ぴよこ日和

いらっしゃいませ。
きたむーです。
お芝居、ライブ、お笑い大好きです。

ジェミニの方舟~東京大洪水~

2008年09月18日 | 読んだ
9月18日(木)

台風のシーズンですね。
今、この時にも台風13号が南九州を襲っています。
そんな嵐の渦中に読んだのが、高嶋哲夫さんの「ジェミニの方舟~東京大洪水~」。



高嶋作品との出会いは2年前。
「M8」と言う本を本屋で見かけて、なんてカッコ良い装丁なんだって思ったのが始まりですね。
当時、図書館でも装丁の良さだけで本を借りて読んでみるという事をしていたので、これはぜひ読まねば!と図書館にリクエストして借りて読んだのです。
中身は装丁の100倍カッコ良かった!
東京で起こる大地震を予知したオーバードクターの話で、何とか一人でも被災する人を助けたいと奔走する話でした。
で、この「ジェミニの方舟」。こちらはその洪水版なのですが、M8に出て来た人物が出て来たりと、リンクしたつくりになっていました。

赤道直下に出来た小さな台風23号。
それが海面温度の高さのせいでどんどん大きくなり、日本に接近する。
一時は太平洋に向かったと思われた台風23号だが、迷走し東京へ向かい始める。と同時に新たに出来た台風24号と合体し、史上初の巨大台風に成長してしまう。
東京の0メートル地帯にある荒川が氾濫すると、東京中が水浸しになり、被害は想像もつかない事になる・・・。
一介の気象学者である玉城が予想した「荒川防災研究」という論文が、現実のものとなっていく、その恐怖。

単なるパニック小説ではなく、親子、夫婦、兄弟の関係がうまく描かれていて、かなり読み応えありました。
高嶋さんは取材に力を入れられる方だそうですが、作中に出て来たスーパー堤防などが実際にあると知ると、やっぱりおおーって思いますね。
高嶋作品はもう十数冊読みましたが、これはかなりレベルの高い作品だったと思います。
ああ、至福。

大体において、こう言う天災が起きた時に、日本の政治家たちの動きは遅いですよね。
自衛隊を派遣したり越県したりする事が、誰かの顔を潰すだの、責任が取れないだのと・・・。
何よりも人の命が大事って事を考えて欲しいですが・・・国民の健康を守らなくてはならない厚生省が、薬害で訴訟起こされたり、年金問題でグズグズしていたり。
ほんの江戸の昔には「お互い様」と相身互いに暮らしていた日本人なのに、いつからこんなに「自分さえよければ」の人間性になってしまったんでしょう。
悲しいですなぁ。
コメント
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