坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

内と外 新たなアートの展開

2012年05月01日 | 展覧会
原宿の表参道に面したビルの最上階にある、エスパス・ルイ・ヴィトン東京。フランス人作家の個展に続いて、日本作家のグループ展「COSMIC TRAVELERS-Toward the Unkoown」に終了間近の駆け込みで行ってきました。
開放的なガラス張りの会場には、原口典之さんの油を張った直径3mのプールが存在感を放ち、後方の2点も新作の「Triad」シリーズの作品です。無機質的な物質がどこかなまめいて見えるのも光あふれる空間のせいでしょうか。
世代の異なる5人の現代美術家の中で、最も若い佐藤允さんは、横浜トリエンナーレにも出品して話題となった作家ですが、今回の壁面に展開した精細なドローイングも勢いがあり、現代のキース・へリングのようで面白かったです。
一方、銀座のメゾンエルメス8Fフォーラムでは、山口晃展「望郷ーTOKIORE(1)MIX」が開かれ、この展覧会も今月の中旬までです。平安絵巻の視点で現代のTOKIOの山水を描くスケール感と現代の空間がリミックスして新鮮な印象をつくりだします。

◆「COSMIC TRAVELERS-Toward the Unknown」/6月6日まで/エスパス・ルイ・ヴィトン(表参道)
  山口晃展/5月13日まで/メゾンエルメス(銀座5丁目)

以前高島屋の個展開催でご紹介した向山裕(むこやま・ゆたか)さんのサイトをお知らせします。
とても興味深い作品も閲覧できますので、チェックしてみてくださいね。
http://mukoyama1.web.fc2.com