坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

キトラ古墳壁画

2014年02月25日 | 展覧会
古墳壁画は、古代、中世のロマンを育みます。
奈良県明日香村のキトラ古墳(特別史跡、7世紀末から8世紀初め)の極彩色壁画が東京で特別開催されます。
「四神」のうち、朱雀、百虎、玄武、獣の顔と人の体を持つ「十二神像」のうち、子・丑が展示されます。
壁画の発見以来、明日香村以外で公開されるのは今回が初めての機会となります。
キトラ古墳における壁画の発見は1983年で、本古墳は、高松塚古墳に次ぐ我が国2基目の大陸風壁画古墳であることが明らかとなりました。
キトラ古墳石室の内面には、厚さ数ミリの漆喰が塗られ、壁に四神および獣頭人身の十二支、天井に天文図及び日月像が描かれています。これはいずれも中国の陰陽五行思想に基づいて石室を一つの宇宙に見立て、被葬者の魂を鎮めるものとされています。
掲載の朱雀は、南壁に描かれ、長い尾羽をなびかせた堂々とした姿と大きく見開いた眼の描写が特徴となっています。

◆キトラ古墳壁画/4月22日~5月18日/東京国立博物館 本館特別5室

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