マロリーな日日(にちにち)

癒し系ソフト・ボトルメールの作者が、ガツガツ派では見えないゴロゴロ視点で、ビジネスの世界を観察していきます。

誰のための配慮

2005-05-29 02:11:59 | good/bad design
先日、バリアフリー対応が自慢という宿に宿泊する機会を得た。
部屋の入り口のスライド扉や、段差なく和室の部屋へ入れたり、風呂場の湯船へのスロープなどほほぉと思うことばかり。

なんでも手が届くような装置の配置に、1歳10ヶ月の娘が思わず、ナースコールならぬフロントコールボタンを押してしまったのにはご愛嬌。

そして深夜。奥さんと娘はぐっすりと熟睡の様子。私は娘が時々繰り出す強烈なカカト落としを顔や腹に受け、なかなか眠れずにいたのですのですが、それにはもうひとつの原因が・・・。

実は、「ピン、ポ~ン」という音が延々と聞こえてくるのです。
たしか、家族団らんのときにも同じような音が連続的に聞こえたので、そのときはてっきり隣か向かいの部屋に団体さんグループが頻繁に仲間の部屋へ出入りしているのかなぁと、思っていたのですが、違いました。

これ、表の駐車場から聞こえてくる。

この音は、視覚が不自由な方にとどまらず、車が出入りするところのある種の警告音というか、バリアフリーの一環なのですが、今の私にとってはどうでもいい話。
気になって眠れない!
9秒に1回、正確にピン、ポ~ン、と定期的に聞こえるので、かなりの拷問状態。

まぁ、しばらく悶々としていつの間にか寝てしまいましたが、
こんな山奥の宿で、一晩中、くそまじめにピン、ポ~ンしなくてもいいのではないかと。
せめて24時になったら音が鳴るのをとめるとか、昼間と(たぶん)同じ音量で流さずに、ボリュームを下げてくれるとか、ねぇ。

25時に駐車場に出入りするかもしれない、目の不自由な方への注意喚起も重要ですが、
この駐車場に面して、一晩を過ごす宿泊客数十名にも、ぜひご配慮のほど、よろしくお願いいたします。


紛らわしい充電器

2005-05-22 01:27:32 | good/bad design
我が家では現在、旅行時に3つの記録機器が手放せない。

・パナソニック製・ビデオカメラ:
Panasonic NV-GS70K-S デジタルビデオカメラ シルバー

松下電器産業

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・パナソニック製・ミニサイズデジカメ
Panasonic D-Snap SDマルチカメラ SV-AS10-D (オレンジ)

松下電器産業

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・キヤノン製・一眼レフデジカメ
Canon EOS Kiss デジタル・レンズキット(シルバー)[EF-S18-55mm F3.5-5.6 USMセット]

キヤノン

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いずれもお気に入りのグッズで、製品には大満足である。
が、旅行の前日となり、「よ~し、充電しておくぞー」とコンセントに次々と充電器を差し込むと、これがまた、???と戸惑いの連続なのである。

まず、ビデオカメラ。(写真参照)
これには、POWERランプと、CHARGEランプの2つがついてる。
コンセントに差し込むとまず、POWERランプが赤く点灯し、バッテリをとりつけるとCHARGEランプが緑色に点灯する。
「ん、このバッテリーはもう充電の必要ないのかな?」と一瞬迷うが、まぁ、しばらく様子をみようとバッテリはそのままつけっぱなしに。   
1時間もすると、CHARGEランプはいつのまにか消灯。

片や、隣のミニサイズデジカメ。
これはクレードルに、デジカメ本体を設置し、充電する方式。
クレードルにはCHGと書いているランプがあり、通電すると、ダイダイ色のランプが点滅を開始する。「うん、うん、充電している感じ」
このランプはしばらくして消灯。

さらにその隣の一眼レフデジカメ。
1つの窓に2つのランプがあるようで、赤いランプが2つ点灯する。
「うん、うん、充電している感じ」
これは、やがて2つとも緑色ランプが点灯状態となる。
「おー、充電完了。いや待てよ、隣の充電器のランプは消えて完了みたいなんですけど・・・」

まとめるとこんな感じ。

 <充電中>       <充電完了>
A.panasonic・ビデオカメラ
POWER:赤常灯       赤常灯
CHARGE:緑常灯       消灯

B.panasonic・ミニサイズデジカメ
 CHG:ダイダイ点滅    消灯

C.キヤノン・一眼レフデジカメ
 2つの赤常灯       2つの緑常灯


1つ1つの充電器の表示を冷静に眺めると、それなりに合理的な表示のように思えます。
また、おそらくpanasonic製品は、ランプが消えること=充電完了、のふるまいに統一されていそうな感じですね。

