
その頃、宮殿周辺では広場を狙う砲撃手を探して、ビビと”麦わらの一味”が走り回り、ベルは空から探していた。どうな満身創痍であろうとも、どんなに血が流れていようとも、どんなに疲れていよとも、こけても倒れても立ち上がっては探し続けた。

ビビはふと気がついた。砲弾の隠し場所は、広場を見下ろす"時計台"に違いないと。子供の頃に『砂砂団秘密基地』としてよく忍び込んでは怒られたあの場所なら、広場が一望できる・・・!!
それは赤い狼煙で”麦わらの一味”に伝えられ、ボロボロの体にムチ討って皆は全速力で時計台へと駆けつけようと走った。
行く手には戦闘に紛れ込んだバロックワークス社のビリオンズ達が邪魔をして、思うように先に進まない。そのビリオンズを倒し、ビビ達の援護をしつつ先を急ぐよう言ったのは、たしぎ曹長率いる海軍だった。

クロコダイルや、ニコ・ロビンの強さと思惑を知った海軍兵達は、何が「正義」であるのかは正直わかりかねていた。ただ自分に正直に、今すべき事を最優先させた結果が、海賊”麦わらの一味”の援護であったのだ。
それが、広場の爆破とこの国を救う唯一の道であることだと彼等はわかっていた。
道に迷うゾロに、海兵達が目的地である広場の方角を教えた。
一番狙われるビビと重傷のウソップは、たしぎ曹長率いる海軍に助けられながら、時計台の下へと急いだ。
砲撃まであと1分半。
走りながら、悲惨な戦闘に目を奪われるビビを、ウソップは叱りつけた。「バカ!!!余所見するな!!祈ったって砲撃は止まらねェ!!まだ1分半ある!!!みんないる!!!」
そうして、海軍の助けを得て、目的の時計台の下に、ビビ、ウソップ、ナミ、チョッパーが集まった。時計台の中間地点には、合図を見て時計台に登っていたサンジ、その上にはゾロがいた。だが、時計台の最上部に行くには、内部の階段しか手段はなく、サンジやゾロの位置からは辿り付けない構造だった。

その時、時計が開き、中からバロックワークスのMr.7と、ミス・ファーザーズデーが顔をのぞかせた。

これで砲弾が時計台にあることは疑う余地がない。だが、今からではもう間に合わない。空を飛べるチャカがいればいいのだが、あいにくチャカは偵察に飛び立ったまま。
・・・そのチャカは、実はMr.7とミス・ファーザーズデーに狙撃されていたことを、ビビ達は知らない。

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