マロリーな日日(にちにち)

癒し系ソフト・ボトルメールの作者が、ガツガツ派では見えないゴロゴロ視点で、ビジネスの世界を観察していきます。

トホホな事業プラン #05・自分のアドバンテージがない事業案

2008-11-01 21:42:56 | 新規事業
アイデアはいいけど、それだけっていう典型例です。

たとえば、地域の口コミ情報をカーナビに連動させてみたら面白そうと発想する。
それが学生くんだったりすると、「これいいでしょ? 商売になりますよね」と、大喜び。

「うん、たしかに面白そうだね。で、この口コミコンテンツ搭載カーナビ事業をどうっやって実現するの?」とつっこんでみる。
「えーと、口コミは角川の『××ウォーカー』誌から持ってきて、カーナビ側はまずトヨタに打診して、ダメなら日産に行きます」

「なるほど、では君が角川やトヨタから、ビジネスパートナーとして認められる理由はどこにあるの?」
「えー・・・、意味がわかりません」と学生は困り顔。

「つまりね、この事業は角川とトヨタがやればいいのであって、君は両社からサンキューって感謝されるだけで、君ナシで事業は始まっちゃいそうだよね?」
「えっ、でも考えたのはボクですよ!」

「そうだけどさぁ、著作権や特許を行使できる内容ならともかく、アイデアだけでは仲間には入れてもらえないよ。両者から頼りにされるような技術力とか、質のよい口コミを集めるパワーとかがないと・・・」

アイデアマンの学生くんには不本意だろうが、どんなに素晴らしい新サービスを考えついても、それを執行するイニシアティブ(主導権)がどこかになければいけない。
事業を実現する上で、あなたはユニークなサービス案だけではなく、自分や自社の存在を必要不可欠な要素として成立させるアイデアをもださないといけない。
そこが、難しくて、楽しくて、切ないのだ。

かくいう私も、このセカンドステップというか、新規事業アイデアにおけるデスバレーが越えられず、お蔵入りした企画はものすごくあります。
ああ、パナソニックやセイコーの役員に知り合いがいればなぁとか。
・・・安直ですが。


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2 コメント

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Unknown (siraganoann)
2008-11-20 20:12:26
そうか・・・辛いんじゃね。
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いや~ (けんしんG)
2008-11-20 20:19:24
ブログ、更新されていたんですね!!ついうっかりで、拝見しておりませんでした。現在の学生さんにもトホホですが、アドバンテージをとるのは、確かに難しい。勉強になりました。

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