でもさー、ほんとうに戸惑うんですよねー。前の晩の充電ならとにかく充電しておけって感じで、バッテリを充電器につけっぱなしにして寝ちゃえばいいのですが、外出の前に、はたと充電に気づいたときなんて焦りますよね。

A.の場合、「あれー、バッテリないと思ったけど、緑ランプってことは充電不要だったかな?」と思っちゃいそうです。

個人的な感性からは、B.の表示が直感的にベスト。

C.は、なぜ2つのランプがあるのか意味不明。panaのビデオカメラの充電器のように2つの意味や機能を示しているのではないかと勘ぐってしまいますが、これ、ランプ故障時のバックアップなんですかね、やや無駄なような気も。
色覚に異常のある方で、赤と緑の区別が困難な場合、そもそもこのインターフェースは破綻しちゃいそうですが、いかがでしょう?

※参考:ユニバーサルデザインにおける色覚バリアフリー
http://www.nig.ac.jp/color/handout1.pdf

てなわけで、電機業界で充電表示の統一インターフェースをぜひ、B.方式でよろしくお願いいたします。

紛らわしいエレベーター

2005-05-14 16:41:05 | good/bad design
奥さんのアシスタントで今日も京都。
駅ビル内のJR京都伊勢丹におります。

(写真を見て)
さて、私はいま何階にいるでしょうか?

もちろん6階。・・・ではなく、実は11階です。
みなさんも経験ありませんか?
「あれ、ボタン押しているのに通り過ぎちゃったよ」なんて思っていると予期せぬフロア表示でチンと開いたりして、「ああ、あの表示はフロアじゃないのね・・・」ということが。

結構、多いですよね、こいういう、フロア表示ではなく、エレベーターの何号機なのかの表示のほうがバカでかいビル。
注意深く他のエレベータも観察すれば、こういう勘違いは起きないわけですが、それ以前に、乗客であるわれわれに全く何の関係もないエレベータの何号機かの表示を大事と考えるホスピタリティのなさが嫌なんです。

メンテナンス上、どうしてもエレベータの何号機かの表示がしたければ、関係者がわかる場所にひっそりと表示するとか、A号機とか、い号機とか数字以外のネーミングを施すとか、もう少しねぇ。

それにしてエレベータはどうしてこうもつまらないのでしょうね。
乗っていて楽しい、個性のあるエレベータをぼくなら設計したいです。
隣のエレベータの乗客とにらめっこができるエレベータとか、
ホーンテッドマンションのように、びろ~んと伸び縮みするエレベータとか。

エレベータメーカさんビル会社さん、ぜひ提携して、やりましょうよ、エレベーターアート!

減点だけの人生

2005-05-07 00:48:18 | good/bad design
できて当たり前の仕事はつらいと思った。

尼崎の列車事故で、期せずして「安全輸送」という言葉が注目されたが、このあまりにも当たり前なミッションをどう考えればいいのだろう。

想像だが、たとえば列車運転士の査定は、無事故だからといって高いポイントが与えられるとは思えない。せいぜい、「無事故10年間、ご苦労様」といった形式的な表彰ぐらいではないのかと思う。

逆に罰則はどうだろうか? オーバーラン、運行遅れ、ドア閉め忘れ発進など、賞賛要素の何百倍もきっと存在しているのではないかと思う。しかもその罰則の1つがあまりにも非科学的な「日勤教育」ではエラーやミスは一向に減らないだろう。

仮面ライダーに登場する悪の秘密結社は必ず部下を「恐怖」でマネージメントしていたが、JR西も同様に、彼らの目標を達成することはありえないだろう。

「ほめること、チャンスを与えることで人は伸びる」と考えているぼくのような人間は、日勤教育という不条理な罰ではなく、どうすれば運転士に科学的なフィードバックを行い、モラル的にも盛り上がってもらえるのかついつい考え込んでしまいます。


実はこの話、IT業界の私たちにも他人事ではないように感じるのです。
4月に施行された個人情報保護法も「当たり前」「減点だけ」という意味では全く同じ状況にあるのです。

・個人情報保護責任者になったので給料が上がった(手当がでた)
・個人情報が漏れなかったので査定があがった
・個人情報が漏れないようなシステムを設計したので査定があがった

・・・という人はたぶん、これからも存在しないと思うのですがどうでしょう?

「個人情報保護法」を代表とする、性悪説に立脚している運用システムとつきあうことは、疲弊することばかりですが、ナイスなマネージメントも同時に生まれることを願っています。