松下やシャープが昨年実施した春・秋の年2回発売が「勝利の方程式」として認知され、ソニーや日立も追随してきたという。デジタル家電の新商品開発・販売サイクルは年2サイクルになったということだ。 それは、人事・組織にどのような影響を及ぼすか?技術者達はますます忙しくなることは必至・・・?
しかしそのうち春・夏・秋・冬の4サイクルになるのではないだろうか?その時には?
まず、一つのチームが一つの商品を担当する方式では無理だろう。インテルのチップ開発のように、2チーム(あるいはもっと)が平行で仕事を行い、1チームが次の商品開発をしている間、もう1チームはさらにその次の商品開発に既に着手している・・・というように、する必要があるだろう。(次のようなイメージ)
シーズン1 シーズン2 シーズン3 シーズン4
チーム1: 準備 >> 開発 >> 準備 >> 開発
チーム2: 開発 >> 準備 >> 開発 >> 準備
そのような商品開発体制を想定すると、何が必要になるか?
- 同じ商品の商品開発をできるプロジェクトマネージャーが複数人必要なことになる。
- 商品開発のプロセスそのものを標準化して、誰でも商品開発のマネジメントができる・・・誰でも商品開発のプロジェクトに参画できる・・・ようにしておく必要もあるだろう。
- 今後開発される商品に関して、予測可能なロードマップを描く必要もあるだろう。技術の進展(プロセッサやメモリ、ハードディスクの進化)についてはロードマップが描かれているので、それに合わせて、5年後までの商品開発のロードマップが描かれており、技術者の間で(それを実現するという強い意思のもとに)共有されている必要があるだろう。それによって、足りない要素技術開発に先行的に着手することもできる。
- 商品のライフサイクルが短くなるということは、開発コストは変わらないであろう代わりに、販売期間は確実に短くなるわけだから、商品開発の資金調達のために売り方を変えなければならない。商品開発のロードマップに従って、売り方のロードマップを考えておかなければならないだろう。半年ごと、四半期ごとのサイクルで型落ち品になっていく商品をいかに売っていくのか/売らないのか。
以上、いずれにしても、 一つのロードマップに向けて、様々な機能/職能を持った人々が、必勝の意思を持って総力をあげていく必要があることは確かだろう。逆に、「一つのロードマップ」ということから弱みも生まれてくるし、他社が生きる道も出てくるし、そして、新たなイノベーションに基づく次世代商品の企画を誰が行い、経営に組み込むのか、という別の課題も生まれてくるのだろう。