人材マネジメントの枠組みに関するメモ
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日経BP社が実施したアフターサービス満足度調査のまとめ記事。読まれた方は感じたと思うが、何とも酷なまとめ方ではある。アマゾン・ドット・コムのアフターサービスのランクが低くて「アマゾンにも死角あり」と言ってみたって、それはちょっと違うだろう。アマゾンにアフターサービスを期待している人がいるのならば別だけれども・・・

そして、アマゾンも電話サービスを始めるそうであるが、それは、アマゾンが健康器具など、販売者責任がより問われる商品を扱うようになったことと無関係ではないだろう。だからそれは、サービスが向上するということでは、おそらく、ない。

(言い換えれば、自社が顧客に約束している価値の提供(=満足の提供)に向けての活動の連鎖の中で、アフターサービスがボトルネックになっているのであれば、それは甚大な問題だが、そうでなければ、大した問題ではない。)

さて、そして、ネット通販、マンション、デジタル家電、石油温風器、・・・と話題性のある商品のアフターサービスの論点が紹介され、最後、次の15分野:

クレジットカード、生命保険、自動車の任意保険、オンライン証券、旅行サイト、インターネット通販サイト、新築マンション、自動車、デジタルカメラ、パソコン、薄型テレビ、DVDレコーダー、携帯電話・PHS、エアコン

ごとにアフターサービスのランキングが出ているのだが、あまり意味のあるランキングとは思えない。それぞれの分野別のランキングを目を凝らして見た人はほとんどいないのではないだろうか。

以上のあまりピンとこない印象を総括してしまうと、次のようにまとめられるだろう。

  1. アフターサービスという言葉がどうやら死語になりつつある。販売前も、販売中も、デリバリ中も、アフターも、そして買い替えも、全部ひっくるめて、「対象」のライフサイクル全体を通した満足度を問わなければ意味がない。
  2. しかも、ライフサイクルを問うべき「対象」とは、「物」や「商品」ではなくなりつつある。「物」や「商品」の分類単位の意味がなくなりつつある。たとえば、自動車のアフターサービスで任意保険をカバーしたり、あるいは、販売店のサービスでメーカーのサービスをカバーしてしまう、という場合もあるだろう。

・・・とはいえ、ここには、ユーザー側、購入者側から見た問題点がたくさん指摘されていることは確かなのであるから、物やサービスの購入に関わる問題をどのように整理したらよいか、見通し良く再整理したところに、新しい価値創造の道筋が開かれることは明らかである。

個々の「物」や「商品」からは最早はみ出している、「約束の単位」ごとに、満足度が問われる。「約束の単位」とその「約束の内容」が明確になればなるほど、約束の提供者側も、また購入者側も、その「約束の内容」に対して、鋭敏になる。だから、その「約束の内容」は、ますます高いものになり、そしてますます、より高いレベルで守られるようになる。 正のフィードバックが働く。だから「約束の単位」が鍵である。

では、その「約束の単位」とは何か。

そこに来ることになるもの、現在最短距離にあるもの、は、「ブランド」であろう。

そして、「ブランド」は、個々の法人である企業の壁を超える。組織の壁を越える。そのことが組織論、人材論、報酬論に対して意味するものも大きい。



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