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モノラルカートリッジに新製品! vol.3

2019-04-14 | レコードプレーヤー
『モノラルカートリッジに新製品! vol.2』の続きです。

米国GRADO社の新モノラルカートリッジ『Mono Phono Prestige 2 Specialty』をご紹介します。



そもそも、モノラルカートリッジが必要なのでしょうか?

ステレオカートリッジでモノラルのレコードを再生すると・・・当然モノラルの音が聴こえます。

だったら、ステレオカートリッジで良いのでは?・・・という意見があります。

確かに音は出るのですが、モノラルの本来の音ではありません。

ステレオレコードでも信号が刻まれた溝は片面1本しかありません。

1本の溝に左右の2chの信号を刻まれているのですが

これは45-45方式という方法が使われています。

これは音楽信号が入った溝の内側と外側にLR別々の信号を刻み、

それを取り出してから合成する方法です。

ウエスタンエレクトリックが開発した方式です。

それに対して同じような時期にデッカが開発した方式がV-L方式です。

溝の片面にはLchとRchを合成したもの、つまりL+Rが刻まれています。

もう片面にはL-Rが刻まれています。

この2つの信号を足すと、(L+R)+(L-R)=L+R+L-R=2L

2つの信号を引くと、(L+R)-(L-R)=L+R-L+R=2R

となり、見事に左右の信号が合成されます。

そんなめんどくさいことをするくらいならそれぞれに左右の信号を刻めば・・・と思いますが

この場合、少しでもカートリッジの取付が傾いたり、

インサイドフォースキャンセラーの調整ができていないと

左右のチャンネルで音量差が発生してしまいます。

もし片面の溝が反対側の90%の音量しか出ていない状態だったとすると

(L+R)+0.9(L-R)=L+R+0.9L-0.9R=1.9L+0.1R

(L+R)-0.9(L-R)=L+R-0.9L+0.9R=1.9R+0.1L

となり、10%だけ左右の音が混ざってしまいますが、左右のスピーカーに音量差はでません。

私はこちらの方がうまい方法だと思うのですが・・・。

現在はV-L方式が使われていますが

どちらの方式でもステレオカートリッジというのは

ピックアップした信号から疑似的に左右の音を作り出しているのです。

それに対して、モノラルカートリッジは1本の溝に1ch分のモノラル信号しか入っていないわけですから

ただそれをピックアップさえすれば、それがそのまま音楽信号になります。

つまり、ステレオは作られた信号、モノラルはピックアップした信号そのもです。

こういった処理をアナログ的に行っているわけですから

ステレオレコードはステレオカートリッジで再生しなければしょうがないのですが、

モノラルレコードは専用のモノラルカートリッジを使用したくなります。

さらにはスクラッチノイズの問題があります。

スクラッチノイズとは・・・次回に続きます。



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今日の上石津の桜です。



散り始めています。まもなく終わりです。



場所は3月22日の記事をご覧ください。
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