坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

ちょっとエロ可愛いマン・レイ展

2010年07月14日 | 展覧会
今日から公開されるマン・レイ展(国立新美術館)のプレス・プレビューに行ってきました。ニューヨーク、パリ、ロスと活動の場を広げながら、ピカソやダダのデュシャン、シュールレアリスムのエルンストらとの交友から触発された作品、詩人のポール・エリュアールとの本の共作、エバ・ガードナーら華やかな女優陣のポートレイトなど、写真家としてだけでなく絵画やオブジェ、ドローイングなど創作の枝葉を広げていった全容が展開されています。モダニズム全盛期の時代の中で、大実験ではなく、遊び心をもって実験的姿勢を貫いたマン・レイは、芸術仲間にも刺激的な存在であったと想像できます。
黄金の唇やハート、手や足など身体的な部分をモチーフとして、ちょっとエロ可愛い現代的要素も垣間見られます。何事もバーチャルな時代に入ってきた現代、触覚的で身体的な感覚が魅力となっていると感じられます。

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