「ビックホーン」の街がワポルによって大変なことになっている!!!ドルトンは、その一報に弾かれたように「ココアウィザード」の町を飛び出していた。ドルトンは、恐れていたこの日がきたならば、自分のすべき事が何かをずっと考えていた。
(決着をつけてやる!!!!正義など掲げるつもりはない・・!!!貴様と私は同罪なのだから!!!待ってろワポル。)
怒りに燃え、先を急ぐドルトンは、その姿を巨大な牛に変えていた。
ドルトンがワポルに対して一歩も引かず、自分達の自治を主張する姿を見て勇気づけられた隣街の人々も、武器を持って立ち上がった。
「ドルトンさんに続け!!戦える者は武器を取ってビッグホーンへ!ワポルが帰ってきやがった!!!おれ達の国を守るんだ!!!武器をとれ!!ビッグボーンへ!!!」
ビッグホーンの街は、すでにワポルらに侵略されていた。家は燃やされ、燃えた家ごとワポルがバクバクと食べていた。
「いいか国民どもよ!!!この国にあるものは、全ておれのおかしだ!!」
麦わらの一味を探していた部下が、麦わらの一味は医者を探してドラム城に向ったこと、そのドラム城にはDr.くれはが住んでいることを報告した。ワポルは、Dr.くれはの名を聞くと、怒りを顕にした。
「あの反国ババァがおれの城に!!麦わら共々このおれが食い潰してくれるわっ!!城へ戻るぞ!!!」
そのワポルに、「そこまでだ!!!!」の声とともにドルトンが斬りかかった。その姿は人間に戻っていた。
ドルトンは、ワポルを斬ったかに見えたが、そう甘くはないことをドルトンは知っている。
「死んでくれて結構だが、我らが『医療大国ドラム』の優秀な医師達の医療技術をもってすれば、何てことなかろう」
その言葉通り、王付きの優秀な医師団『イッシー20(トゥエンティ)」の手によって、ワポルはすぐに復活した。
ドルトンはワポルの復活を見届けてから、「さぁワポル、出て行こう。この土地にはもう我々は居てはいけないのだ・・・」と語りかけた。
街の人々は、ドルトンが国から出て行く事に口々に反対した。
「ドルトンさんは、政府側の人間で唯一国の為に命を書けて、死にかけてまで戦ってくれたんだ、もうワポルの家来でもないし、出て行かなくていい!!」
ドルトンは、たまっていたものを吐き出すように言った。
「ドラムは・・・他国からは医学の進んだ国だと認識されているが、現実のこの国は、優れた医者は王の城の20人だけ。他の者は”国外追放”。この国で病人が出れば、お前にひれ伏す以外に方法はない・・・、これは政治ではなく犯罪だ!!!
仮にもお前は、私が世話になった先代国王の息子。いつの日かきっと目を覚ますと希望を抱いていたが、無駄だった。」
ドルトンは、話しているうちにだんだん冷静さを失い、怒りを顕にしていくと同時に姿が牛へと変貌していった。
ドルトンは、【悪魔の実・ウシウシの実・モデルバイソン〔野牛)】の能力者だったのだ。
能力者であるドルトンは強い。しかし『三幹部』の一人として、チェスとクロマーリモと力は互角。
さらにドルトンの気質も弱点も熟知されていた。
チェスは、ドルトンの加勢に駆けつけた街の人々めがけて矢を放った。ドルトンの弱点は、優しすぎること。
ドルトンは、自分の体を楯にして咄嗟に街の人々を守った。ワポルという敵を前に、少数の市民を守る為に死んでしまっては、国は守れない。だが、ドルトンには、目の前の人達が殺されるのを見過ごすことは出来なかった。
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