・・・を開けたら、次のパラグラフが目に入ってきた。
共産主義社会の第一段階と労働力商品化の止揚
・・・生産手段の私有制が廃絶されており、生産手段が共同所有されているそこでも、人々は工場とか農場とか事業所とかいった一定の経営体で働くのであって、個々バラバラに働くわけではありますまい。現場の技術的編成や協働作業の在り方を見るかぎりは資本制企業(いわゆる国営企業をも含む)の作業現場とさして違わないように一見されるかもしれません。しかし、さしあたり、労働に対する給付の態様、富の配分方式が決定的に相違するはずです。
今こそマルクスを読み返す 廣松渉著 講談社 P.242
なお言うまでもなく、現在最大の生産手段は「情報」であり、そして情報の私有制は事実上廃絶されつつあると言っていい。