坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

ササビーズNY モディリアー二裸婦に過去最高落札

2010年11月24日 | 展覧会
だいぶブログをお休みしてしまいました。できれば取材記事のホットな面を出したいと思っていますが、通常の原稿や身辺のことで追われてしまいました。よろしかっら今まで通りチェックをよろしくお願いします。
「月刊美術」(12月号)のオークションニュースからですが、世界的なオークション会社ニューヨーク・サザビーズの活況を知らせるニュースが飛び込んできました。
モディリアー二「安楽椅子の裸婦」1917年の作品が、これまで彼の作品中で最高額となる55億円超で落札。縦1メートル、横65センチの大作で、背景は茶褐色に顔を少し横に傾け、足を組んだポーズ。少しふっくらとしたモデリングで、この画家特有のデフォルメで裸婦のシャープな輪郭が際立っています。エコール・ド・パリの画家として、彫刻から出発しご存じの通り悲劇的な死をとげたモディリアー二ですが、この時期に描かれた裸婦像のシリーズは力強く、芸術への魂を感じ取れます。
11月初めのこの絵画のセールでは、マチス「安楽椅子の踊り子」という背景の白黒の格子に黄色の安楽椅子に腰かけた華やかな色彩空間の作品が約16億超で落札。他にモネやピカソなど巨匠たちの代表作も安定した高落札となり、ニューヨーク市場の活況を伝えました。