坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

クワイエット・アテンションズ 彼女からの出発

2011年02月23日 | 展覧会
水戸芸術館の現代美術ギャラリーは、水戸市との連携で現代アートの発信力を持ち続けています。地方自治体の活性力として現代アートの活用は、金沢21世紀美術館が近年では話題になっていますが、その先駆けと言えるのではないでしょうか。
本展は、また独自の企画力を感じさせる内容となっています。女性アーティストの近年の活躍は目覚ましいものがありますが、その精神の内奥に迫る、国を超えた同時代性を打ち出すものとなっています。韓国、ブラジル、インドなどから9カ国、14作家の作品の多様な素材の展覧です。従来は女性性、ジェンダーの問題がアートの上でも先行する場合がありますが、これらの作品ではよりしなやかに、それぞれの国の民族的固有性を自在に生かしながら作品へと昇華していきます。
・掲載画像は、インド人アーティストのランジャン・シェター「太陽〈しゃみ人、光の泡を吹く〉です。
自然の植物の実などの染料や蜜ろうなどを使ってインドに伝わる手工芸を生かしながら、空間に光の輪のインスタレーションをつくりだしています。

◆クワイエット・アテンションズ 彼女からの出発/開催中~5月8日/水戸芸術館 TEL 029-227-8120

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