こういうオプションもひじょうに価値のあるものなのです。
みなさんもサラリーマン辞めて独立すると、作業スペースがひじょうに貴重なものに見えてきますよぉ。

てなわけで、寄生コンサルタント・永井は、新しいクライアント=オフィスも探しているのです。


PS
 永井にとって、定常的なオフィスになりそうで、ならないところ
 *自宅
  豪邸ならそもそもオフィスを探さなくてもいいのですが・・・。
 *ファミレス
  近くにうるさい人が座るともうアウト。本日の業務は終了。
 *分煙、禁煙でないカフェ
  店にはいると、パンやコーヒーの香りでなく煙という状況はパス。
 *図書館
  パソコンをカタカタして、電気ももらっちゃうときもあるのですが、コーヒーが飲みたい(^ ^;
 *スタバ、タリーズ
  数時間なら快適なんですけどねぇ。
  トイレ行くときにパソコンや資料をそのままにしておくわけにもいかず、トイレに行きたくなったらそこでアウト。
 *SOHO用のレンタルオフィス
  結構高いです。これではマンションの部屋が借りられる。共用スペースは安いんだけど時間制限(たとえば9時~18時とか)があって、ちょっとイマイチ。もう一声!
 *マンガ喫茶
  悪くはない。でも、友人やクライアントとミーティングしても不自然でない場所がいいなぁ(^ ^;

 こういう状況はやはりインディペンダントな友人にも共通したニーズがあるようで、いつも「ビジネスカフェ」構想で盛り上がるんだけど、どちらかというと自分で作るのではなく、誰か得意な方に作ってほしいものであります。
 よろしくお願いいたします。


正直に生きる

2005-04-08 01:03:01 | ヒト
先日、NHKの番組を何気なく見ていたら、三脚を肩に担いだ男がひざまで雪に埋まりながら歩いていた。
「あー、あった、あった」とその男が指差す方向には・・・桜。

むむ、こいつ、まさか、ナカニピ!?

笑顔の男がアップで映る。・・・やはりナカニピ!

ナカニピというのは、友人の中西くんのことである。
彼とはリクルートの新人時代、同じ部署に配属された、いわば同期の桜である。
根がまじめで信用できるいいやつ。同期7人の仲間うちの中では一番長くサラリーマンを勤めそうなタイプであった。
出張の激しく多い部署で、彼は歩く時刻表と呼ばれるほど旅程のプランニングに長けていたし、実際、旅行取扱主任者の資格も持っているほどの腕前。なぜ、こんなスペシャリティを持った男が、旅行代理店に就職しなかったかが不思議ではあるのだが、ともかく当時のナカニピはリクルートを選択した。

やがて彼は、新人配属仲間の中では意外にも最も早い退職。
次はどうするのと尋ねると、しばらくは旅行をしながらこれからのことを考えるという。
当時のぼくは、「おいおい大丈夫かよ」とか「そんなことは学生のうちに考えとけよ」という言葉が一瞬出かかったが、これから収入がゼロになる友人の意思決定に異論ははさめなかった。

その後ときおり、ナカニピから旅先でのメールが届いた。
いつのころか、旅のテーマが桜にフォーカスされ、その旅行資金獲得のため再就職もしたようだった。

彼の作った小さなサイト、「モバイラー中ちゃんの気まぐれ桜旅」は何十ヶ月も連続で花見をしているという酔狂だが、わかりやすいインパクトでさまざまなメディアにとりあげられ、ついにはNHKまでがという次第。

おそらく、世の中の大半の人は、生活にかかる費用を捻出するために「なんとなく」「フルタイム」で働いているのが現実だと思う。しかしナカニピは全く違う生き方を選んだ。そしてこのブログを読んでいる人の中にもナカニピの勇気ある選択について「うらやましいなぁ」「いいなぁ」と思う人は多いと思う。

だが、ナカニピの本当のすごさは2つある。
1つは、自分の人生において桜をもっとも重要なテーマと選び、その他の社会的要素、つまりもっと稼ぎたいとか、組織でえらくなりたいとかいう欲望を捨て去っていることである。こういうほとんど出家にも近い境地に凡人はなかなかに達し得ないものである。
もうひとつ忘れてならないのは、彼のテーマ設定がマーケティング的に優れているということである。春になれば老若男女を問わず、金持ちも貧乏人も、大学教授もヤンキーも桜である。季節に鈍感な現代人にあっても桜の季節感だけはいまだ健在。当然、春が近づけばメディアもネタを探してくる。梅や椿やチューリップではなく桜。ナカニピの純粋さの中に潜む優れた戦略を忘れてはいけない。