坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

東京国立博物館×凸版印刷×海洋堂

2012年03月12日 | 展覧会
今年創立140周年を迎えた東京国立博物館の記念プロジェクトの一つとして、凸版印刷との協力による重要文化財「洛中洛外図屏風(舟木本)」(江戸時代・17世紀初め 六曲一双)実物大複製が制作されました。海洋堂との共同による「考古学ミニチュア カプセルフィギュア」などの3月20日の発売を前に発表会がありました。
洛中洛外図は、室町時代に登場したやまと絵屏風の主題のひとつで、京都の町中のにぎわいや郊外の寺社などの名所のありさまを描くものです。今回複製制作された作品は、鳥瞰図による壮大な構成で、景観は桃山時代の豊臣家が滅びる直前と考えられ、戦国の荒々しい気風を残しながらも、統一と繁栄に向かう京都の社会が活写されています。
高精細デジタルアーカイブを活用し、色彩の再現と精緻な人物の細部まで再現、2500人以上の人々の動勢が生き生きと映し出されています。この実物大の複製画は、今年度の特別価格として250万円で発売されるそうです。



ご存じのようにフィギュア製作を、ガレージキットや食玩でホビーの世界に革命を起こした海洋堂のトーハク初の公式オリジナル文化財フィギュアが誕生します。銅鐸やはにわ、人面付土器など、ガチャガチャのカプセルベンダーマシンでもう一つのかわいい本物と出合えます。(全6種で、1回400円です)

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