漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

田口ゆかり

2016年11月17日 | テレビ 映画 演芸

むかし、「泥の河」と云う映画があって、
当時、かなりの話題になりました、原作が宮本輝さんの小説。

その中に、船上生活者の家庭が登場するんですけど、
文字通りの「浮草暮らし」ですね。

わたしゃそれまで、
日本の近代にそういう人たちが居たことさえ知らなかった。

その船上生活の家庭に生まれた少女の、
生い立ちを記したネット記事を先日見かけましてね。

昭和34年、
少女を産み落として間もなく、母親は家出、

彼女、三歳の時、大工だった父親が、仕事中に転落して死亡、
それからは、生活保護を受けながら祖母との暮らし、

中学生のころから水商売を経験し、
シンナーや売春などの非行もあって、少年院へ。

二十歳で結婚するが、
昔の仲間に誘われ、エロ本のモデルに、

処が、
折からのビニ本ブームに乗って、たちまち人気者に。

以後、アダルトビデオや裏ビデオのスター「田口ゆかり」としての時代を経て、

ストリッパーから、ノーパン喫茶、のぞき部屋、
ついにはソープランドと、

オンナのやれることは皆やって、
ケイサツの厄介になったことも何回か。

すさまじい生き方ですが、

でも、この人、
他人を傷つけたことは、ないんですよね。

いや、それどころか、
むしろ数多の男を“なぐさめた” 人 なんです。(笑)

アリスの谷村新司さんなど、
「青春をくれた特別な人」と、語ってるぐらいですからね。

はるかむかし、
「わたしは泣いています」と云う曲が大ヒットした歌手、

「リリィ」さんの訃報に接して、

彼女が、深夜食堂と云うテレビドラマに出た時、

いまは引退して悠々と暮らす、
「元・ストリッパー」と云う役を演じておられたことを思い出しましてね、

リリィさんから、深夜食堂、
元・ストリッパーから田口ゆかりさんへと、ネットの旅で行き着きました。

リリィさんも親との縁の薄かった人のようですが、
テレビなんかで知る限り、悠々と生きてるように見えました。

田口ゆかりさんも、外から見れば、
大変な人生だったけど、

案外、御当人は気楽に、「楽しく生きて来た」のかもしれないナ。

今、生きていれば57歳だそうです、
どうしてるんでしょね、楽しく暮らしておられたらいいですね。







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