坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

視覚の実験室 モホイ=ナジ/イン・モーション

2011年09月09日 | 展覧会
マルチメディアアーティストというと現在では聞き慣れてきた感がありますが、アートとテクノロジーを融合した視覚の実験室を試みたハンガリー出身のモホイ=ナジ・ラースロー(1895-1946)は、ジャンルを超えた多彩な作品を発表した一人です。
本展は、その作品の全貌を伝える日本初の回顧展となります。代表作であるキネティック彫刻「ライト・スペース・モデュレータ」をはじめ、初期の人物デッサンから、構成主義絵画、バウハウス時代のフォトグラム、さらにドキュメンタリー映画、タイポグラフィなど商業デザインの仕事にいたるまで、約270点の作品が展覧されます。
・掲載作品は、「スペース・モデュレータCH 1」1943年 DIC川村記念美術館蔵
©2011 Hattula Moholy-Nagy
51年の短い人生の中で、母国のブタペスト、ウィーン。ベルリン、アムステルダム、ロンドン、シカゴ他に移り住んだモホイ=ナジですが、どこにいても、新しい素材に挑戦し新たな視覚に挑戦し、アートとテクノロジーを融合した「光と運動による造形」を目指しました。

◆〈モホイ=ナジ/イン・モーション〉/9月17日~12月11日/DIC川村記念美術館(千葉県・佐倉市)

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