坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

空書/KUSHO 写真の現在

2010年06月06日 | 展覧会
ぱっと見ると抽象絵画のようです。写真家丸山晋一さんの「空書」シリーズの1作です。
水などの液体をとらえる超高速撮影を得意とする経験を生かして、墨と水を天空にまき散らした一瞬の景を撮影したものです。筆と墨による空間のパフォーマンスを続ける中で禅の奥義の象徴である「円」を天空に描き撮影することへと進んでいきます。
東京ミッドタウン(六本木)のガレリアで、写真と暮らす楽しさを提案するアートフェア「TOKYO LIFESTYLE PHOTO」に参加しているSTYLE MEET PEOPLE で出会った作品です。
今、写真はコンテンポラリーアートの部門では欠かせない表現媒体となっています。丸山さんの写真作品は高速カメラの進歩によるものですが、その原理は原初的な生命の発露を感じさせます。

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