坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

プーシキン美術館展 フランス絵画300年展

2010年11月25日 | 展覧会
来年前半期に開催される展覧会の中で、「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」展は、華やかなフランス絵画の歴史をたどる注目すべき展覧会の一つです。18世紀エカテリーナ2世の啓蒙主義から始まり、19世紀ロシアの二大財閥、シチューキンとモロゾフの蒐集により質の高い印象派の作品群が形作られました。
17世紀古典主義のプッサンから18世紀ロココ様式のブーシェ、新古典主義のアングルを経て、19世紀後半のモネ、セザンヌら印象主義、ゴーギャン、20世紀ピカソ、マチスへと辿っていきます。アカデミズムに対抗して勃興した印象主義がどのようにして起こったのか、印象主義を土台として生まれた抽象への過程を生きた美術史として展開します。
プーシキン美術館展はこれまで何度が開催されてきましたが、今回は、ルノワールの「ジャンヌ・サマリーの肖像」が初公開。バラ色を主調色とした明るいタッチの色彩の輝きが発揮されています。

◆プーシキン美術館展 フランス絵画300年 /4月2日~6月26日/横浜美術館他2会場

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