坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

大谷有花 無意識の対話

2010年08月03日 | アーティスト
大谷有花さん(1977年~)の「ウサギねずみ」シリーズの一作「ファイバリット」(2009年)です。「キミドリの部屋」シリーズなどで、7年前にVOCA賞奨励賞他を受賞するなど注目され、ファンシーな具象絵画の扉を開いています。
2010年「第2回絹谷幸二賞」を受賞した作品でも、シンメトリックな構成で本の上に載った2匹のウサギねずみが向かい合っています。アニメチックな雰囲気がありますが、油彩で繊細なトーンが生きています。
今美術表現は多様にメディアを広げています。その中にあって具象表現をツールとして、個々の内面との対話を可視化する、見えないものをイメージすることへのこだわりが伝わってきます。ケータイ小説やブログなどと共通する現代性を感じます。

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