前の記事で、ウェットパレットについて書きましたが、
見た目も深さが微妙に違います。
ウェットパレットに保存したアクリル絵具を、次は小さなパレットに入れて混色して絵に使います。
混色の都度、いちいちチューブから出さずにすむので、
アクリル絵具をウェットパレットに出しておくと
絵具の量の加減がしやすく、絵具の無駄を避けられます。
ゼリーとかアイスクリームの空き容器を使ったり、牛乳パックを開いて使うと
アクリル絵具がついても、そのまま捨てられます。
ただ、ハッチングに使う絵具は大量にはいらなかったりしますから、
容量の少ない容器で、筆の絵具を絞りながら、水分調節して画面に描きます。
そんな時は、使い捨てできる簡易パレットが市販されています。
左がダイソーで10枚入り、右がターレンスで5枚入りです。
価格は倍くらいターレンスの方が高いです。
ダイソーのは塩化ビニル樹脂、ターレンスのはポリスチレンです。
ダイソーの塩化ビニルはラッカー、エナメル、アクリル系や油絵具溶剤に使えるそうですが、
ターレンスのポリスチレンはベンジンやシンナーには弱いそう、、
けれど、ポリスチレンは焼却時に有害な塩化水素ガスの発生がありません。
ダイソーのは塩化ビニルですから、焼却時に塩化水素ガスが発生するわけです。
価格が安いのを取るか、価格は倍でもエコな製品にするか、なのですが、
私が選ぶ基準は、
いかにストレスなく筆で絵具をすくえるか、なのです。
結果として、私はターレンスのパレットを選びます。
私個人の使用感ですから、ターレンスを強くお勧めしているわけではないことをご了承くださいね。
なぜ、ターレンスかというと、エコ云々ではなく、
パレットの深さなんです。
ダイソーのは7ミリ、ターレンスのは11ミリの深さです。
この4ミリの差がターレンスを選ぶ理由です。
見た目も深さが微妙に違います。
また、右のターレンスは丸と四角です。
この四角の角でハッチングの水分を調節できるんです。
丸では決まらなくて、四角の角だとうまくいく。
これは、私のやり方ですから、人によって違うと思います。
ターレンスジャパンは日本のヌーベルとサクラも含んだ絵具屋さんです。
新幹線からターレンスの看板が見えると、すごくうれしいです😃
ちなみに、販売終了したらしいホルベインのパレットブランド、ミッキーのプチパレがとてもよかったのですが、
今はネットでは買えなくなりました。
画材屋さんには在庫があるかもしれません。
↑丸と四角が交互にあるのが便利でした。丸で混色を作り、四角の角で筆の水分調節をして画面に持っていけました。
また、別バージョンで広い四角と三角の組み合わせが二面で1枚というのもありました。
間にミシン目があり、手で切ることができました。
こういう使い捨てパレットは子どもたちの写生会とか絵画教室で使われてきましたから、
子どもの数が減り、需要がなくなってきたんですね。
日本画の溶き皿もプラスチックが現れた時、私の日本画の先生たちはショックを受けていました。
けれど、絵画技術が伝わるためには、
絵具や道具の変化があったとしても、
その時の絵具や道具を使って伝えていくべきだと私は思います。
絶滅危惧種の道具もあるのですが、私が手に入れておきたいので、申し訳ないけど、公表はしません。😊
実際に描いてないと、その利便性が理解できない道具です。
画家それぞれのこだわりがありますね。
ちなみに、使い捨てパレットではありますが、
1回使って捨てたりしないで洗って、
私は穴が開くまで使ってから捨てます。
うまく洗えば、5回くらいは使えます。
ダイソーのパレットも使いますね。