人材マネジメントの枠組みに関するメモ
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セブン&アイ、ミレニアムの統合を、人口減という環境変化を背景に、これまでの業態区分による発想の壁を打ち破り、質の高い商品を価格を保ちながら販売する新しいモデルを構築するためのものとして、位置づけている。

セブン&アイの鈴木会長が、あくまでも、データを重視して消費者の隠れたニーズに対して仮説・検証のサイクルを回して商品政策を決定していく、セブン&アイ的な視点から語っているのが興味深い。すなわち、鈴木会長は次のように語っている。

「ミレニアムが入ってくることで、これまでにない情報が入ってくる利点も大きい。ヨーカ堂の衣料品で言うなら、百貨店の商品を並べるのではなくて、商品情報を共有することで大きな刺激を受けられる。」

この考え方を推し進めるためには、ミレニアム側でも商品情報や売上情報を整備していかなければならないし、また、情報を使いこなしながら消費者ニーズに対する仮説・検証を回していく姿勢や能力を、ミレニアム側にも浸透させていかなければならないだろう。そのような教育や行動変革を今後どのように進めていくかが鍵であることは間違いないだろう。イトーヨーカ堂やセブンイレブンでは、毎週の業革会議や店長会議を何年も何年も続けることによって、浸透していったことを考えると、今後の進め方が着目される。

さらに読み進めて、鈴木会長の発言の引用、

「今や僕は完全に、商売は御用聞きの時代に入ったと考えています。インターネットも通信販売も、消費者の自宅に入り込んで商売をするわけですから、ネット時代は御用聞きの考え方が大切です。」

・・・ん?これはどうだろうか?ミレニアムの(あるいは百貨店の)追求してきたものとは相容れない?相容れないということはなくても、別の軸ではないか。百貨店の売り場はザ・エンターテインメント、人を呼べる売り場、驚きを与えられる場所でなければならない、という和田会長の(百貨店の)価値観からすると、御用聞きというのは少々違和感があるのではないだろうか。消費者を先導していくことに、百貨店マンのプライドがあるのではないだろうか。

そういう意味では、セブン&アイはマーチャンダイジング(①最適な商品(Right Goods)②最適な時期 (Right Time)③最適な価格 (Right Price)④最適な量(Right Quantity)⑤最適な場所 (Right Place))に注力して勝負してきた会社である。これにプラスされるものは、陳列、販促、接客といった演出であり、それが、ミレニアム側が持ち寄る価値ではないだろうか。ミレニアム側が、百貨店の店頭で磨こうとしてきた、陳列、接客といった店頭の演出をどのように形式知化し、セブン&アイ側のメンバーに伝えていくか、それによってセブン&アイ側がどのように変わっていくかが注目される。

プラス新しい要素が加わっている。それはITの活用である。ITを活用することによって、セブンイレブンの店舗で百貨店の商品の注文ができる。取り扱い商品点数に限界がなくなってきている中での統合・・・



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