漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

彼ならば

2013年07月11日 | 歴史


来年の大河ドラマは、黒田如水だそうだが、
江戸時代の書物に、
彼の臨終の場面を取り上げた逸話がある。

なお文中の「筑前守」は、如水の長子、長政。

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黒田如水、病重く、
死ぬ前の三十日ばかりの間、
功臣、重臣を問わず、ののしり辱しむ、

諸臣驚きて、
さては一代の英傑も、ご高齢ゆえのご乱心かと嘆き悲しむ。

これを諌(いさ)め得るは
二代筑前守殿なるべしとて、長政に達す。

長政すなわち父の枕元に進みて、これを諌む。

如水、長政の耳を取りて小声に云れけるは、
「これ汝が為なり、我が本心にあらず、
諸臣にあかれて、早く筑前殿の代になれかしと思わせんためなり」と申されしとぞ。

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似たような話は他にもありそうなので、史実かどうかはあやしい。

しかし、「如水ならありそうな」と思わせる処が、この種の逸話の値打ち。







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