坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

ぐるっとパス利用で、もう一つのアートとらいあんぐる

2010年10月16日 | アート全般
今月の27日の読売新聞・朝刊(東京地区)になるのですが、〈秋の東京散歩〉という東京の美術館特集記事が出ます。これは〈ぐるっとパス〉という東京の美術館、博物館共通入場券と割引券がついたチケットブックで都内70の施設で利用できる企画と一体となっています。今年で3回目となるそうですから、ご利用になられた方もいらっしゃると思います。
この美術館案内の記事に私が少し関わっていまして、先日虎ノ門のホテルオークラにほど近い智(とも)美術館に取材を兼ねて行ってきました。近・現代の陶磁器専門美術館で、八木一夫、加茂田章二など陶芸通の方ならご存じのお名前で日本を代表する陶芸家の方から現代作家を育てる大賞展なども開催されています。
穏やかなライティングの演出で一つひとつの作品を光の交差の中に土の肌合いの変化を見せていました。ここのもう一つの特徴は、ガラス越しに庭園を望むレストランも含めってゆったりとした敷地にあることで、都心にあって本当に贅沢な感じがしました。
この地域ではホテルオークラに隣接する大倉集古館、泉屋博古館と日本、東洋美術の優品を集めた3館が徒歩圏にあり、〈アートのとらいあんぐる>として、より親しんでもらおうと企画中だそうです。
六本木の国立新美術館、森美術館、サントリー美術館のトライアングル構想とはまた一味違った、和のとらいあんぐるをこの秋、ゆったりと味わってみるのもいいかもしれません。