クレーの作品から色彩の音階を聴く、そして音楽の形式はカンディンスキーら、純粋抽象画へと導いていくわけですが、日本画の世界に目を向けると音楽的リズムを構成的秩序へと発展させた大家がいます。その中で、東山魁夷はシューベルトに傾倒し、創作においてバロックからロマン派まで音楽的な作調、心理的な内面を感じさせる音楽的志向がありました。魁夷は内省的な自己の心をみつめる画家でした。幼い時から青年期まで病気がちで挫折と苦悩の日々の中で〈自然の変化の中に身を置き、私は生かされている。野の草と同じである。路傍の小石とも同じである。〉という死生観の中で描くことを生の証としていきます。対象を描くにあたって細かいスケッチを重ねて、本画では余分なものを排除した省略化、簡潔化によって詩情豊かな世界へと誘います。長野県信濃美術館 東山魁夷館において「絵のなかのリズム」をテーマに、竹林の「夏に入る」など魁夷作品80展が並びます。(6月3日~7月13日)
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