
チョッパーが、ゾロ以外で一番先に鍵を手に入れそうだと思ったサンジは、苦戦を強いられていた。
相手が『CP9』唯一の女性、カリファなのだ。
カリファの部屋で誘われるまま、うっかりお茶を3杯も飲んでしまったサンジは、彼女の【恋の罠】に勝手にはまっていた。
相手が世界政府の戦闘諜報部員『CP9』であり、そうしている間にもロビンが"地獄"へと近づき、一刻も早く助け出さねばならない事もわかっている。だが、サンジはどうしても・・・どうしてもカリファに攻撃を出せないでいた。
カリファの【六式】である【剃】や【嵐脚】に、サンジの身体能力はついていき、闘いの中で一発を決めることは出来るのだが・・・・どうしてもサンジの"騎士道"が、ストップをかける。
敵に一発を決めたつもり・・・で実際の攻撃の手を止めてしまうサンジに対し、力では負けるカリファが、簡単にサンジに反撃の一撃を入れる事ができた。なにせ、攻撃してこないのだから、カリファが負けるわけがない。

カリファは「海賊のくせにとんだ意気地なし。面白いことしてあげましょうか?_反撃しなきゃ助からないわよ」と、サンジのネクタイを引っ張って、自分の方へ引き寄せた。
その頃1階の「迎賓フロア」では、ナミが「クマドリ」に捕まっていた。
クマドリの武器は、自由自在に伸びて動かせる事が出来るピンク色の長い髪だ。
その髪に全身を巻き込まれ、首を絞められたナミは脱出のしようもなく、意識が遠のきつつあったところを、チョッパーの【刻蹄・桜(こくてい・ロゼオ)】で助けられた。

ナミは、クマドリに捕まった瞬間に鍵をスッていたので、あとは逃げるのみ。
しかし、クマドリから奪った鍵は「3番」で、チョッパーの探すゾロとそげキングの「2番」ではなかった。
ナミとチョッパーが逃げた先へ、ガラスのようにツヤツヤの”変に形”になったサンジが落ちてきた。

ナミがサンジが落ちてきた先を見上げると、そこには『CP9』のカリファがいた。
ナミは険しい顔でサンジに聞く。
「サンジ君・・・本当にまともに戦って勝てなかったの?あんた女に甘いもんね!!」
サンジは言った。
「・・・たとえ死んでも、おれは女は蹴らん・・・!!!!!」

ナミは呆れて、「・・・ばかね、ばか!!」と持っていたクリマ・タクトでサンジの頭を叩くと「逃げ出す事も”騎士道”に反するなら、せめてそっちは捨てなさいよ!!ムダに死ぬ事は話が別よ!!あの女は私に任せて!!!容赦しない。・・・それとあんたの”騎士道”、少し見直したわ」と声をかけた。

ナミは、ぐっと上を向くとカリファに言った。 「私は、優しくしないわよ!!」
カリファも受けて立った。 「私もよ、気が合いそうね」
そこに追いかけて来た「クマドリ」が追いついた。
チョッパーは、クマドリに蹄で【十字架(クロス)】を打ち込んで足止めすると、ナミに声をかけた。 「ナミはあの女を!!こいつはおれが何とかするかよ!!」